フィリピン料理の定番として広く親しまれているのが「チキンアドボ」です。酢と醤油、にんにくで鶏肉を煮込むシンプルな料理ながら、さっぱりとした酸味とコクのある味わいが特徴で、家庭ごとに少しずつ味が異なります。豚肉を使うポークアドボよりも軽く、食べやすいことから、日常の食卓に登場する頻度も高い一品。初めてフィリピン料理を食べる人にもおすすめされる、国民的家庭料理のひとつです。
基本情報

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 料理名 | チキンアドボ |
| 英語名 | Chicken Adobo |
| 食べられる場所 | フィリピンの家庭、ローカル食堂(カレンデリア)、レストラン |
| 料理の意味 | 酢と醤油を使って肉を煮込む調理法「アドボ」の鶏肉版 |
| 特徴 | 酸味と塩味のバランスが良く、豚肉よりも軽くて食べやすい国民的家庭料理 |
チキンアドボはどんな料理?

フィリピンの家庭で日常的に作られる定番おかず
チキンアドボは、フィリピンの多くの家庭で日常的に作られている定番料理です。
特別な日のごちそうというより、「今日は何を作る?」という会話の中で自然に選ばれる料理で、週に何度も食卓に登場することも珍しくありません。
家庭料理としての位置づけが非常に強く、外食よりも家庭で食べられる機会の方が多いのが特徴です。
酢と醤油で煮込む、アドボの基本形
チキンアドボは、酢・醤油・にんにくを使って肉を煮込む「アドボ」という調理法の中でも、最も基本的で分かりやすいスタイルのひとつです。
鶏肉は味が染み込みやすく、短時間の煮込みでもしっかりと味が決まるため、料理初心者でも作りやすい点が支持されています。
鶏肉ならではの軽さと食べやすさ
豚肉を使うポークアドボに比べ、チキンアドボは脂が控えめで、全体的に軽い仕上がりになります。
煮汁に溶け出した鶏の旨みが全体をまとめ、食後の重さが残りにくいのが魅力。暑い日でも食べやすく、家族全員で同じ料理を楽しめる点も、家庭で重宝される理由です。

家庭ごとに作り方が違う“その家の味”
チキンアドボは、皮付き・骨付きで作るかどうか、煮汁を多めに残すか煮詰めるかなど、家庭ごとの差が特に出やすい料理です。
酸味を効かせる家もあれば、少し甘みを足す家もあり、「正解の味」が存在しません。そのため、フィリピンではチキンアドボもまた、家庭の味として記憶される料理になっています。
チキンアドボはどんな味?

酸味と塩味がやさしく広がる、食べ疲れしない味わい
チキンアドボを口に運ぶと、まず感じるのは酢のやわらかな酸味と醤油の穏やかな塩味です。
ポークアドボに比べると味の立ち上がりは軽く、角の取れたまろやかさがあります。酸味が後味を引き締めるため、煮込み料理でありながら重たさを感じにくく、自然と次の一口が欲しくなる味わいです。
鶏肉に煮汁がしっかり染み込む
鶏肉は繊維が細かく、煮汁を吸いやすいため、一口ごとにしっかりと味を感じられるのが特徴です。
特に骨付き肉を使った場合、骨の周りから旨みがじんわりとにじみ出し、肉の内側まで味が行き渡ります。噛むとほろっとほどける食感で、ごはんとの相性も抜群です。
にんにくと香辛料が支える控えめな香り
にんにくは前面に出すぎず、煮込まれることで甘みを帯び、料理全体を下支えします。
ローリエや胡椒を加える家庭も多く、ほんのりとしたスパイス感が味に奥行きを与えます。香りが強すぎないため、毎日の食事としても無理なく食べ続けられるバランスです。
時間が経つほどまとまっていく味
チキンアドボもまた、作りたてより少し時間を置いた方が味が落ち着く料理です。
酸味と塩味、鶏肉の旨みが一体となり、全体がなじんだ印象になります。翌日は味が丸くなり、より家庭料理らしい安心感のある味に変化していきます。
チキンアドボはどこで食べることができる?

フィリピンの家庭で最も身近に食べられている
チキンアドボは、外食よりも家庭で食べられる機会が圧倒的に多い料理です。
夕食のおかずとして作られることはもちろん、作り置きして翌日以降も食べられるため、冷蔵庫に常備されている家庭も少なくありません。
フィリピン人にとっては「今日はアドボ」という感覚が自然で、特別感のない、日常に溶け込んだ存在です。
ローカル食堂(カレンデリア)では定番中の定番
街中のローカル食堂「カレンデリア」では、チキンアドボはほぼ必ず並ぶ定番メニューです。
大鍋でまとめて煮込まれ、ごはんと一緒にワンプレートで提供されるのが一般的。味付けは家庭的で、酸味がやや強めだったり、煮汁が多めに残っていたりと、店ごとの個性を楽しめます。
フィリピンレストランでは観光客向けにも提供される
観光客向けのフィリピンレストランでも、チキンアドボは定番料理のひとつです。
レストランでは煮汁をほどよく煮詰め、クセを抑えた食べやすい味に調整されていることが多く、初めてフィリピン料理を食べる人でも安心して注文できます。
骨を外して提供される場合もあり、食べやすさが重視されます。
海外のフィリピン料理店でも定番メニュー
チキンアドボは、海外のフィリピン料理店でもよく見かける料理です。
材料が手に入りやすく、味の方向性も分かりやすいため、初めてのフィリピン料理として選ばれることが多い一皿。
海外在住のフィリピン人にとっては、家庭の味を思い出す料理として親しまれています。
チキンアドボが長く愛される理由と知っておきたい豆知識
「軽さ」と「安心感」が両立した家庭料理
チキンアドボがここまで広く愛されている理由のひとつが、毎日食べても負担にならない軽さです。
酢の酸味が後味を引き締め、鶏肉の脂も控えめなため、こってりした料理が続く中でも自然に食卓に戻ってきます。
味に派手さはないものの、食べ終わった後に安心感が残る料理として、家庭で重宝されています。
子どもから大人まで同じ一皿を囲める
チキンアドボは、辛さや強いスパイスを使わないため、年齢を問わず食べやすいのが特徴です。
家族全員が同じ料理を食べられるため、別メニューを用意する必要がなく、忙しい家庭でも作りやすい存在。フィリピンでは「家族の食卓を支える料理」として定着しています。
「翌日の方が美味しい」と言われる理由
チキンアドボは、時間が経つことで味がなじみ、酸味と塩味、鶏の旨みが一体化します。
翌日になると角が取れ、より丸みのある味わいに変化するため、作り置きされることが多い料理です。この性質が、日常料理としての使いやすさをさらに高めています。
同じアドボでも、家庭ごとに印象が違う
皮付きかどうか、煮汁を残すか煮詰めるか、砂糖を少し加えるかなど、チキンアドボは家庭ごとの差がはっきり出る料理です。
そのため、フィリピンでは「アドボの味=その家の味」と言われることも多く、思い出や会話のきっかけになる料理でもあります。
フィリピン料理入門に最適な一皿
クセが少なく、日本人の味覚にもなじみやすいチキンアドボは、初めてフィリピン料理を食べる人に最も勧めやすい料理のひとつです。
家庭料理でありながら、その国の食文化や暮らし方を感じ取れる一皿として、フィリピンを知る入口の料理とも言えるでしょう。

