フィリピンの水道水は飲める?基本的に飲用には適しておらず、旅行者はそのまま飲まないことが推奨されています。本記事では、フィリピンの水事情の基礎知識から、歯磨き・氷・外食時の注意点まで、旅行者が安全に過ごすために知っておきたいポイントを詳しく解説します。
フィリピンの水道水は飲める?

フィリピンの水道水は、そのまま飲むことは推奨されていません。
理由は複数あり、日本のように「どこでも安全に飲める水道水」という環境ではないためです。
① 水源と配水システムが地域によって大きく異なる
フィリピンでは、都市部の一部を除いて多くの家庭が Deep Well(井戸水) を使用しており、水質が均一ではありません。
また、島しょ部や地方では雨水タンクを併用する地域もあり、衛生状態にばらつきがあります。
② 配管が古く、細菌混入のリスクがある
街中の配管は老朽化している場所が多く、破損や汚れが原因で 細菌が混入しやすい といわれています。
そのため、浄水施設で処理された水でも、家庭に届くまでの過程で安全性が落ちる可能性があります。
③ 日本と比べて衛生基準が厳しくない
フィリピンの水質基準は日本ほど高くなく、塩素消毒が弱い/水圧が不安定 などが理由で水質が安定しにくい点があります。
結果として、お腹を壊したり、旅行者が体調を崩すケースが多く報告されています。
④ 高級ホテルでも“飲める”とは限らない
高級ホテルは浄水設備を備えていますが、「飲用水として絶対に安全」ではない のがポイント。
ホテル自体は安心でも、蛇口に届くまでの配管に問題があることがあるため、歯磨きや飲水にはミネラルウォーターが基本となります。
● 結論としての旅行者向けアドバイス
- 飲み水:必ずペットボトルの水
- 歯磨き:できればペットボトルの水(慣れている人でも注意)
- 氷:店によって水質に差があるので慎重に
- シャワー:飲み込まないように気をつける
旅行者の多くがお腹を壊す原因は“食事”よりも“水”が多いため、まずはこの点を理解しておくと安心です。
フィリピンの水事情の基礎知識

「水道水が飲めない」と聞くと少し不安になりますが、その背景には水源の違い・設備・地域差など、フィリピンならではの事情があります。
ここを理解しておくと、「なぜ危ないのか」「どこまでなら大丈夫か」がイメージしやすくなり、無駄に怖がらずに対策をとれるようになります。
水源の種類とフィリピンのライフライン
フィリピンでは、日本のように全国一律で整った上水道が行き渡っているわけではありません。
大きく分けると、次のような水源が使われています。
● Deep Well(ディープウェル:井戸水)
一般家庭やローカルなエリアでは、地下水をくみ上げる「Deep Well」 が今でも広く使われています。
地下水そのものは透明で一見きれいに見えますが、
- 周辺の環境(トイレ・排水設備・ゴミ捨て場など)
- 地盤や土壌の状態
- 井戸の深さやメンテナンス状況
によって、細菌や不純物が混ざるリスクが変わってきます。
● 上水道(ウォーターサプライ)
マニラ首都圏や一部の都市部では、水道会社が管理する「上水道」が整備されています。
ただし、日本のように「飲んでもOK」が前提の水ではなく、生活用水(洗濯・シャワー・トイレなど)がメインというイメージです。
● 雨水タンク・ローカルな貯水タンク
島しょ部や地方では、屋根に降った雨をタンクにためて利用する家もあります。これも、
- タンクの掃除頻度
- フタの有無
- 虫・葉っぱ・ホコリの混入
などで衛生状態が大きく変わるため、生水のまま飲むのは非常に危険です。
配水システムとインフラの課題
水源がきちんと処理されていても、家庭やホテルに届くまでのルートで水質が悪化することがあります。
● 老朽化した配管
フィリピンの都市部では、古い配管が今も使われているエリアが多く、ひび割れやサビから土や細菌が入り込みやすい状態になっていることがあります。
- 地面の近くを通る配管に亀裂
- 大雨や洪水時に汚水が混入
- サビ・泥が混じることで雑菌増殖
など、日本と比べるとどうしてもリスクは高くなります。
● 水圧の不安定さ・断水の多さ
フィリピンでは、
- 夜になると水圧が下がる
- 地域によっては「計画断水」がある
- 停電の影響でポンプが止まり水が出なくなる
といったことも珍しくありません。
このような環境では、水が常に循環せず、タンク内で滞留してしまう時間が長くなるため、衛生状態が悪化しやすくなります。
日本と異なる水質基準と衛生管理
フィリピンにも水質基準はありますが、日本ほど厳格ではないと考えておいた方が安心です。
● 塩素(消毒)の量が安定しない
日本の水道水は、塩素消毒が徹底されているため、蛇口から出てくる水の細菌数が非常に少なく管理されています。
一方フィリピンでは、
- 塩素の量や濃度が一定ではない
- 配水過程で再汚染されるリスクがある
などの理由から、「飲んでも安全」と言い切れるレベルまで管理されていない場合が多いです。
● 「生活用水」と割り切って使われている
現地の人たちも、基本的には
- 飲み水→ボトルウォーター
- 料理・飲み物→浄水器やガロンウォーター
- シャワー・洗濯・トイレ→水道水
といったように、用途によって水を使い分けています。
つまり、そもそも「水道水=飲むもの」という前提では設計されていないのが現状です。
フィリピンの水質(硬水・軟水)と体への影響
旅行者が気になるポイントの一つが「水の硬さ」です。
● 基本は“軟水〜中硬水”だが、日本とはやっぱり違う
フィリピンの水は、地域によってミネラル量に差がありますが、日本の軟水と比べると、カルシウムやマグネシウムが多めの場所もあり、体が慣れていない旅行者はお腹がゆるくなりやすい傾向があります。
● シャワーで「髪がきしむ・肌が乾燥する」と感じることも
硬度がやや高めのエリアでは、
- シャンプーが泡立ちにくい
- 髪がゴワつく
- 肌がつっぱる感じがする
といった違和感を覚える人もいます。
これ自体が危険というわけではありませんが、「いつもと違う水」 を浴びている、という意識を持っておくと納得しやすいです。
地域による水質・水事情の違い
フィリピンは7,000以上の島から成る国で、地域による水事情の差がかなり大きいのも特徴です。
● マニラ首都圏(メトロマニラ)
- 上水道が比較的整備されている
- モールやホテルでは浄水システムがあることも多い
- とはいえ蛇口の水は飲用には不向き
「他の地域よりはマシ」くらいのイメージで、飲み水は必ずペットボトルが基本です。
● セブ・主要観光都市
- 観光エリアや一部コンドミニアムは設備が整っている
- ただし、住宅街やローカルエリアはDeep Wellが多く、地域差が大きい
- 島全体で見ると、水道水を飲むのはやはりNG
観光客向けの店やホテルでは配慮されていますが、「どこでも安全」というわけではないので油断は禁物です。
● 地方都市・離島エリア
- 井戸水や雨水タンクがメインのところも多い
- 大雨・洪水後は水質悪化のリスクが高い
- 現地の人も「煮沸してから使う」ことがあるレベル
このようなエリアでは、飲み水はもちろん、歯磨きや氷にも特に注意が必要になります。
ホテル・コンドミニアムの浄水設備について
旅行者がよく泊まる、
- シティホテル
- リゾートホテル
- コンドミニアム(コンド型ホテル)
などでは、独自に浄水フィルターやタンクを導入しているところもあります。
● 「浄水=飲める」ではない点に注意
ホテルの説明に「フィルター付き」などと書かれていても、
- フィルターの交換頻度
- タンクや配管の清掃状況
によって安全性は大きく変わります。
現地在住者でも、結局はペットボトルの水を飲む人が多いのが現実です。
旅行者が実際にどうしているか

フィリピンに初めて訪れる旅行者の多くは、「水」について特に慎重に行動しています。
現地在住者でさえ飲料水は買っているほどなので、旅行者はなおさら「水の選び方」や「日常の使い方」に気を配る必要があります。
ここでは、旅行者が実際に取っている行動を分かりやすくまとめていきます。
飲み水は「ペットボトル」が基本
フィリピンでは、どんなホテルでも“水道水を飲む”という選択肢はほぼありません。
旅行者はコンビニやスーパーでペットボトルの水を購入し、
- 飲み水
- 歯磨き
- うがい
- アイスコーヒーや紅茶の作成(コンドミニアムの場合)
など、あらゆる用途に使っています。
● 1本あたりの価格の目安
- 500ml:15〜25ペソ(約40〜70円)
- 1〜1.5L:20〜35ペソ(約50〜90円)
物価は日本より安いので、水の購入はコスト的にも負担が少ないです。
ホテルの無料ボトル(サービスウォーター)を活用
ほとんどのホテルには、
- 客室に無料のミネラルウォーター
- 共用スペースの給水機(ウォーターサーバー)
が設置されています。
● 旅行者はどう使っている?
- 飲む
- 歯磨き
- 小さめの水筒に入れて持ち歩く
などが一般的。
ホテルの無料水は多くがRO(逆浸透膜)浄水で、かなり安全性が高いため、安心して使っている人が多いです。
レストランの「無料の水」は基本NG扱い
フィリピンでは、レストランで「サービスウォーター(水道水を軽く冷やしただけ)」が提供されることがあります。
旅行者はほぼ例外なく、
✔ 無料の水は飲まない
✔ 必ずボトルウォーター(有料)を注文する
という行動をとります。
理由は、
- 水道水を直接使っている店が多い
- 氷も水道水の可能性がある
- コップの洗浄状況が不明
といった衛生面の不安があるためです。
③−4 歯磨きは「ペットボトル水」を使う人が大多数
実際の旅行者は、ほぼ全員が歯磨きにペットボトル水を使用しています。
理由は明確で、
- 水道水を口に含むことで細菌摂取のリスク
- 水が弱酸性や硬度の違いがありお腹がゆるくなる原因
- ホテルの配管状況が読めない
といった点が挙げられます。
● 実際の使い方
- 歯磨きのときにキャップ1〜2杯の量を使う
- コップに少量入れてうがい
- 毎回ペットボトルを使う人もいる
「そこまでやる?」と思うかもしれませんが、お腹を壊すと旅が台無しになるため、旅行者はとても慎重です。
氷(アイス)の扱いは店によって判断が必要
旅行者が特に気をつけるのが氷です。
● 氷が安全なケース
- 大手チェーン店(スタバ・Jollibee・マクドナルド)
- 高級レストラン
- ホテル内の飲食店
これらでは製氷機の水がRO浄水になっていることが多く、安全性は比較的高いです。
● 注意したいケース
- 屋台・ローカル食堂
- 個人経営の小さなカフェ
- 観光地の路上販売のジュース
これらの氷は、水道水で作られている場合があり、旅行者は避けることがほとんど。
シャワーは「飲み込まないように」意識して使う
旅行者は、シャワー中に
- うっかり飲まない
- 口に入らないように気をつける
という点に特に気をつけています。
● 実際に注意するポイント
- 顔を洗うときに水が口に入らないようにする
- 小さな子供は大人がサポート
- 傷口や敏感肌の人はシャワー後にしっかり保湿
体に浴びる分には問題ないですが、胃に入ると途端にリスクが高くなるため、ここだけ慎重です。
コンドミニアムは「ガロンウォーター」派が多い
旅行者の中でも、1週間以上滞在するタイプの人は、
- 5ガロン(約19L)のウォータータンク
- ピュリファイドウォーター(RO浄水)
を購入して部屋で使うことが多いです。
● なぜ人気?
- コスパが良い(5ガロンで60〜100ペソほど)
- 飲む・料理する・コーヒーを作るのに便利
- 店員が部屋まで運んでくれる
長期滞在者はほぼ全員ガロン水を使っています。
「屋台のジュース」「カットフルーツ」は慎重に
旅行者が気をつけている代表例は、
- 色鮮やかなジュース
- 露店のアイスドリンク
- カットフルーツ(洗浄水の質が不明)
など。
屋台のフルーツは本当に美味しいんだけど、水道水で洗っているケースが多いため、旅行者はできれば避けています。
✔ まとめ:旅行者は“徹底して水を選んでいる”
- 飲む水→必ずボトル
- 歯磨き→ボトルが基本
- 氷→店で判断
- シャワー→飲まないよう注意
- 長期滞在→ガロンウォーター
- 屋台の水系は避ける
このように、旅行者は水の扱いをかなり慎重に管理しているのが現実です。
安全に過ごすための対策

フィリピンの水道水は飲めないと分かっても、「実際にどう対策すればいいか」が分からないと不安は残ります。
ここでは、旅行者ができる もっとも現実的で安全性の高い対策 を、理由付きで詳しく解説します。
まずは「飲み水は必ずボトル」を徹底する
旅行中に最も大事な対策は、飲み水を完全に分けること。
✔ ペットボトルの水を選ぶ理由
- 水質が安定していて安全性が高い
- 値段が安く、入手しやすい
- 現地の人も飲料水として使っている
500mlのペットボトルは、コンビニ(7-Eleven、ミニストップ、LAWSON)、スーパー、ホテルの売店などどこでも簡単に手に入ります。
✔ 観光地での注意
観光地(特に離島)では、店によっては常温保存のボトルが古い場合もあるため、
- ラベルが破れていないか
- キャップがしっかり密閉されているか
- 見た目が濁っていないか
ここだけチェックすると安心度が上がります。
歯磨き・うがいも「ペットボトルの水」を使用
「歯磨きくらい大丈夫でしょ?」と思う人もいますが、一番お腹を壊しやすいのは “口から無意識に取り込む少量の水” です。
✔ なぜ危険?
- 水道水に含まれる細菌量が地域差で大きい
- 小さな量でも胃に入れば腹痛・下痢の原因に
- シャワーや洗面の配管の衛生状況が不透明
✔ 実際どうやって使う?
- コップ半分の水で十分
- ペットボトルのキャップ1〜2杯でもOK
- 子供は大人がサポートすると安全
旅行者が気をつけているのは「少量でいいから確実に安全な水を使うこと」。
氷を注文する時は“店のタイプ”で判断する
氷の安全性は「作る水」がどこから来ているかが重要です。
✔ 基本的に安全な場所
以下の店ではRO水や製氷機の管理がしっかりしていることが多いです。
- 大手チェーン店(スタバ、マクドナルド、Jollibee)
- 高級レストラン
- ショッピングモール内の店舗
- ホテル内のレストラン
✔ 注意が必要な場所
- 屋台
- 個人のローカル食堂
- 路上ドリンク(ジュース・シェイク)
水道水で作った氷が使われていることがあり、旅行者は必ず「氷なし(No ice)」を注文するのが定番です。
外食時のドリンクは「密閉ボトル」か「缶」が安心
レストランでオーダーする場合は、
- コーラ・スプライトなどの瓶・缶
- ペットボトルのお茶・水
- 密閉されているジュース類
を選ぶとリスクが大幅に減ります。
理由は、カップに入れ替えるときのコップの清潔度、氷の質が不明 だから。
フルーツやサラダは“洗浄水”に注意
フィリピンの果物はとても美味しいけれど、気をつけたいのが洗浄に使われる水。
✔ 危険なケース
- 屋台のカットフルーツ
- 路上のフルーツカップ
- ローカル食堂のサラダ
これらは、水道水で洗っていることがほとんど。
✔ 安全なケース
- モール内のフルーツショップ
- 高級レストラン
- ホテルのビュッフェ
- 自分で買って→ペットボトルの水で洗う
シャワーは「口に入れない」だけ意識すればOK
体にかかる程度の水で問題はありませんが、
- 顔を洗うとき
- 子どもが遊びながら浴びるとき
- 口をすすぐとき
など、水が口に入りやすいタイミングだけ注意して使います。
長期滞在ならガロンウォーターを活用
長期滞在者・留学生・ノマドは、ほぼ全員が 5ガロン(19L)のウォータータンク を利用しています。
✔ メリット
- 安い(5ガロンで60〜100ペソほど)
- 飲む・料理する・コーヒーにも使える
- 配達してくれる店も多い
✔ 注意点
- ガロンタンクのメーカーによって品質に差がある
- 有名ブランドを選ぶと安全
(例)Wilkins、Nature’s Spring、Summit など
携帯用の“ミニアルコール”で食器やストローを拭く旅行者も多い
フィリピンは外食文化が強く、紙ナプキンや簡易カップが多い国。
旅行者の中には、
- スプーン
- フォーク
- ストロー(プラや紙ストロー)
- グラスの飲み口
を、アルコールでサッと拭く人も多いです。小さな対策ですが、体調管理には効果大。
大雨・台風後は特に注意
フィリピンは台風が多く、大雨の後は水質が悪化しやすい。
✔ この期間に注意したいこと
- 水道水の濁り(タンクの底の泥が流れ込む)
- 屋台やローカル店の氷・水の扱い
- フルーツや野菜の洗浄水
「台風後はお腹を壊す旅行者が増える」と言われるのはこのため。
お腹を壊した時は“水分補給の方法”を変える
もし体調を崩したときは、
- スポーツドリンク(ポカリ系)
- 電解質パウダー(ORS:Oral Rehydration Salts)
を使うと回復が早い。
フィリピンのドラッグストアで簡単に購入できるので、もしもの時も安心。
✔ ここまでの対策で、旅行者が水で困ることはほぼゼロ
・飲み水は100%ボトル
・歯磨きもボトル
・氷と外食ドリンクは慎重
・フルーツやサラダの“洗浄水”に注意
・シャワーは口に入れない
・大雨後はより慎重
ここまで押さえれば、フィリピン旅行で水が原因のトラブルはほぼ防げます。
よくある誤解と注意点

フィリピンの水については、日本とは環境がまったく異なるため、旅行者が誤った理解をしてしまいがちなポイントがいくつもあります。
ここでは、特によくある誤解と「なぜそれが危険なのか」を分かりやすく説明します。
「高級ホテルだから水道水も安全」という誤解
高級ホテルは設備が整っているため、“蛇口の水も飲める” と勘違いする人が少なくありません。
しかし実際は、
- ホテル内はきれいでも、外部の配管が古いことがある
- タンクの衛生状態は見えない
- 過去に浄水設備が故障した事例もある
などの理由から、飲用としては推奨されていません。
ホテルは「浄水した水を備え付ける」ことで飲料水を提供しているため、蛇口の水はあくまで生活用水という認識が正しいです。
「透明な氷は安全」という半分だけ正しい情報
旅行者の間で有名なのが、「透明な氷=RO水(良い水)」 という噂。
確かに、透明な氷は多くの場合RO浄水で作られていますが、完全に信じてしまうのは危険です。
● なぜ?
- 製氷機の内部が清掃されていない場合は雑菌が増殖
- 透明でも水道水+添加物で透明化した氷も存在
- コップが汚れているケースもある
氷の安全性は「透明度」ではなく、“どこで作られたか” “どんな店か”で判断するのが正解。
「現地の人が飲んでるから大丈夫」という誤解
現地の人は「水道水を飲まない」のが一般的です。
実際は、
- ドラム缶入りのガロンウォーター
- ウォーターサーバーの水
- RO(逆浸透膜)で浄水した水
を使って飲んでいます。
現地の人が水道水を直接飲むケースはほとんどありません。つまり、「現地の人も飲んでる=安全」という発想は完全な誤解です。
「歯磨きのうがい程度なら問題ない」という誤解
日本人旅行者が最もやってしまうのがこれ。
しかし、旅行中にお腹を壊す人の多くが、“歯磨きでうっかり飲み込んだ水”が原因といわれています。
理由は、
- 体が慣れていない細菌を少量でも取り込むと反応しやすい
- フィリピンは水質の地域差が大きい
- ホテルの配管も外部環境の影響を受けている
ためです。
短い滞在ほど体が水に慣れないので、うがいもペットボトルの水が安全。
「レストランのサービスウォーターは安全」という誤解
日本では当たり前の“無料の水”。
しかしフィリピンでは、
- 水道水をそのまま冷やしただけ
- 氷が水道水の可能性
- コップの洗浄が甘い店もある
という理由で、旅行者は 基本的に飲まない のが正解。
飲むなら、瓶・缶の飲み物 or ペットボトルが確実に安全です。
「果物やサラダはヘルシーだから大丈夫」という誤解
フィリピンの果物は非常に美味しいですが、
- 洗浄に使っている水が水道水
- ナイフやまな板の衛生管理が不明
- 手で触れる機会が多い
という理由から、カットフルーツやサラダは食中毒の原因になりやすいメニュー。
ホテルやモールの店は比較的安全ですが、屋台は注意が必要です。
「お腹を壊すのは料理のせい」と思い込む誤解
実は、フィリピンでお腹を壊す旅行者の原因の多くは“水”です。
- 氷
- サラダの洗浄水
- 歯磨きのときの水
- 無料の水
- カットフルーツ
これらが“盲点”になりやすいので、水に対する理解があるだけでトラブルを大幅に減らせます。
「短期滞在だから気にしなくていい」も危険
実際には、短期滞在者のほうが水の違いに体が慣れず、お腹を壊しやすい です。
特に、1〜5日の弾丸旅行は要注意。
少しの油断が旅を台無しにするため、滞在期間に関係なく“油断しない”のが鉄則。
よくある質問(FAQ)

Q1. フィリピンの水道水は絶対に飲んではいけませんか?
はい。飲むのはNG です。
理由は、地域ごとに水質が異なり、配管の老朽化や殺菌処理の弱さから、旅行者が腹痛や下痢を起こす可能性が高いからです。
現地在住者でさえ飲み水には ペットボトルまたはRO水 を使っています。
Q2. 歯磨きは水道水でしても大丈夫?
推奨されません。一番お腹を壊しやすいのが「うがいで口に入った少量の水」です。
旅行者は、ホテルでも 歯磨きにペットボトルの水 を使うのが基本です。
Q3. シャワーの水は浴びても大丈夫?
体に浴びる分には問題ありません。
ただし、
- 口に入れない
- 目や口を強く洗いすぎない
- 子どもの入浴は特に注意
この3つだけ意識すれば、安全に使えます。
Q4. 氷は飲んでも大丈夫?
店によります。
比較的安全な場所
- 大手チェーン(スタバ・マクドナルドなど)
- ショッピングモール内のレストラン
- ホテル内の飲食店
避けた方がよい場所
- 屋台
- 路上ドリンク
- 個人経営のローカル店
氷は“水道水で作られている可能性”があるため、店のタイプで判断するのが正解です。
Q5. レストランの無料の水は飲んでもいい?
飲まないでください。無料=水道水の可能性が非常に高いです。
旅行者は必ず、
- ペットボトルの水
- 瓶・缶のドリンク
を注文します。
Q6. カットフルーツやサラダは大丈夫?
店によって大きく異なります。
安全なケース
- ホテルのビュッフェ
- モールの専門店
- 高級レストラン
危険なケース
- 屋台
- 路上のフルーツカップ
- ローカル食堂
理由は「洗浄に使う水が水道水」の場合があるため。
気になる場合は、丸ごとフルーツを買って、自分でペットボトルの水で洗うのが最も安全です。
Q7. コンドミニアムにあるウォーターサーバーは安全?
多くは RO(逆浸透膜)浄水 で安全性が高いです。
ただし、
- 使っているブランド
- サーバーの掃除頻度
- ガロンタンクの品質
によって差があります。
有名ブランド(Wilkins、Nature’s Spring、Summit など)なら安心度が高いです。
Q8. 台風のあとに水が濁って見えるのはなぜ?
大雨や浸水で、配管やタンクの底に溜まった汚れが混ざる ためです。
この時期は特に、
- 氷
- 無料の水
- カットフルーツ
- サラダ
には気をつけましょう。
Q9. レストランのコップやストローは安全ですか?
店によります。
気になる人は、アルコールティッシュで飲み口をサッと拭く 人も多いです。特にローカル店では、紙ナプキンや食器の洗浄が甘い場合があります。
Q10. 子どもや赤ちゃんは特に気をつけるべき?
はい。大人より弱いため慎重に。
- 飲み水→100%ボトル
- ミルク作り→ボトルウォーター必須
- 氷・ジュース→避ける
- シャワー→口に入れないようにサポート
赤ちゃんは特にミネラル過多を避けたいので、“蒸留水(Distilled Water)” を選ぶとより安全です。
Q11. もしお腹を壊したらどうすればいい?
軽い症状なら、
- ポカリなどの電解質ドリンク
- ORS(経口補水液パウダー)
で水分補給すると回復しやすいです。
薬が必要な場合は、ドラッグストアで整腸剤や下痢止めを購入できます。
Q12. ホテルのポットの水を沸かせば飲んでもいい?
NGです。
理由
- 水道水に含まれる細菌や不純物は沸騰だけでは安全にならない
- 配管由来の汚れは残る
- タンクやポット自体が衛生的でない場合も
沸かせばOKという考えは危険なので、飲む水は必ずボトルを選んでください。
Q13. コーヒーや紅茶は飲んでもOK?
店によっては、お湯をボトルウォーターで沸かしていない場合があります。
避けたいケース
- 屋台コーヒー
- ローカル食堂の激安コーヒー
比較的安全なケース
- チェーン店(Bo’s Coffee、スターバックス)
- モール内のカフェ
- ホテルのラウンジ
Q14. どこで安全な水を買える?
安心度の高い場所
- コンビニ(7-Eleven、ミニストップ)
- 大型スーパー(SM、Robinsons)
- モール内の売店
- ホテルの売店
有名ブランド
- Wilkins
- Summit
- Nature’s Spring
- Absolute
- Evian(輸入品)
Q15. 水道水で洗った食器は大丈夫?
乾燥していれば大きな問題はありませんが、濡れているコップに注がれる飲み物は注意が必要です。
不安な場合は、
- 一口目を少し残す
- 瓶・缶ドリンクを選ぶ
などでリスクを減らせます。
まとめ|水の扱いを理解すればフィリピン旅行は安心して楽しめる
フィリピンの水道水は、日本とは水質・インフラ・衛生基準が大きく異なるため、そのまま飲むことは推奨されていません。
ただし、水事情を正しく理解し、旅行者が普段から実践している対策をとれば、必要以上に怖がる必要はありません。
- 飲み水 → ペットボトルの水を使う
- 歯磨き → ペットボトルの水でうがい
- 氷 → 店のタイプで判断
- 外食 → 瓶・缶飲料を選ぶと安全
- フルーツ・サラダ → 洗浄水に注意
- シャワー → 口に入れなければ問題なし
こうした基本を押さえるだけで、お腹を壊すリスクは大幅に減ります。
フィリピンは、美しい海、魅力的なリゾート、南国フルーツ、フレンドリーな人々など、見どころがたくさんある国です。
水の扱いだけ正しく知っておけば、旅行を思い切り楽しむことができます。
安心して、フィリピンの魅力を満喫してください。

