フィリピンの首都マニラは、経済や観光の中心として多くの旅行者が訪れる一方で、「治安が悪い」といった印象を持たれがちです。マニラはエリアによって安全度が大きく異なります。この記事では、マニラでよくある犯罪の手口や注意エリア、安全に過ごすための対策方法を詳しく解説します。
マニラの治安は本当に悪い?現状とイメージの違い

マニラは「危険」というイメージが根強い都市ですが、実際は場所によって治安の差が非常に大きいのが特徴です。
観光客が多く訪れるマカティ(Makati)やボニファシオ・グローバル・シティ(BGC)は、警備が行き届き非常に安全なエリアで、夜間でも比較的安心して歩けます。
一方、エルミタ(Ermita)やマラテ(Malate)などの旧市街エリアでは、夜になるとスリ・客引き・ぼったくりなどの軽犯罪が発生しやすく、注意が必要です。
また、フィリピン全体で見ても「殺人事件」や「強盗事件」の報道が多いのは事実ですが、そのほとんどが地元同士のトラブルや貧困地区での犯罪に集中しています。
旅行者が観光エリア内で慎重に行動すれば、危険な目に遭う可能性は高くありません。
つまり、「正しい知識」と「最低限の注意」で安全に過ごせる都市なのです。
マニラの危険エリアと安全エリア(完全版)

⚠️ 危険エリア(犯罪・トラブルが多い地域)
■ エルミタ(Ermita)
マニラ湾沿いに位置する古い繁華街で、夜間のスリ・客引き・ぼったくりバーが集中。
観光地(イントラムロスやリサール公園)に近いため昼間は人通りがありますが、日没後は一変して怪しげな雰囲気になります。
客引きが路上に立ち並び、旅行者に声をかけてくることも多いです。
バー・クラブの多いエリアですが、無許可営業の店舗や詐欺まがいのバーも多く、夜の一人歩きは厳禁。
💬 現地感覚:「昼は観光地、夜は裏の顔」
旅行者を狙う犯罪の温床で、初心者は避けるのが無難。
■ マラテ(Malate)
エルミタと並ぶマニラ屈指のナイトスポット。
韓国系・日本人向けのバーやクラブが多く、スリ・ぼったくり・詐欺が頻発し、深夜帯には酔客狙いのひったくりやタクシー詐欺が発生。
また、ストリートチルドレン(路上生活の子どもたち)が多く、集団で観光客を囲んでスリを行うケースも。
💬 現地感覚:「夜の雰囲気はタイ・バンコクの歓楽街に近い」
女性や一人旅にはおすすめできないエリア。
■ パサイ(Pasay)
空港に近く、ホテルやバスターミナルが集まる交通拠点ですが、日中は人の往来が多いものの、貧困層が多く夜間の治安は不安定。
スリ・置き引き・白タク詐欺が多く、深夜便利用者が被害に遭いやすいエリアです。
また、バスターミナル周辺では「荷物を運ぶ」と声をかけてくる者にも注意。
💬 現地感覚:「空港のすぐ隣=安全ではない」
宿泊は避け、通過利用にとどめるのが賢明。
■ ケソン市の一部(Quezon City)
大学や企業が集まる一方で、エリアによって治安格差が大きい。
住宅街は安全ですが、**スラム地区や貧困エリア(タリパパ市場周辺など)**では強盗事件も発生。
夜間は街灯が少なく、観光目的で訪れる場所ではありません。
💬 現地感覚:「地元民には生活圏、観光客にはリスクゾーン」
特別な用事がない限り立ち入らない方が安全。
🟢 安全エリア(比較的治安が良い・旅行者におすすめの地域)
■ マカティ(Makati)
マニラ随一のビジネス地区で、外資系企業・高級ホテル・大型モールが立ち並びます。
警備体制が整っており、昼夜問わず警備員やCCTV(監視カメラ)が多いのが特徴。
グリーンベルト、グロリエッタ周辺はおしゃれなカフェやブランド店が多く、外国人旅行者にも人気。
💬 現地感覚:「東京でいえば六本木・丸の内エリア」
安全・清潔・便利。初めてのマニラ滞在ならここ一択。
■ ボニファシオ・グローバル・シティ(BGC)
マニラで最も近代的なエリアで、整備された道路、美しい街並み、セキュリティゲート付きの住宅街が並ぶ**“フィリピンの未来都市”**。
欧米人駐在員が多く、治安・衛生・インフラすべてが高水準。
夜間でも照明が明るく、カフェやレストランが安全に利用できます。
💬 現地感覚:「東京でいえば汐留+お台場」
観光よりも“滞在型リゾート・高級ホテル利用者”に最適。
■ ニューポート・シティ(Newport City / 旧リゾートワールド)
空港近くの再開発エリアで、カジノ・ホテル・ショッピングモールが集まる複合都市。
24時間警備・入退ゲート管理が徹底しており、空港利用者やトランジット宿泊者に人気。
一方で、空港タクシー詐欺を避けるために徒歩圏内ホテルを選ぶのが安全です。
💬 現地感覚:「羽田空港直結のホテル街」
乗り継ぎ利用者や短期滞在者に最もおすすめ。
■ イントラムロス(Intramuros)
スペイン統治時代の面影を残す旧市街で、昼間は観光客が多く、警備員も常駐しているため比較的安全。
ただし夕方以降は人通りが減り、スリや物乞いが増えるため、夜間の散策は控えめに。
💬 現地感覚:「歴史と観光を安全に楽しむ昼間限定エリア」
夜は早めにホテルへ戻るのが鉄則。
🗺️ 治安マップ感覚まとめ(感覚チャート)
| エリア | 治安レベル | 特徴 | 観光・滞在おすすめ度 |
|---|---|---|---|
| マカティ(Makati) | 🟢 安全 | 高級ホテル・ビジネス街・警備強化 | ★★★★★ |
| BGC(ボニファシオ) | 🟢 安全 | 近代都市・欧米人エリア・整備完璧 | ★★★★★ |
| イントラムロス | 🟡 普通 | 昼は安全・夜は注意 | ★★★☆☆ |
| ニューポートシティ | 🟢 安全 | 空港直近・24時間警備 | ★★★★☆ |
| マラテ/エルミタ | 🔴 危険 | ナイトスポット・スリ・ぼったくり | ★★☆☆☆ |
| パサイ | 🔴 危険 | バスターミナル・白タク・貧困エリア | ★☆☆☆☆ |
| ケソン市の一部 | 🟠 注意 | 治安の格差大・観光地ではない | ★★☆☆☆ |
マニラでよくある犯罪・トラブル事例(詳細版)

マニラでは「命に関わる重大犯罪」は少ないものの、観光客を狙った軽犯罪や詐欺は今も根強く存在します。
ここでは、実際に報告されている代表的なトラブルと、その手口・発生場所・防止策を詳しく紹介します。
スリ・置き引き(Pickpocket / Theft)
主な発生場所:
- モール内
- ジプニー(乗合バス)
- LRT・MRT車内
- マーケット
- 空港周辺
など。
基本的には人が多く、混雑している場所で発生しやすいという特徴があります。
特に、観光客が多く集まる場所や荷物を持って立ち止まるような場面では狙われやすくなります。
手口:
- 団体で近づき、1人が話しかけ、別の人物が後ろからバッグを開ける
- 子どもを使った「スリグループ」も存在(観光客を取り囲む)
- ショッピングモールやカフェで、席を離れた隙に荷物を抜き取る
- エスカレーターや改札で、背後から財布を抜かれる
- バスや電車で「押される」「足を踏まれる」などの接触を装い、犯行に及ぶ
など、グループでの連携や、わざと接触して注意をそらす行動が多いのが特徴です。
とくにジプニーやLRTなどの公共交通機関は車内が非常に狭く、すぐ隣に他人が密着するため、スマホや財布をポケットに入れたまま乗るのは危険です。
また、小さな子どもが自然に近づいてきたときも要注意…現地では「子どもだから安心」と思って油断する旅行者を狙うケースが多発しています。
実際の例:
- 「LRT(ライトレール)で混雑時に財布を抜かれた」
- 「ジプニー乗車中にポケットのスマホが消えた」
- 「カフェで席を離れた瞬間にバッグがなくなった」
- 「写真撮影中、足元に置いていたバッグを持ち去られた」
こうしたスリ・置き引きは、ほんの数秒の油断で被害に遭うケースが多く、マニラの観光客被害の中でも最も多いタイプです。
タクシー詐欺・過剰請求(Taxi Scam)
主な発生場所:
- 空港
- ホテル前
- 観光地周辺
- マラテ・エルミタ地区
など。
これらのタクシーは、外観上は普通の車両でもライセンスが不明確な「白タク」であることが多く、空港の到着口周辺やホテルの外で「Taxi?」と声をかけてくるドライバーは特に危険です。
深夜便で到着した旅行者を狙うケースも目立ち、疲れているタイミングでつけ込まれ手の被害が多いので、特に夜間や深夜便到着時は注意が必要です。
手口:
- メーターを使わず「定額だ」「渋滞料金がかかる」と高額を要求
- 目的地を遠回りして料金を上げる
- 降車時に「お釣りがない」と言い張って釣銭を返さない
- 乗車中に他の人物を同乗させる(連携による恐喝・荷物強奪)
こうした詐欺タクシーは白タクや古い車体の個人営業車に多い傾向があります。
特に空港では正規タクシー乗り場を離れた場所で声をかけてくる運転手はほぼ詐欺目的です。
実際の例:
- 「マカティまで通常300ペソの距離を1,000ペソ請求された」
- 「車内でメーターが動いておらず、途中で金額を勝手に言われた」
- 「降車時に“釣りがない”と言われ、100ペソ札を取られたまま走り去られた」
両替トラブル・偽札詐欺(Money Exchange Scam)
主な発生場所:
- 小規模両替所
- 路上
- 露店
- 観光客向けのマーケット周辺
レートの良さを売りにする小さな両替所や露天型店舗は特に注意が必要です。
手口:
- 換金中にカウンターの下で紙幣を抜き取る
- 偽札(特に1,000ペソ札)を混ぜて渡す
- 計算途中に話しかけて注意をそらし、金額を誤魔化す
- 「小額紙幣に交換してあげる」と言って持ち逃げ
こうした詐欺は観光客の“レートへの欲”につけ込む手口です。
高レートをうたう店は避け、ショッピングモール内や銀行併設の両替所を利用するのが鉄則で、特に街中の露天型両替所や「Best Rate」などの看板が派手な店舗では被害が報告されています。
レートよりも安全性を優先することが鉄則です。
実際の例:
- 「1万円を両替したが、受け取った金額が数百ペソ少なかった」
- 「渡された1,000ペソ札が偽札だった」
- 「話しかけられながら両替を行い、数枚抜かれていた」
路上詐欺・声かけ詐欺(Street Scam)
主な発生場所:
- イントラムロス
- リサール公園
- マラテ
- 空港周辺
日本語を話すフィリピン人による声かけが特徴的で、被害報告が多い。
手口:
- 「日本語を勉強している」「日本に行ったことがある」と話しかけ、親近感を演出。
- 「兄弟が旅行代理店をやっている」「友達の店を見てほしい」と誘導。
- ツアー予約や両替を装い、現金を預かって逃走。
- 2人組で接近し、1人が雑談している間にもう1人が財布を抜く。
- 断ると「無礼だ」と言って絡んでくるケースも。
これらの詐欺師は流暢な日本語を使い、旅行者の警戒を解くのが非常に上手いです。
「日本語が通じた」と安心してついて行くケースが多く、観光地の日本人狙いは昔から続く典型的な手口です。
実際の例:
- 「イントラムロスで声をかけてきた男性に“友人のツアー会社”を紹介され、3倍の料金を取られた」
- 「“安い両替所がある”と言われ案内された先で、財布を抜かれた」
- 「親しげに肩を組まれ、気づいたらバッグのチャックが開いていた」
🍸 ぼったくりバー・ナイトクラブトラブル(Overcharge Bars)
主な発生場所:
- マラテ
- エルミタ
- パサイ
- 空港通り沿いの歓楽街
夜間の客引きが特に多く、観光客狙いのバーが集まるエリアです。
手口:
- 路上の客引きが「1ドリンク無料」「日本人割引」と誘う。
- 入店後、メニューにない料金を上乗せされる。
- 同席した女性のドリンク代・チップ代を請求される。
- 支払い拒否をすると出口を塞がれ、脅迫される。
- クレジットカード払い時にカード情報をスキミングされる。
一見普通のバーに見えても、実態は観光客から金を巻き上げる仕組みになっている場合があります。
店内に料金表がない・暗い店・呼び込み付き店舗は危険サインです。
実際の例:
- 「1杯だけのつもりが、請求額が8,000ペソを超えた」
- 「拒否したら出口を塞がれ、脅されてカード払いを強要された」
- 「支払い後にカードの不正利用通知が届いた」
🏍️ ひったくり・バイク犯罪(Snatching)
主な発生場所:
- マラテ通り
- マカティ中心部
- パサイ周辺
- 空港近くの道路
人通りが少なく、車の往来が多い通りで発生しやすいのが特徴です。
手口:
- 2人乗りのバイクが背後から接近し、バッグ・スマホを奪い逃走。
- Grab待ち中や歩行中、通話しているスマホを狙う。
- タクシーや車の窓越しに腕を引っ張り、強引に奪うケースも。
- 被害者が転倒し、ケガを負うことも少なくありません。
犯行は一瞬で行われるので追跡も困難です。
とくにマニラでは日中でも油断できないため、外でスマホを出したりバッグを車道側に持つのは危険です。
実際の例:
- 「Grabを呼んでいたらスマホを奪われた」
- 「車窓越しにスマホを使っていたら、バイクが横から腕を引っ張った」
- 「交差点でリュックを引っ張られ、転倒してケガをした」
👮♂️ 偽警官・職員を装う詐欺(Fake Police Scam)
主な発生場所:
- 空港周辺
- イントラムロス
- 観光地入口
制服やIDバッジをつけた偽の“公的職員”が金銭を要求するのが特徴です。
手口:
- 「身分証を見せて」「税関チェック」と言いながら現金を要求。
- 観光客の荷物を調べ、「規制違反がある」と嘘をついて罰金を請求。
- バッジや腕章を見せて安心させた後、別の人物が金を受け取る。
- 空港内では「荷物に禁止物がある」と脅して金を取るケースも。
本物の警察官は観光客から現金を要求することは絶対にありません。
また、警察IDは公式署名・写真・バーコード付きであるため、偽物は見ればわかることも多いです。
実際の例:
- 「制服を着た男性に“罰金500ペソ”と言われ現金を払ってしまった」
- 「空港で“許可証がないと通れない”と言われ賄賂を求められた」
💳 ATM・カードスキミング(ATM Skimming / Credit Fraud)
主な発生場所:
- 路上ATM
- バー
- レストラン
- 空港
- 観光地の周辺
古いATMや人気の少ない場所の機械、クレジット決済が多い店舗で報告が多い。
手口:
- ATMのカード挿入口にスキマー装置を設置し、情報を盗む。
- PIN入力時に小型カメラで暗証番号を撮影。
- 店員がカードを一度持ち去り、別の端末で情報をコピー。
- レストランの会計で「端末が壊れている」と別端末を使わせ、二重決済。
こうした被害は旅行者が現地通貨を引き出すタイミングを狙うケースが多く、空港やコンビニ併設ATMでも油断できません。
実際の例:
- 「帰国後にカードの不正利用が複数件発生した」
- 「バーでカード払いをした翌日に高額請求があった」
- 「ATMのカード差込口が妙に厚く、読み取られた」
🎒 空港での荷物トラブル(Laglag Bala 事件など)
主な発生場所:
ニノイ・アキノ国際空港(NAIA)第1〜3ターミナル。
荷物検査・セキュリティチェック時に職員を装った人物が関与するケースが報告されています。
手口:
- 検査中に弾丸などを仕込んだと見せかけ、「罰金を払えば解放する」と脅す(“Laglag Bala”事件)。
- チェックイン時に荷物の一部を抜き取り、「違法物所持」と虚偽の申告。
- 手荷物運搬を装い「チップ」を強要。
- 職員を装った人物が「手続きを代行する」と偽り、現金を要求。
この事件は過去に社会問題化しましたが、現在は監視カメラ増設で沈静化。
ただし手荷物を離さず、自分で預けることは今も大切です。
実際の例:
- 「荷物検査で“金属物が入っている”と言われ、現金を要求された」
- 「荷物を預けたら、知らない人に持ち去られそうになった」
マニラでよくある犯罪への防犯対策(完全版)

💰 スリ・置き引き対策(Pickpocket / Theft)
- バッグは必ず前掛けにし、チャックを閉める
→ 背中や横掛けは狙われやすく、混雑時に開けられても気づきません。 - リュックは背負わず、胸の前で抱える
→ LRT・ジプニー・モールでは特に有効。 - スマホ・財布をズボンのポケットに入れない
→ 特に後ろポケットは一瞬で抜かれます。 - 子どもが近づいてきたら距離を取る
→ 子どもを使ったスリは非常に多く、油断した隙を突きます。 - 写真撮影時は荷物を足元に置かない
→ 撮影中の「しゃがみ姿勢」が最も危険。肩に掛けたまま撮るのが安全。
🚕 タクシー詐欺・過剰請求対策(Taxi Scam)
- Grabアプリを使用する
→ 配車・料金が事前確定。運転手情報も記録されるので最も安全。 - 空港では正規のタクシー乗り場を利用
→ 「Taxi?」と声をかけてくるドライバーは無視。 - メーターが動かない時は即降車を検討
→ メーターが止まっている時点で不正の可能性あり。 - 現金支払いは小額紙幣を準備
→ 「釣りがない」と言い張る詐欺を防げます。 - 行き先はGoogleマップで確認
→ 遠回りされた際に即座に気づけます。
💵 両替トラブル・偽札詐欺対策(Money Exchange Scam)
- 両替はモール内や銀行併設の店舗で行う
→ RobinsonsやSMモール内のCzarina・Sanry’sなどが安全。 - 受け取った紙幣はその場で1枚ずつ確認
→ 金額と紙幣の枚数を声に出して確認すると◎。 - 「Best Rate」など派手な看板を避ける
→ 高レートをうたう小規模店ほど不正が多い。 - 両替時に話しかけられても会話に集中しない
→ 注意をそらすのが目的。笑顔でも油断しない。 - 夜間や人通りの少ないエリアでの両替は避ける
🧢 路上詐欺・声かけ詐欺対策(Street Scam)
- 知らない人に話しかけられても立ち止まらない
→ 一瞬でも足を止めると、連れ込みの第一歩。 - 「日本語を話す現地人」は要警戒
→ “親しげな日本語”こそ詐欺師の常套手段。 - ツアーや両替は公式店舗・ホテル経由のみ利用
- 現金を見せたり財布を出したりしない
→ “信頼の証”として現金を要求する場合もある。 - 断るときは笑顔でハッキリと「No, thank you」
→ 強く言い返すより、穏やかに距離を取る方が安全。
🍸 ぼったくりバー・ナイトクラブ対策(Overcharge Bars)
- 客引きのいる店には絶対に入らない
→ 路上勧誘は全て詐欺目的と思ってOK。 - 料金表・メニューがない店には入らない
→ 曖昧な値段設定は高額請求のサイン。 - 支払いは必ず明細を確認してから行う
→ 飲んでいないドリンクを勝手に追加されることも。 - カード払いは避け、現金払いを基本に
→ スキミング被害を防ぐ。 - トラブル時は観光警察(Tourist Police)を呼ぶ
→ その場で110に通報し、店内で支払わない。
🏍️ ひったくり・バイク犯罪対策(Snatching)
- バッグは常に建物側・内側に掛ける
→ 車道側にバッグを持つと一瞬で奪われる。 - スマホを屋外で操作しない
→ Grabの呼び出し中なども建物の中で行う。 - 人通りの少ない通りは避ける
→ バイクの逃走が容易な場所ほど危険。 - 交差点・信号付近で立ち止まらない
→ 信号待ち中に狙われるケースが多い。 - タクシー・車内でも窓を少ししか開けない
→ 走行中に腕ごと引っ張られる事例あり。
👮♂️ 偽警官・職員詐欺対策(Fake Police Scam)
- 現金を要求されたら100%詐欺と判断
→ 本物の警官はその場で金銭を受け取らない。 - パスポート原本は提示せず、コピーを携帯
→ 「パスポートを見せろ」と言われてもコピーで十分。 - 「警察署で確認しましょう」と冷静に伝える
→ 本物ならそのまま案内してくれる。 - 怪しい制服・IDは撮影して証拠を残す
→ 写真を撮る素振りだけでも詐欺師は退くことが多い。 - 複数人で取り囲まれたらすぐに周囲に助けを求める
💳 ATM・カードスキミング対策(ATM Skimming / Credit Fraud)
- ATMは必ず銀行・モール内の機械を利用
→ 路上ATMや個人商店設置の機械はNG。 - カード挿入口に不自然な装置がないか確認
→ 厚み・色の違い・ガタつきに注意。 - 暗証番号入力時は手で覆う
→ カメラ型スキマー対策として有効。 - レストランではカードを手渡さず、自分の前で決済
- 利用後はレシートを必ず保管し、即残高確認
🎒 空港での荷物トラブル対策(Laglag Bala 事件など)
- スーツケースは鍵付き・ラップ包装する
→ 現地で50ペソほどでラップ対応可能。 - 荷物検査中は自分の荷物を常に目視
→ 検査台で職員に触らせっぱなしにしない。 - チェックインカウンターでは自分で荷物を置く
→ “持ちます”という職員風の人物には注意。 - 荷物を預ける前に写真を撮っておく
→ 中身やタグの位置を証拠として残す。 - 怪しい要求(罰金・チップ)は一切応じない
→ 空港職員が現金を直接受け取ることはありません。
まとめ:知識と準備で、マニラは安全に楽しめる都市になる

フィリピンの首都マニラは、確かに治安面で注意すべき点が多い都市です。
しかし、実際のところ危険なのは一部の地域と特定の時間帯に限られており、観光客がよく訪れるエリア(マカティ、BGC、イントラムロスなど)では、基本的な防犯意識を持って行動すれば大きなトラブルに巻き込まれることはほとんどありません。
🔍 この記事でわかったこと
- マニラではスリ・詐欺・ぼったくりといった軽犯罪が中心で、命に関わる事件は稀。
- エリアによる治安格差が大きく、「安全な街」と「注意すべき街」が明確に分かれている。
- 犯罪はほとんどが「観光客の油断」を狙ったもので、行動を少し意識するだけで被害を回避できる。
- Grabの活用・夜間外出の制限・現金管理の工夫が、最も効果的な安全対策。
🛡️ 安心して旅を楽しむためのポイント
- 事前にエリア情報を確認する(マラテ・エルミタは夜間避ける)
- タクシーよりGrabを利用する(料金確定・運転手情報付き)
- 人混みでは前掛けバッグ・スマホ収納を徹底
- 客引き・知らない人の誘いはすべて断る
- ホテルはマカティやBGCなど安全エリアを選ぶ
🌇 マニラを「怖い街」で終わらせないために
マニラには、美しい夕日が見えるベイエリア、歴史あるイントラムロス、そして近代的で洗練されたBGCなど、多彩で魅力的な顔があります。
治安情報を正しく理解し、対策を講じておけば、不安ではなく「活気」「文化」「人の温かさ」に触れる旅が待っています。
危険を知り、リスクを避け、賢く楽しむ。
それがマニラを“安心して歩ける街”に変える一番のコツです。

