パクシウは、フィリピンの家庭で日常的に食べられている煮込み料理の一つで、魚や肉を酢と香味野菜でさっぱりと煮込むのが特徴です。特に魚を使ったパクシウ・ナ・イサは、保存性を高める目的もあり、暑い気候の中で発展してきました。酢の酸味と魚の旨味が合わさった素朴な味わいで、ご飯が進む家庭料理として親しまれています。調理法もシンプルなため、フィリピン料理初心者にも理解しやすい一品です。
基本情報

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 料理名 | パクシウ |
| 英語表記 | Paksiw |
| 主な食材 | 魚(ミルクフィッシュ・サバ・ティラピアなど) |
| 味の特徴 | 酸味が強めでさっぱり、魚の旨味がしっかり |
| 調理法 | 酢で煮込む |
| 発祥・背景 | 保存性を高めるために生まれた家庭料理 |
| よく食べられる場面 | 朝食・昼食・家庭の常備菜 |
| 相性の良い主食 | 白ごはん |
パクシウとはどんな料理?

酢で煮込むフィリピンの定番家庭料理
パクシウは、魚や肉を酢・水・香味野菜で煮込む、フィリピンの伝統的な家庭料理です。特に魚を使った「パクシウ・ナ・イサ」は定番で、シンプルな調理法ながら、素材の旨味をしっかり引き出すのが特徴です。
酢を使うことで保存性が高まり、暑い気候のフィリピンに適した料理として広く定着しました。
使われる魚と基本の材料
主に使われるのはバングス(ミルクフィッシュ)、サバ、ティラピアなどの身がしっかりした魚です。味付けは酢を中心に、にんにく、玉ねぎ、生姜、唐辛子を加えるのが一般的で、地域や家庭によってはナスやゴーヤを入れることもあります。
特別な調味料を使わず、家庭にある材料で作れる点も特徴です。
作り置きできる実用的な料理
パクシウは冷蔵保存しやすく、翌日以降の方が味がなじんで美味しくなることもあります。そのため、作り置きのおかずとして重宝され、忙しい家庭の食卓を支えてきました。
焼く・揚げる料理とは違い油をほとんど使わないため、比較的さっぱり食べられるのも魅力です。
パクシウはどんな味?

酢の酸味が主役のさっぱり系
パクシウの一番の特徴は、酢のはっきりした酸味です。レモンやポン酢のような爽やかさというより、コクのある酸味が魚の臭みを抑え、後味をすっきりまとめます。脂のある魚でも重たく感じにくく、暑い気候でも食べやすい味わいです。
魚の旨味が溶け込んだ煮汁
煮込むことで魚の旨味が煮汁に溶け出し、シンプルながらご飯が進む味になります。調味料は最小限でも、酢・にんにく・生姜の組み合わせによって、物足りなさはありません。煮汁をご飯にかけて食べるのも定番です。
家庭や地域で味の幅がある
基本は酸味中心ですが、唐辛子を加えてピリ辛にしたり、少量の砂糖で酸味を和らげたりと、家庭ごとに味のバリエーションがあります。前日に作っておくと味がなじみ、翌日の方が美味しいと感じる人も多い料理です。
パクシウはどこで食べることができる?
フィリピンの一般家庭
パクシウは外食よりも家庭で食べられることが多い料理です。作り置きしやすく、翌日も食べられるため、忙しい家庭の定番おかずとして長く親しまれてきました。特に魚を使ったパクシウは朝食や昼食に登場することが多く、白ごはんと一緒に食べられます。
カレンデリア(大衆食堂)
フィリピン各地にある庶民的な食堂「カレンデリア」では、日替わりのおかずとしてパクシウが並ぶことがあります。派手さはありませんが、家庭の味に近い料理を手軽に味わえるため、現地の人にも観光客にも人気です。
日本ではややレア
日本のフィリピン料理店では、アドボやシニガンと比べるとパクシウを見かける機会は多くありません。そのため、日本で食べる場合は家庭料理として作るか、フィリピン人向けの食堂やイベントなどで出会うケースが中心になります。
パクシウがフィリピンの家庭で愛され続ける理由
「余った魚」を無駄にしない知恵の料理
パクシウは、新鮮な魚を使う料理であると同時に、余った魚を翌日以降も美味しく食べるための知恵として発展してきました。
酢で煮込むことで傷みにくくなり、再加熱しても味が崩れにくいため、冷蔵保存が当たり前でなかった時代には非常に合理的な調理法でした。
ご飯中心の食文化と相性抜群
フィリピンの食卓は白ごはんが主役です。パクシウの酸味と旨味が効いた煮汁は、ご飯と一緒に食べることを前提にした味付けで、少量でも満足感があります。派手な料理ではありませんが、毎日でも食べられる実用的な家庭料理として定着しています。
外食より「家の味」として残る存在
アドボやシニガンのようにレストランで提供されることは少ない一方で、パクシウは各家庭ごとに味が違う料理です。そのため、フィリピン人にとっては「外で食べる料理」ではなく、母親や祖母の味を思い出す家庭料理として記憶に残る存在でもあります。

