フィリピンには、日本ではあまり見られない“ちょっと変わった習慣”がたくさんあります。時間にルーズな「フィリピンタイム」、クリスマスが4か月続く独特の行事、誕生日の本人が周りにご馳走する文化など、日常の中に驚きと面白さがあふれています。この記事ではフィリピンの日本とは違う「習慣」を、分かりやすく紹介します。
日常生活で見える“変わった習慣”

フィリピンで暮らしたり旅行したりすると、まず驚くのが「日常の当たり前」が日本と大きく違う点です。
時間の感覚、食事スタイル、買い物の仕方、交通ルールなど、毎日の生活に根付いた独特の文化が随所にあります。
これらはフィリピン人にとっては自然でも、日本人から見ると「えっ?」と驚くことが多いはず。
ここでは現地に行けば必ず体験する日常の文化を、初心者でも理解しやすいように詳しく紹介します。

フィリピンタイム(時間にルーズ)
フィリピンで代表的な習慣が“フィリピンタイム”です。待ち合わせ時間に30分〜1時間遅れることは珍しくなく、遅れたとしても特に謝罪されないことが多い文化です。
背景には「時間より人間関係を大切にする考え方」や「渋滞がひどく、予定通りに動けないことが日常」という事情があります。
日本人からすると戸惑いますが、現地では“のんびりしていて普通のこと”として受け止められています。旅行者はスケジュールに余裕を持つと楽になります。
ショッピングモールやバスが極寒で厚着する
気温が30度を超える暑い日でも、ショッピングモール、バス、レストランの室内は冷蔵庫のように冷えていることが多いです。
フィリピンでは「強い空調が快適」という価値観が根付き、室内の温度設定はかなり低め。寒さに弱いフィリピン人は上着を常に持ち歩くのが一般的で、観光客も薄手のパーカーがあると安心です。
屋外と室内の温度差が激しいため、体調管理にも必要になります。
素手で食べる“カミヤン(Kamayan)”スタイル
フィリピンでは、料理を手で食べる“カミヤン”という伝統的な食事スタイルが今も残っています。ご飯や肉、魚を手でまとめて食べる方法で、地方の家庭料理では特に一般的です。
また、バナナの葉の上に料理を並べて大人数で食べる“ブードルファイト”も人気で、レストランでも体験できます。衛生面が気になる人もいますが、現地ではとても自然で温かみのある文化として親しまれています。
クラクションは怒りではなく“挨拶や合図”
フィリピンではクラクションは怒りを示すものではなく、軽い挨拶や意思表示として使われます。
「通りますよ」「ありがとう」「気をつけて」という意味合いで鳴らすことが多く、道路はクラクションの音でにぎやか。
音の感じ方が日本とは違うため、最初は驚きますが、慣れると「コミュニケーションの一部なんだ」と理解できます。
スーパーに“袋詰め係(バガー)”がいる
フィリピンのスーパーでは、レジ係とは別に“バガー”と呼ばれる袋詰めスタッフがいます。
買い物客は商品のスキャンを待つだけで、袋詰めはすべてスタッフが担当します。
雇用創出の意味もあり、サービスとして根付いているため、旅行者でも安心して買い物できます。必要に応じて小額のチップを渡す場面もあります。
家族・人間関係の価値観に基づく変わった習慣

フィリピンでは「家族」が生活の中心にあり、個人より家族全体を大切にする価値観が強く根付いています。
そのため、日本ではあまり見られない人間関係の習慣や考え方が多く、初めて触れる人は驚かされることがよくあります。
恋人や友人との関係にも家族が深く関わるため、旅行者だけでなく滞在者にとって理解しておくと役立つ文化ばかりです。
大人になっても家族同居が当たり前
フィリピンでは、30代・40代になっても実家に住み続けるのはごく普通のことです。
理由は「家族が助け合うのが当たり前」という価値観が強く、独立することが必ずしも良いとされていないからです。
また、家族の収入を合算して生活費を支え合うことも多く、家族全体で生活する方が合理的でもあります。
恋人同士でも家族同席で会うことが珍しくなく、家族との結びつきの強さが日常に深く現れています。
親戚が非常に多く、集まりが頻繁
フィリピンの家庭では親戚の範囲がとても広く、数十人単位で集まる大人数の家族イベントが頻繁に行われます。
誕生日会やクリスマス、進学祝いなど、毎月のように誰かのイベントがあり、家族同士の交流がとても活発です。
特に地方では、親戚同士が近くに住んでいることも多く、困ったときには誰かが手を差し伸べる“助け合い文化”が自然に機能しています。
断らない文化(NOと言わない)
フィリピンでは、相手の気持ちを傷つけないために「NO」とはっきり断らないことが多いです。予定が合わない場合でも曖昧な返事をすることがあり、日本人は「OKと言ったのに来ない」と誤解してしまうこともあります。
背景には「人間関係の調和を大切にする」という価値観があり、相手を尊重しようとする気持ちが強く表れています。
旅行者や滞在者も、この特徴を理解してコミュニケーションを取るとスムーズに関係を築けます。
サプライズ文化が強い
フィリピンでは誕生日や記念日にサプライズをする文化がとても盛んです。突然ケーキを持ってきたり、職場全体で歌ったり、家族総出で盛り上げることも珍しくありません。
特に誕生日では、ケーキに顔を押し付ける“ケーキスマッシュ”が定番で、笑いながらお祝いする光景がよく見られます。言われなければ実際に起こるまで知らないため、多くの旅行者が驚くフィリピンらしい習慣です。
誕生日は本人がおごる(バースデートリート)
フィリピンでは「誕生日の人がみんなをご馳走する」という、日本とは真逆の習慣があります。
これは“祝ってもらう側が感謝を示す”という考え方から来ており、家族や友人から「誕生日だから奢ってね!」と言われるのも普通のこと。
フィリピン人にとっては全く不思議ではなく、むしろ喜んで行うものです。旅行者は最初驚きますが、慣れると「そういう文化なんだ」と理解できるようになります。
宗教・行事・価値観に関する変わった習慣

フィリピンはアジアでも珍しくキリスト教(特にカトリック)が国民の大多数を占める国で、宗教的価値観が生活のあらゆる場面に深く影響しています。
祝日の過ごし方や行事への向き合い方、日本とはまったく違う文化が多く、「なぜ?」と感じる習慣に出会うこともしばしば。ここでは、宗教や価値観が背景にあるフィリピン独特の習慣を紹介します。
クリスマスが4か月続く(BER months)
フィリピンでは、9月からすでにクリスマスシーズンが始まり、12月まで街中が一気にクリスマスムードになります。これは「BER months(September〜December)」と呼ばれるフィリピン独特の文化で、世界最長のクリスマス期間とも言われています。
ショッピングモールでは9月にクリスマスソングが流れ、ツリーが飾られ、夜の街にはイルミネーションが点灯します。
家族や友人と過ごす時間を大切にするフィリピンならではの習慣で、日本人旅行者からは「早すぎる!」と驚かれる定番ネタです。
赤ちゃんの頭は触ってはいけない
フィリピンでは、赤ちゃんの頭を不用意に触ることはタブーとされています。
これは頭が“神聖な場所”と考えられているためで、特に小さな子どもに対しては注意が必要です。かわいい赤ちゃんを見ると頭をポンポンしたくなる日本人も多いですが、フィリピンでは失礼にあたります。
現地の価値観を知らないままだと誤解を招くため、観光中でも意識しておきたいポイントです。
お墓でピクニックをする文化
フィリピンでは、命日や「万聖節(ハロウィン時期)」に家族全員でお墓へ行き、食事をしたり笑いながら過ごす習慣があります。
日本では“静かに手を合わせる場所”という印象が強いですが、フィリピンでは「故人と一緒に過ごす日」として明るい雰囲気で集まるのが一般的。
お墓の周りにテントを張ったり、ご飯を広げたり、トランプをしたりと、まさに“家族イベント”としての側面が強く、文化の違いを深く実感できる瞬間です。
食文化・グルメに関する変わった習慣

フィリピンの食文化は、日本人にとって「え?」と驚く特徴がたくさんあります。
- 味付けの傾向
- 食べ方
- 定番料理
- 外食スタイル
など、日常の食事からフィリピンらしさが色濃く表れます。
家庭料理と外食での文化が異なることもあり、旅行者は“初めて見る食文化”に出会いやすいのが魅力の一つ。ここでは、フィリピンの食習慣で特に有名なポイントを紹介します。
甘いスパゲッティ(ジョリビー文化)
フィリピンを代表する“変わったグルメ”が、甘いスパゲッティです。
ジョリビーをはじめ家庭でもよく作られ、ケチャップ自体が甘く味付けされているため、日本のナポリタンよりもさらに甘い仕上がりになります。
子どもに人気があり、誕生日パーティーなどの定番メニューでもあります。初めて食べる日本人は驚きますが、慣れるとクセになる人も多い味です。
酢を多用する料理文化
フィリピン料理では酢を使う料理が非常に多く、代表的なのがアドボやキニラウです。これは高温多湿な気候に合わせた知恵で、食材を長持ちさせる工夫として広まりました。
酢によるさっぱりした風味が暑い国にぴったりで、食欲が落ちる時期でも食べやすいのが特徴です。
日本の酢とは風味が異なるものも多く、現地料理を通じてフィリピン流の食の知恵に触れることができます。
フィリピン流“手づかみパーティー”(ブードルファイト)
大人数でバナナの葉を広げ、その上に料理を並べて手で食べる“ブードルファイト”は、フィリピンならではの人気スタイルです。
もともとは軍隊の食事スタイルとして生まれたもので、現在では誕生日、家族イベント、観光ツアーなどでも頻繁に行われています。豪快で楽しい雰囲気があり、旅行者にも人気の体験です。
「手で食べる」という素朴なスタイルは、フィリピンの温かい食文化を象徴しています。

エンタメ・コミュニケーションの変わった習慣

フィリピンの人々は、とにかく明るく、盛り上がることが大好き。そのため、エンタメやコミュニケーションに関する文化にも「日本ではあまり見られない独特の習慣」が多くあります。
- 歌
- 写真
- SNS
- 人との関わり方
など、日常で触れるフィリピンの“陽気さ”を象徴する特徴ばかりです。
旅行者はもちろん、長期滞在者でも驚く文化が多いので、知っておくと交流がもっと楽になります。
どこでもカラオケ(ビデオケ文化)
フィリピンではカラオケが国民的な娯楽で、昼夜を問わず歌声が聞こえてくることがあります。
ビデオケと呼ばれる屋外カラオケは特に人気で、住宅街でもイベントでもよく利用されます。
音量が大きくても苦情はほとんど出ず、「楽しければOK」という寛容な文化が根付いています。日本と比べて騒音に対する許容範囲が広く、音を共有すること自体がコミュニケーションとなっています。
写真・SNS文化がとにかく強い
フィリピンの人々は写真が大好きで、食事、旅行、友達との時間など、どんな場面でも写真を撮るのが当たり前です。
特に若い世代はSNSでの共有が生活の一部となっており、写真映えを意識したポーズや表情が自然に身についています。
日本人からすると「まさかこんなところで?」と思う場所でも撮影することが多く、フィリピンの明るいコミュニケーション文化がよく表れています。
ニックネームが本名より使われる
フィリピンでは、家族や友人から“ニックネーム”で呼ばれることが一般的で、場合によっては本名よりも浸透していることがあります。
- Baby
- Jun
- Joy
- Bong
などの短くて親しみやすい名前がよく使われ、初対面の旅行者や外国人は「本名がわからない」状況によく遭遇します。
これは親しみを示す文化であり、人との距離が近いフィリピン人らしさが表れる特徴です。

まとめ

フィリピンには、日本ではあまり見られない「変わった習慣」が数多くあります。
- 時間にルーズなフィリピンタイム
- 家族のつながりの強さ
- クリスマスが4か月続く独特の行事
- 甘いスパゲッティ
- 手で食べる伝統的な食文化
- カラオケやSNSに象徴される明るいコミュニケーション
など、一つひとつの習慣にはフィリピンならではの価値観が色濃く表れています。
初めて訪れる人は驚きの連続ですが、文化の背景を知ることで滞在がもっと楽しくなり、フィリピンの魅力をより深く感じられるようになります。
旅行前の知識としてはもちろん、現地での人間関係づくりにも役立つ内容ばかりなので、ぜひ参考にしてフィリピンの文化をより身近に感じてみてください。

