世界有数の美しい海を誇るパラワン島は、フィリピンでも特に人気の高いリゾート地。エルニドやコロンなどの観光スポットは治安が良い一方で、地域によっては交通事情や夜間環境などに注意が必要な場所もあります。この記事では、パラワン島の安全エリアと注意すべき場所、よくあるトラブルや対処法をわかりやすく解説します。
パラワン島はどんな場所?

🌏 パラワン島の位置と基本情報
パラワン島(Palawan Island)は、フィリピン西端に位置する細長い島で、“最後の秘境(The Last Frontier)”と呼ばれるほど自然が豊かなリゾート地です。
マニラから飛行機で約1時間半ほどでアクセスでき、透明度の高い海と手つかずの自然を求めて世界中から観光客が訪れています。
🏖 主な観光エリアと雰囲気
パラワン島は主に
- エルニド(El Nido)
- コロン(Coron)
- プエルト・プリンセサ(Puerto Princesa)
の3エリアに分かれます。
エルニド:
石灰岩の断崖とエメラルドブルーのラグーンが広がる人気リゾート。
ボートツアー(アイランドホッピング)が盛んで、観光客が多い一方、治安も比較的安定しています。
コロン:
沈没船ダイビングの聖地。観光客は多いですが、街全体が落ち着いた雰囲気。
山や湖のアクティビティもあり、自然派旅行者に人気です。
プエルト・プリンセサ:
島の中心都市で、空港やホテル、モールが集中。
世界遺産「地下河川(アンダーグラウンドリバー)」への玄関口として知られています。
✈️ アクセスと島内の移動手段
パラワン島の主要空港は「プエルト・プリンセサ国際空港」です。ここからエルニドやコロンへはバンや小型飛行機で移動できます。
島内はまだ公共交通が少ないため、ホテル手配の送迎サービスやチャーター車の利用がおすすめです。
🧭 パラワン島の雰囲気と滞在スタイル
リゾート地でありながら、自然がそのまま残っているため、場所によっては電波が弱かったり、夜間は街灯が少ないこともあります。
しかしその分、夜空の星や静けさを存分に味わえるのが魅力で、観光客に人気のエリアでは警備体制もしっかりしており、**「自然を感じながらも安全に滞在できるリゾート」**として高い評価を得ています。
パラワン島の危険エリアと安全エリア

パラワン島は基本的にフィリピンの中でも治安が良い地域として知られていますが、エリアによっては交通事情や夜間環境などに注意が必要です。
ここでは、観光客が安心して過ごせるエリアと、注意を払うべき場所を詳しく見ていきましょう。
🟢 安全に過ごせる主要観光エリア
🏖 エルニド(El Nido)|観光客に最も人気で治安も良好
ボートツアーが盛んな港町で、観光客が多く常に活気があります。
リゾートホテルやレストランはしっかり整備され、警備員や観光警察のパトロールも頻繁に行われているため、日中も夜も比較的安全です。
💡【ポイント】
・港周辺は人通りが多く、女性一人でも歩ける程度の治安
・ツアー中は荷物をボートに置きっぱなしにしない
・夜間の飲み過ぎトラブルだけ注意
🌅 コロン(Coron)|落ち着いた小規模リゾート
観光地として人気が高い一方、エルニドよりも小さく静かな町。地元住民の多くが観光業に携わっているため、観光客への対応が丁寧で親切です。
ただし、夜は街灯が少ないため暗く、夜の徒歩移動は控えるのが無難です。
💡【ポイント】
・スリや置き引きはほとんど報告なし
・夜はトライシクル(バイクタクシー)を利用して移動
・ATMが少ないため、必要な現金はあらかじめ用意
🌴 プエルト・プリンセサ(Puerto Princesa)|便利で治安も安定
島の中心都市で、モールや空港があり交通アクセスも良好。警察署や観光案内所が整備されており、観光客も多いためフィリピンの中でも治安は非常に良いです。
ただし夜間は一部の通りが暗くなるため、女性の一人歩きは避けましょう。
💡【ポイント】
・市内中心部(リサール通り・ロビンソンモール周辺)は安全
・夜はトライシクル利用がベスト
・空港周辺は観光警察が常駐
🔴 注意が必要なエリア・行動
🚧 辺境の村や山間部(特に南部・北西部)
観光客の立ち入りが少ない地域では、交通インフラや通信環境が整っていない場合があります。
外務省も一部エリアを「渡航中止勧告レベル1〜2」に指定しているため、単独での移動や無計画な探検は避けましょう。
⚠️【注意点】
・スマホの電波が届かない地域あり
・現地ガイドなしでの山道移動は危険
・夜間に長距離を走るドライバーは疲労事故のリスクも
🛺 ローカルマーケット・港周辺
ローカルマーケットやフェリー港付近では、スリやぼったくりがまれに発生します。
特に観光客慣れした客引きが声をかけてくることがあるため、**「値段交渉は明るい場所で」「財布を見せない」**を徹底しましょう。
⚠️【注意点】
・現金のやりとりは小額紙幣で
・「ガイドを紹介する」という声かけは無視
・混雑時はスマホをポケットに入れたままにしない
🌙 夜間の移動・裏道
パラワン島はリゾート地でも、夜になると街灯が少ない場所が多いです。
日中は穏やかな雰囲気でも、暗い路地やビーチ沿いの裏道ではスリ・酔客トラブルの可能性があります。
💡【安全ポイント】
・夜は複数人で移動
・徒歩よりもトライシクルかホテル送迎を利用
・ビーチでの夜間飲酒や海遊びは控える
🧭 エリア別まとめ表

| エリア | 雰囲気 | 治安レベル | おすすめ度 |
|---|---|---|---|
| エルニド | 活気ある観光地 | ★★★★★(安全) | 🌟🌟🌟🌟🌟 |
| コロン | 静かで穏やか | ★★★★☆(概ね安全) | 🌟🌟🌟🌟 |
| プエルト・プリンセサ | 都会的で便利 | ★★★★☆(夜間注意) | 🌟🌟🌟🌟 |
| 辺境地域 | 自然豊かだが未整備 | ★★☆☆☆(立ち入り注意) | 🌟🌟 |
| 港・市場周辺 | ローカル感強め | ★★☆☆☆(スリ注意) | 🌟🌟 |
パラワン島でよくある犯罪・トラブルと対処法

パラワン島はフィリピンの中でも比較的安全な地域ですが、観光客が集まるエリアでは油断が原因のトラブルが時々発生します。
ここでは、現地でよく報告されている犯罪・トラブル事例を挙げながら、実際のシーンと具体的な対策をわかりやすく解説します。
💸 1. スリ・置き引き(Pickpocket / Theft)
発生場所:
- 観光船乗り場
- マーケット
- 港
- ホテルロビー周辺
観光客の多いエルニドやプエルト・プリンセサでは、財布やスマホを狙ったスリ・置き引きがまれに発生します。特にツアー集合前の混雑時や食事中に席を離れたタイミングが狙われやすいです。
例:「チェックインの手続き中に、荷物を足元から盗まれた」など。
🔰 対処法:
- バッグは常に体の前で持つ(リュックは前がけ)
- 財布・スマホをテーブルに置きっぱなしにしない
- カフェやレストランでは椅子の背もたれにバッグを掛けない
- 不審者を見たらすぐホテルスタッフや観光警察へ
💰 2. 詐欺・ぼったくり(Scam / Overcharge)
発生場所:
- 港
- 観光ツアー受付
- トライシクル
- 土産店
「アイランドホッピングが安いよ!」という誘い文句で近づき、実際には保険なし・ボート未登録の違法ツアーだったという事例があります。
また、トライシクル(バイクタクシー)では観光客料金として倍以上請求されるケースも。
例:「帰りにホテルまで送るよ」と言われ、到着後に“夜間料金”を追加請求された。
🔰 対処法:
- 公式ツアー会社・ホテル経由で予約する
- 支払い前に料金・内容を明確に確認し、写真に残す
- トライシクルは事前に金額交渉(相場:市内移動20〜50ペソ程度)
- 「その場で決めない」勇気を持つ
🧾 3. 両替トラブル・紙幣詐欺(Money Exchange Scam)
発生場所:
- 小規模両替所
- 路上の非正規カウンター
観光客を装いながら、**お札を一瞬で抜き取る「指さばき詐欺」**がまれにあります。また、レートを巧みに変える悪質な換金商も。
🔰 対処法:
- 両替はモール内や空港の公式両替所で行う
- 金額をその場で数え直す
- 手早く渡そうとする相手には「ゆっくり確認」と伝える
- 路上両替は絶対に利用しない
🧍♂️ 4. 勧誘・ガイド詐欺(Fake Tour Guide)
発生場所:
- 港
- マーケット
- 観光地周辺
観光客に近づき、「友達が船を持ってる」「ガイドしてあげる」などと話しかけてくるケース。ガイド料を請求されたり、ツアーに参加しても何も案内されないこともあります。
🔰 対処法:
- 現地で勧誘されたツアーは断る
- 事前にホテルや公式サイトで予約する
- IDバッジを持つ正規ガイドのみ利用
🌊 5. ボートトラブル・マリンアクティビティ事故
発生場所:
- エルニド
- コロン周辺の海域
天候急変によるボート転覆や、ライフジャケット未着用での事故が報告されています。格安ツアーでは安全装備が不十分な場合もあるため、注意が必要です。
例:出航後に強風が発生し、ボートが漂流。助けを求めるのに時間がかかった。
🔰 対処法:
- 天気が悪い日は出航しない
- 必ずライフジャケットを着用
- 船体が古いボート・混雑している船は避ける
- 安さより安全性を優先する
🍸 6. ナイトエリアでのトラブル
発生場所:
- プエルト
- プリンセサ中心街
- エルニドのバー街
バーやナイトクラブでは、ドリンクへの薬物混入被害や、**現地女性・男性とのトラブル(チップ要求・口論)**がまれに発生します。
🔰 対処法:
- 飲み物は自分で受け取る(置きっぱなしにしない)
- 知らない人との飲み比べや長居は避ける
- 飲みすぎたら早めに帰る
- トラブルが起きたらホテルスタッフまたは警察に相談
💼 7. 交通トラブル・事故
発生場所:
- 島内移動中
- トライシクル
- バン
- バイクなど
パラワン島では舗装されていない道も多く、特に夜間や雨天時のバイク・バン移動で転倒事故や衝突が発生しています。
🔰 対処法:
- 夜間の移動は避ける
- バイクをレンタルする場合はヘルメット着用必須
- 可能なら運転は現地ドライバーに任せる
🚨 8. 緊急時の対応
- 📞 観光警察(Tourist Police Palawan):+63 (48) 433-3233
- 📞 救急・警察(全国共通):911
- 📞 プエルト・プリンセサ市警察署:+63 (48) 433-9410
**トラブル発生時はホテルスタッフ→観光警察→大使館(マニラ)**の順で連絡するのが最もスムーズです。
FAQ|パラワン島の治安に関するよくある質問

Q1. パラワン島はフィリピンの中で安全な場所ですか?
はい。外務省の危険情報でも、マニラなどと比べて危険レベルが低く、観光客が多いエルニドやコロンでは比較的安全とされています。
ただし辺境エリアや夜間の人通りが少ない場所では、スリや詐欺が起きる可能性があるため油断は禁物です。
Q2. 女性一人旅でも大丈夫?
昼間はまったく問題ありません。ただし夜のバー街や裏通りは避け、日没後はタクシーやホテル送迎を利用するのが安心です。
地元の人は親切で英語も通じやすいですが、「一緒に飲もう」などの誘いは軽く断るのが無難です。
Q3. 子連れの家族旅行でも安全に過ごせますか?
はい。家族向けのリゾートが多く、ホテル警備も整っています。ビーチは遠浅で遊びやすいですが、**クラゲや強い日差しへの対策(帽子・日焼け止め)**も忘れずに。
夜はホテル内で過ごすのが安全です。
Q4. 夜に出歩いても大丈夫?
エルニドやコロン中心部は夜も観光客が多く明るい通りが多いですが、0時を過ぎると急に静かになるため、
帰りは早めにホテルへ戻るのがおすすめです。
酔客との口論や置き引きは深夜帯に集中しています。
Q5. 現地で多いトラブルは何ですか?
スリやぼったくり、無許可ツアー勧誘などが中心です。いずれも「観光客が油断したとき」に起こるケースがほとんど。公式店舗・ホテル経由で予約・支払いを行うことでほぼ防げます。
Q6. 両替はどこでするのが安全?
プエルト・プリンセサやエルニド中心街のモール内両替所がおすすめ。レートが安定していて安全です。小さな露店や個人の両替業者は避けましょう。お札を受け取ったらその場で枚数確認を。
Q7. ナイトライフやバーは安全に楽しめますか?
人気リゾートエリアではバーも安全に楽しめますが、飲み物から目を離さない、知らない人と2人きりにならないなどの基本を守りましょう。
「ドリンクに薬を混ぜられる」被害は非常にまれですが、深夜帯の一人行動は避けるのがベストです。
Q8. 雨季(6〜10月)でも治安は変わらない?
治安自体は変わりませんが、雨季は人が少なく夜の通りが暗くなるため注意が必要です。
また、スコールで道路が滑りやすくなるため、夜間の移動・バイク利用は控えましょう。
Q9. 現地でトラブルが起きたらどうすればいい?
まずはホテルスタッフに相談するのが一番スムーズ。
必要に応じて観光警察が通訳を交えて対応してくれます。
📞 観光警察(Tourist Police Palawan):+63 (48) 433-3233
📞 救急・警察(全国共通):911
📞 プエルト・プリンセサ市警察署:+63 (48) 433-9410
Q10. 英語が苦手でも大丈夫?
問題ありません。観光地では英語が通じ、簡単な日本語を話せるスタッフもいます。
スマホの翻訳アプリを使えば、困ったときもスムーズにコミュニケーションが取れます。
Q11. 現地の人は親切?それともしつこい?
基本的にフレンドリーで親切です。
ただし「安く案内する」「ツアーに連れて行く」といった誘いは、商売目的や非正規ガイドの可能性があります。笑顔で「No, thank you」と言って立ち去りましょう。
Q12. Wi-Fiや通信環境は安全に使えますか?
公共Wi-Fiでは個人情報の入力やオンライン決済は避けましょう。ホテルの専用ネットワークまたはVPNを使用すると安全です。
Q13. 現地で撮影した写真をSNSに投稿しても大丈夫?
問題ありませんが、位置情報をリアルタイムで公開するのは避けましょう。
「いま〇〇にいます」と投稿すると、万が一のトラブルで居場所が特定されるリスクがあります。
Q14. パラワン島で一番安全に泊まれる場所は?
エルニド中心部・プエルト・プリンセサ市内のホテルエリアが最も安全です。
24時間警備のあるリゾートを選ぶと安心です。
まとめ|パラワン島は“慎重に楽しめる楽園”

パラワン島は、フィリピンの中でも自然と安全が両立した貴重なリゾート地です。
透明度の高い海、美しい島々、そしてフレンドリーな人々──。エルニドやコロンを中心に、多くの観光客が安心して過ごせる環境が整っています。
一方で、観光エリアの外では交通や照明が不十分な場所もあり、「少しの注意」がトラブルを防ぐ最大のポイントです。
夜間の一人歩きを避ける、安すぎるツアーを選ばない、そして荷物や貴重品を常に意識して管理する──。この基本を守るだけで、パラワン島の旅はより安全で快適なものになります。
自然を感じながら穏やかに過ごすパラワン島は、まさに“フィリピンの楽園”と呼ぶにふさわしい場所。
事前の準備と心がけを忘れずに、安心・安全なリゾートステイを楽しみましょう🌴✨

