世界有数のビーチリゾートとして知られるボラカイ島。真っ白な砂浜と透き通る海に惹かれて多くの旅行者が訪れますが、観光客の多さゆえにスリや詐欺といった軽犯罪も発生しています。この記事では、ボラカイ島の治安状況や注意すべきエリア、よくある犯罪やトラブル、そして安全に楽しむための対策を詳しく解説します。
ボラカイ島はどんな場所?

ボラカイ島(Boracay Island)は、フィリピン中部アクラン州にある細長い小さな島で、全長はわずか7kmほど。
東京の山手線の10分の1くらいのサイズですが、世界的に有名な**ホワイトビーチ(White Beach)**があり、真っ白な砂とエメラルドブルーの海が広がる南国の楽園です。
島の雰囲気はとても穏やかで、車もほとんど走っていません。代わりにトライシクル(バイクタクシー)や電動カートで移動するため、のんびりとした空気を感じられます。
昼は海水浴やマリンスポーツ、夕方はサンセットを眺めながらの散歩、夜はバーやレストランで音楽を楽しむなど、一日中“南国らしい時間”を楽しめる場所です。
観光エリアは大きく「ステーション1・2・3」に分かれています。
- 🏝 ステーション1:高級リゾートや落ち着いたホテルが多く、静かで安全。
- 🍹 ステーション2:お店・レストラン・モールが集中する観光の中心地。
- 🎶 ステーション3:ローカル感が強く、バーやナイトライフが楽しめるエリア。
2018年に環境整備を目的としたリニューアル工事が行われ、現在は道路や排水、ビーチ管理などが整い、以前よりも清潔で安全なリゾートになりました。
ただし観光客が多いぶん、スリ・ぼったくり・詐欺などの軽犯罪が発生しやすい場所でもあります。
「天国のように美しいけれど、観光地ゆえの注意も必要」――それがボラカイ島のリアルな治安事情です。
ボラカイ島の危険エリアと安全エリア

ボラカイ島はコンパクトな島ですが、エリアによって雰囲気も治安も大きく異なります。ビーチ沿いを中心に観光スポットが集中しており、昼は穏やかでも夜になると様子が変わる場所もあります。
ここでは、**初めての旅行者でも迷わないように「安全に楽しめる場所」と「注意が必要な場所」**をわかりやすく解説します。
🟢 安全に過ごせるおすすめエリア
🏝 ステーション1(Station 1)|高級リゾートが並ぶ静かなエリア
ボラカイの北側に位置し、白砂の美しさが最も際立つエリア。
シャングリラやディスカバリー・ショアーズなど、セキュリティがしっかりした高級ホテルが立ち並び、警備員が常に巡回しているため非常に安全で落ち着いた雰囲気です。
人通りは多くないものの、夜でも比較的安心して歩くことができるため、家族連れ・カップル・女性一人旅にもおすすめのエリアです。
💡【ポイント】
・海沿いの遊歩道が整備されており、夜もライトアップされている
・客層が落ち着いており、トラブルが少ない
🍹 ステーション2(Station 2)|観光の中心で便利だけど注意も必要
島の中央に位置し、ショッピングモール「D’Mall」や多くのレストラン・カフェが集まるエリア。昼間は観光客でにぎわい、ナイトマーケットやストリートライブなども楽しめます。
治安は比較的良好ですが、人混みが多いためスリや置き引きには注意。夜になるとバーやクラブも開くため、酔客トラブルも時々見られます。
💡【ポイント】
・D’Mall周辺は常に警備員が配置されており、昼夜を問わず明るい
・荷物の管理に注意。レストランの椅子にバッグをかけない
🏨 ステーション1〜2間のホテルゾーン|最もバランスが良いエリア
この区間は「静かすぎず、騒がしすぎず」で、リゾート感と利便性の両立ができます。特に女性旅行者や初めてのボラカイ観光には最適。
交通の便も良く、ビーチからすぐホテルに戻れる安心感もあります。
💡【ポイント】
・日中は人通りが多く、夜はリゾート客中心で治安が良い
・Grabやトライシクルも呼びやすい
🔴 注意が必要なエリア・時間帯
🌃 ステーション3(Station 3)|ナイトライフが活発な南エリア
地元の若者やバックパッカーが集まるエリア。
昼間はのんびりとした雰囲気ですが、夜になるとバーやクラブで賑わい、酔っ払い同士の口論や観光客狙いのスリ、詐欺まがいの勧誘が発生しやすくなります。
「深夜0時以降は出歩かない」「荷物は最小限に」が鉄則。
⚠️【注意点】
・暗い裏道は避ける
・格安バーの客引きにはついて行かない
・飲み物は目を離さずに
🛺 路地裏やローカルマーケット周辺
メイン通り(ホワイトビーチロード)から離れた路地では、観光客を狙ったぼったくり・スリ・偽ガイドの勧誘などが報告されています。
特に市場や屋台エリアでは財布を取り出す瞬間を狙われることも。
⚠️【注意点】
・値段交渉は明るい場所・複数人で
・現金は小額紙幣だけ持ち歩く
・「フレンドリーに話しかけてくる人」には警戒を
🚫 非正規トライシクル(無許可のバイクタクシー)
観光客に声をかけてくる非正規ドライバーの中には、法外な料金を請求したり、遠回りして高額請求するケースもあります。
乗る前に料金を確認し、できればホテルか正規乗り場で紹介された車両を利用しましょう。
💡【ポイント】
・料金の目安は短距離で約20〜50ペソ前後
・夜はGrabかホテル送迎を使うのが安全
🌅 ビーチでの夜間滞在
ホワイトビーチ沿いは夜でも人が多いですが、深夜になると警備が減ります。
バッグを置いたまま写真を撮る、飲み物を無防備に置く、といった行動が盗難の原因に。
⚠️【注意点】
・夜の海辺ではスマホ・貴重品を持たない
・財布はホテル金庫に預ける
・海辺のバーでは過剰な飲酒を避ける
🧭 ボラカイ島のエリア別まとめ

| エリア | 雰囲気 | 治安レベル | おすすめ度 |
|---|---|---|---|
| ステーション1 | 高級・静か・家族向け | ★★★★★(非常に安全) | 🌟🌟🌟🌟🌟 |
| ステーション2 | 観光中心・にぎやか | ★★★★☆(安全だが注意) | 🌟🌟🌟🌟 |
| ステーション3 | ローカル・夜の街 | ★★★☆☆(夜間注意) | 🌟🌟🌟 |
| 裏通り・市場 | ローカル色が強い | ★★☆☆☆(軽犯罪発生あり) | 🌟🌟 |
| ホテル敷地内 | 完全管理エリア | ★★★★★(最も安全) | 🌟🌟🌟🌟🌟 |
ボラカイ島でよくある犯罪・トラブルと対処法

ボラカイ島は基本的に穏やかで治安も安定していますが、観光客が多い場所だからこそ、**「油断したすきに起きる軽犯罪」**が少なくありません。
特に初めて訪れる旅行者は、知らず知らずのうちにトラブルのきっかけを作ってしまうこともあります。ここでは、実際によく起きるケースを例に挙げながら、原因・特徴・防止策をわかりやすく解説します。
💸 1. スリ・置き引き(Pickpocket / Theft)
発生場所:
- ホワイトビーチ沿い
- D’Mall周辺
- マーケット
- フェリー乗り場
観光客が写真を撮ったり、カフェでくつろいでいるスキを狙って、バッグのチャックを開けられたり、椅子に掛けた荷物を持ち去られるケースが報告されています。
犯人は一人ではなく、声かけ役と実行犯の2人組で動くことも。
例:「写真撮ってあげるよ」と声をかけられ、気を取られている間に別の人物がバッグを開ける。
🔰 対処法:
- リュックは背負わず、体の前に抱える
- 財布やスマホはズボンの後ろポケットに入れない
- カフェやレストランでは、バッグを足元に置く(椅子の背には掛けない)
- 盗難があった場合はすぐに観光警察(Tourist Police)へ報告
💰 2. 詐欺・過剰請求(Scam / Overcharge)
発生場所:
- アクティビティの勧誘
- 土産物店
- 路上両替
- 非正規トライシクル
観光地では「フレンドリーな現地人」に注意。「安いツアーあるよ」「今日だけ特別価格」と言われて参加したら、あとで請求額が倍以上になったり、内容が違うという被害があります。
また、非正規両替所では「手早く数えながらお札を抜き取る」ケースも。
例:「アイランドホッピング半額!」→ 実際はボート代・入島料が別請求。
🔰 対処法:
- 価格は事前に明確に確認し、できれば写真に撮っておく
- 領収書(レシート)をもらう
- 両替はモール内や銀行などの公式カウンターで行う
- 不審な勧誘には「No, thank you」と笑顔で断る
🍸 3. ナイトライフ中のトラブル(Nightlife Trouble)
発生場所: ステーション3周辺のバー・クラブ
ボラカイはナイトバーが多く、夜は観光客でにぎわいます。
ただし、睡眠薬入りのドリンク被害や、**法外な料金請求(ぼったくりバー)**などもまれに発生。
特に「現地の人が急に親しく話しかけてくる」ケースには注意が必要です。
例:「一緒に飲もう!」と誘われてバーに入り、会計時に高額請求を受ける。
🔰 対処法:
- 飲み物は自分の目の前で作られるものを受け取る
- 初対面の人と二人きりにならない
- 飲みすぎたと感じたらすぐホテルへ戻る
- 不当請求は領収書を要求し、警察またはホテルに相談
🧾 4. 観光アクティビティのトラブル(Water Activity Trouble)
発生場所: ジェットスキー、パラセーリング、アイランドホッピング
人気のマリンアクティビティでは、保険未加入・無免許業者によるトラブルが起きることがあります。
また、天候が急変してボートが座礁したり、救命具をつけずにけがをするケースも。
例:「安いツアー」と思って申し込んだら、保険なし・ガイドなしの違法ツアーだった。
🔰 対処法:
- 公式代理店・ホテル経由のツアーを利用
- 価格が極端に安いものは避ける
- ライフジャケットを必ず着用
- 悪天候時は無理に出航しない
🧍♂️ 5. 現地トラブル・しつこい客引き(Street Scam)
発生場所: ビーチ沿い、マーケット周辺
「マッサージどう?」「安く案内するよ」と声をかけてくる人の中には、
最初は親切そうでも、最後に高額なチップを要求するケースがあります。
また、写真撮影後に「チップを払え」と言ってくるストリートパフォーマーにも注意。
🔰 対処法:
- 無理に断らず「No, thank you」と言って立ち去る
- 子どもが話しかけてきても財布を出さない
- 写真を撮る前に「Free?」と確認する
🚨 6. 海辺での盗難・落とし物トラブル
発生場所: ホワイトビーチ、カフェ前の砂浜
泳いでいる間に荷物を盗まれるケースが多発しています。
ビーチ沿いのカフェ前に荷物を置いて写真を撮ったり、
無人で貴重品を置くのは危険です。
🔰 対処法:
- 海に入るときはスマホと貴重品はホテル金庫に預ける
- ビーチでは現金を最低限(100〜200ペソ程度)だけ持つ
- 他人に荷物を見てもらう場合も、知らない人には頼まない
🚫 7. 両替・ATMトラブル
発生場所: 小規模両替所、ATM周辺
ボラカイでは一部の両替所で「紙幣の抜き取り」や「レート詐欺」が報告されています。
また、ATMのカード挿入口に細工をして情報を抜き取るスキミング被害もまれにあります。
🔰 対処法:
- できるだけショッピングモール内や銀行併設のATMを利用
- 周囲に人が多い場所で操作する
- レシートを取って、残高をすぐ確認
💬 8. SNSトラブル・情報漏洩
発生場所: 無料Wi-Fiスポット、カフェなど
旅行中のWi-Fiは便利ですが、公共ネットワークを使ってオンライン決済やパスワード入力をすると、
個人情報を盗まれるリスクがあります。
🔰 対処法:
- フリーWi-Fiでは決済や重要ログインを避ける
- VPNアプリを使う
- スマホを無造作にテーブルに置かない
🌙 9. 深夜のトライシクル・徒歩移動
発生場所: ステーション3周辺、裏道
「ホテルまで近いから」と徒歩で帰るのは危険。
夜間は暗い路地が多く、酔客や客引きとのトラブルも起きやすいです。
🔰 対処法:
- 夜はホテル送迎かGrabを利用
- 歩く場合は複数人で、明るい大通りを選ぶ
- トライシクル利用時は事前に料金を交渉
FAQ|ボラカイ島の治安に関するよくある質問

Q1. ボラカイ島は初めて行く人でも安全ですか?
はい。観光客が多く、警備員や観光警察が常に巡回しているため、昼間は非常に安全です。ただし夜になると人通りが減る場所もあるので、深夜の一人歩きは避けるようにしましょう。
初めて訪れる人は、ホテルやモールのあるステーション1〜2周辺に宿泊するのがおすすめです。
Q2. 女性一人旅でも問題ありませんか?
昼間は安心して観光できますが、夜のバー街(特にステーション3付近)は避けましょう。暗くなる前にホテルへ戻るようにすれば、特にトラブルはありません。
Grab(配車アプリ)やホテル送迎サービスを活用するのが安心です。
Q3. 子ども連れの家族旅行でも大丈夫?
はい、ステーション1〜2エリアは家族向けのリゾートが多く、治安も良好です。警備員が常駐しているホテルも多いため、安心して過ごせます。
ただし、海辺では子どもから目を離さないようにしましょう。
Q4. 夜はどのあたりまで出歩けますか?
夜9〜10時までは、観光客が多く人通りもあるため比較的安全です。
深夜(0時以降)はビーチ沿いでも暗くなる場所があるため、徒歩ではなくタクシーまたはGrabを利用しましょう。
Q5. 現地でよくある詐欺やトラブルは?
「安いツアーを紹介する」「いい両替所を知ってる」などの声かけには注意。非正規業者による過剰請求・レート詐欺・偽ツアーの被害が報告されています。
予約や両替はホテルやモール内の公式カウンターを利用しましょう。
Q6. 両替はどこで行えば安全ですか?
D’Mall内の両替所または銀行併設のカウンターが最も安全です。街中の小さな両替所は避け、紙幣を受け取る際はその場で枚数確認を行いましょう。
Q7. ナイトライフは楽しめますか?
はい。音楽やダンスを楽しめるバーが多く、観光客にも人気です。ただし、飲みすぎや知らない人との同席には注意。
ドリンクから目を離さない、財布をテーブルに置かないなど、基本的な防犯意識を忘れずに。
Q8. 海辺で盗難にあうことはありますか?
あります。ビーチにバッグやスマホを置いたまま遊泳すると、盗まれるケースがあります。海に入るときは、現金・貴重品はホテルの金庫に預けるのが鉄則です。
Q9. 現地の交通は安全?
トライシクル(バイクタクシー)は便利ですが、まれに過剰請求があります。乗車前に料金を確認し、ホテル紹介または正規乗り場から乗るようにしましょう。夜はGrabの利用がより安全です。
Q10. 緊急時はどうすればいい?
落ち着いて、まずは滞在先のホテルスタッフへ連絡。
必要に応じて観光警察が24時間対応してくれます。
📞 観光警察(Tourist Police Boracay):+63 (36) 288-3040
📞 救急・消防・警察(共通):911(フィリピン全国共通)
📞 ボラカイ病院(Ciriaco Tirol Hospital):+63 (36) 288-3041
Q11. 雨季(6〜10月)のボラカイは安全?
治安は変わりませんが、雨季は人が少なく夜の通りが暗くなるため注意。
台風の影響でボートが欠航することもあるので、予定には余裕を持ちましょう。
Q12. 海のアクティビティは危険じゃない?
→ 正規ツアーを利用すれば安全です。
保険に加入していない格安業者もあるため、ホテル経由の手配をおすすめします。
また、ライフジャケットは必ず着用しましょう。
Q13. SNSやWi-Fiの利用で注意すべきことは?
無料Wi-Fiを使ってオンライン決済やID入力をするのは危険です。
公共Wi-Fiでは個人情報を入力せず、VPNを利用すると安心です。
Q14. 現地で困ったとき、英語が話せなくても大丈夫?
問題ありません。ホテルや観光警察では英語が通じますし、簡単な日本語が話せるスタッフも多いです。翻訳アプリを使えばスムーズに対応してもらえます。
まとめ:トラブルは“油断の瞬間”に起きる
ボラカイ島は基本的に穏やかで安全なリゾート地ですが、「南国だから大丈夫」という気持ちがトラブルの原因になることもあります。
貴重品の管理、勧誘の断り方、夜間行動など、少しの注意で旅の安全度は大きく変わります。
**「自分の身は自分で守る」**という意識を持って、ボラカイ島を心から楽しみましょう🌴

