フィリピンの調味料「バゴーン」とはどんな調味料?

バゴーン

バゴーンとは、フィリピン料理でよく使われる発酵調味料の一つで、小魚や小エビを塩漬けにして発酵させたものです。日本でいう塩辛や魚醤に近い存在ですが、香りや使い方にはフィリピンならではの特徴があります。カレカレに添えられることで知られていますが、必ずしも大量に使うものではなく、料理の味を引き締める「名脇役」として使われることが多い調味料です。初めて聞くとクセが強そうに感じますが、役割や食べ方を知ると、フィリピン料理の味の奥深さがよくわかります。

目次

基本情報|バゴーンとは何か?

バゴーン

バゴーンは「発酵させた魚介の調味料」

バゴーンとは、小魚や小エビを塩漬けにして発酵させた、フィリピンの伝統的な発酵調味料です。

見た目や香りに強い個性がありますが、料理そのものというより味を引き立てるための調味料として使われます。日本でいう塩辛や魚醤に近い存在で、少量加えることで料理にコクや深みを与えます。

原料は「魚」か「エビ」が中心

バゴーンの原料は主に魚または小エビ。地域や家庭によって使う材料が異なり、それぞれ風味にも違いがあります。

特に有名なのが、小エビを使ったタイプで、カレカレに添えられることが多く、フィリピン料理を代表する組み合わせとして知られています。

バゴーンは2種類ある

バゴーンには大きく分けて2種類があります。

  • バゴーン・イスダ:小魚を発酵させたタイプ
  • バゴーン・アラマン:小エビを発酵させたタイプ

どちらも塩分が強く、発酵による独特の香りがありますが、料理によって使い分けられます。特に日本人旅行者や初心者が目にするのは、バゴーン・アラマンが多いです。

味・香り|バゴーンはどんな味がする?

バゴーン

正直に言うと「かなりクセが強い」

バゴーンを初めて見る・嗅ぐ日本人が驚きやすいのは、その強烈な香りです。発酵した魚介特有の匂いがあり、単体で嗅ぐと「臭い」「無理かも」と感じる人も少なくありません。

ただしこれは発酵食品としては自然なことで、味噌や納豆と同じく、調理や組み合わせ次第で印象は大きく変わります

味の正体は「強い塩味+深い旨味」

バゴーンの味は非常に塩分が強く、そこに発酵による旨味が加わっています。単体で大量に食べるものではなく、ほんの少量で料理全体の味を引き締める役割を持っています。

日本の塩辛やアンチョビ、ナンプラーに近い感覚で考えると理解しやすいでしょう。

日本人が苦手に感じやすい理由

日本人がバゴーンを苦手に感じる主な理由は次の3つです。

  • 香りが強く、事前知識なしだと驚く
  • 見た目がペースト状で食べ方がわからない
  • 「そのまま食べるもの」と誤解しやすい

実際には、料理に少し添える・混ぜるのが基本で、主役として大量に食べるものではありません。

特にカレカレのような甘みのある料理と合わせることで、味のバランスが取れ、バゴーンの良さが生きてきます。

どんな料理に使われる?|バゴーンの役割

バゴーン

最も有名なのは「カレカレ」

バゴーンが最もよく知られている使われ方は、カレカレに添えられる調味料としてです。カレカレは、ピーナッツを使った濃厚で甘みのある煮込み料理ですが、味付け自体は比較的やさしく、単体だと少し物足りなく感じることもあります。

そこで登場するのがバゴーンです。塩味と発酵の旨味を少し加えることで、全体の味が引き締まり、カレカレが完成形になります。

バゴーンは「混ぜる・少し添える」が基本

重要なのは、バゴーンを料理に大量にかけるものではないという点です。カレカレの場合も、最初から混ぜ込むのではなく、別皿で添えられ、食べる人が好みに合わせて少量ずつ加えます。

このスタイルは、香りや塩分の強さを調整できるため、初心者や観光客にも配慮された食べ方です。

カレカレ以外で使われる場面

バゴーンはカレカレ専用というわけではなく、以下のような場面でも使われます。

  • 茹でた野菜のディップとして
  • シンプルな焼き魚や肉料理のアクセント
  • ごはんのおかずとして少量添える

ただし、日常的に大量消費する調味料ではなく、「味変」や「アクセント」として使われる存在です。

そのため、初めてフィリピン料理を食べる人が接する場面としては、やはりカレカレが最も多くなります。

初心者向け|バゴーンの食べ方と注意点

バゴーン

最初は「ごく少量」から試すのが正解

バゴーンは香りも塩味も非常に強いため、最初からたくさん使うのはNGです。基本は、米粒2〜3粒分ほどを料理に少し付けて味を見ること。

特にカレカレの場合は、スプーンで混ぜ込むのではなく、一口分ずつ少量を添える食べ方がおすすめです。

そのまま大量に食べなくていい

初心者がやりがちな誤解が、「バゴーン=そのまま食べるおかず」という認識です。実際には、主役ではなく味を補うための調味料なので、単体で食べる必要はありません。

料理と一緒に少しずつ使うことで、発酵の旨味が生きてきます。

苦手だと感じたら無理に使わなくてOK

フィリピンでも、バゴーンが苦手な人は一定数います。観光客向けのレストランでは、最初から提供されない場合や、別皿で出されることがほとんどです。

香りが気になる場合は、無理に使わず、まずは料理そのものの味を楽しむのも正解です。

匂いが気になる人向けの工夫

どうしても匂いが苦手な場合は、以下の方法が試しやすいです。

  • カレカレにほんの少量だけ混ぜる
  • ごはんと一緒に食べて塩味を和らげる
  • 加熱された料理と合わせて香りを抑える

これだけでも、印象はかなり変わります。

なぜバゴーンはフィリピン料理に欠かせないのか

バゴーン

「味を完成させる最後のピース」

バゴーンは、単体で主役になる料理ではありません。しかし、カレカレのような甘みやコクのある料理に少量加えることで、味の輪郭をはっきりさせ、料理を完成形へと導く役割を果たします。

フィリピン料理において、バゴーンは「なくても食べられるが、あると一段階おいしくなる」存在です。

フィリピンの食文化を象徴する存在

魚介を発酵させて旨味を引き出す文化は、フィリピンの食生活に深く根付いています。

バゴーンは保存性を高める知恵から生まれ、家庭料理から伝統料理まで幅広く使われてきました。そのため、バゴーンを知ることは、フィリピン料理の味覚や価値観を理解することにもつながります

初心者は「知ること」だけでも十分

初めてバゴーンを目にすると、強い香りや見た目に戸惑うかもしれません。しかし、無理に好きになる必要はありません。「どういう役割の調味料なのか」「なぜ添えられるのか」を知るだけで、フィリピン料理の見え方は大きく変わります。

まずは少量から、自分のペースで試してみることが、フィリピン料理を楽しむ一番の近道です。

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