フィリピンではチップは本当に必要?ホテル・レストラン・タクシーなど場面別に相場を徹底解説!実際に渡すべき金額(日本円換算)や注意点もわかりやすく紹介します。
はじめに:チップ文化に戸惑う日本人へ

フィリピン旅行でよく聞かれる質問のひとつが「チップって必要なの?」というもの。アメリカのようにチップが当然の国もありますが、フィリピンではその考え方が少し違います。
実際には、チップは義務ではなく“感謝の気持ちを伝えるための習慣”。現地の人でもチップを渡す人は限られており、渡さなくてもサービスが悪くなることはありません。
この記事では、フィリピンのチップ文化の背景から、シーン別の相場、渡す必要がある場面・ない場面を
現地の実態をもとにわかりやすく解説していきます。
フィリピンでチップは必須なの?

結論:チップは「義務ではない」けれど「気持ちとして歓迎される」
フィリピンでは、チップは法律で定められたものではなく、あくまで任意です。
多くの地元の人はレストランやホテルでもチップを渡しておらず、「外国人旅行者だけが渡している」というのが現実です。
つまり、チップを渡さなくてもサービスが悪くなることはありません。
スタッフの態度が変わることもほぼないので、無理に渡さなければいけない、という考え方は不要です。
💬 現地のリアル
- チップを渡さなくても全く問題なし
- ただし、渡すと確実に喜ばれる
- 義務ではなく「感謝の表現」
ホテルでのチップはいくらが相場?

フィリピンのホテルでは、チップを渡す場面はごく一部だけです。
受付スタッフやチェックイン時に渡す必要はありません。
ただし、荷物を運んでくれたベルボーイやルームサービス担当など、直接的にサービスを受けたスタッフに少額を渡すのが一般的です。
| シーン | チップの目安 | 日本円換算 | 備考 |
|---|
| チェックイン/チェックアウト | 不要 | ― | 渡す習慣なし |
| ベルボーイ(荷物) | 20〜50ペソ | 約55〜135円 | 荷物1個につき |
| ハウスキーピング | 20〜50ペソ/泊 | 約55〜135円 | 枕元やデスクに置く |
| ルームサービス | 20ペソ前後 | 約55円 | 特別対応時のみ |
| コンシェルジュ | 50〜100ペソ | 約135〜270円 | 特別手配時など |
💡 ポイント
- 「渡さない=失礼」ではない
- 感謝の気持ちを見せたいときだけで十分


レストラン・カフェのチップの渡し方と金額目安

レストランでは、サービスチャージ(Service Charge)が会計に含まれている場合が多く、その場合はチップ不要です。レシートに「Service charge 10%」などと記載があるか確認しましょう。
含まれていない場合は、20〜50ペソ(約55〜135円)程度を目安に。特に気に入ったお店やスタッフに“お礼”として渡すと喜ばれます。
| 店舗タイプ | チップの目安 | 日本円換算 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 屋台・ローカル食堂 | 不要 | ― | 地元客も渡さない |
| 中級レストラン | 20〜50ペソ | 約55〜135円 | 満足度に応じて |
| 高級レストラン(サービス料なし) | 5〜10% | 例:300ペソ=約810円なら30ペソ前後 | 感謝の気持ちで |
| サービス料あり | 原則不要 | ― | 二重払いに注意 |
⚠️ 注意
サービス料が含まれているのにチップを上乗せしてしまう“ダブルチップ”に注意!

タクシー・Grabではチップは必要?【現地実態】

タクシーやGrabでは、チップはほとんど必要ありません。現地の人も料金通りに支払うのが一般的です。
ただし、運転が丁寧だったり、荷物を手伝ってくれた時などは、**おつりを切り上げる程度(+10〜20ペソ/約27〜55円)**で十分です。
💬 アプリ利用時
Grabにはアプリ内でチップを送る機能があります。
10〜50ペソ(約27〜135円)を選んでタップするだけでOKです。

マッサージ・スパ・ツアーガイド

リゾート地(セブ・ボラカイなど)では、観光業に携わる人にチップを渡す文化が少し強めです。
特にマッサージ店やツアーガイドなど、直接的なサービスを受けた時にはチップを渡すのが一般的です。
| シーン | チップの目安 | 日本円換算 | 備考 |
|---|---|---|---|
| マッサージ・スパ | 50〜100ペソ | 約135〜270円 | 施術後に手渡し |
| ツアーガイド(半日) | 100〜200ペソ | 約270〜540円 | 個人ガイドなら直接 |
| ツアーガイド(1日) | 200〜500ペソ | 約540〜1350円 | グループ全体でまとめてでもOK |

チップの渡し方とマナー

チップは金額よりも渡し方のスマートさが大切です。
渡す時はなるべく人目を避け、笑顔で感謝を伝えましょう。
💡 スマートに見える3つのポイント
1️⃣ 小額紙幣(20・50ペソ札)を常に用意
2️⃣ 両手で「Thank you」と言いながら渡す
3️⃣ 公の場で財布を広げない
📘 豆知識
タガログ語で「ありがとう」はMaraming salamat po(マラーミン サラマット ポ)。
日本人がこの言葉を使うと、とても好印象です。
よくある失敗と注意点(実体験ベースで知っておきたいポイント)

フィリピンではチップ文化が“ゆるい”分だけ、旅行者が誤解してトラブルや気まずい思いをするケースもあります。ここでは、実際によくある失敗例とその対策を紹介します。
⚠️ ① サービスチャージ込みを見落として「ダブルチップ」
最も多いのが、「サービスチャージが既に含まれているのに、さらにチップを渡してしまう」ケースです。
多くのレストランやホテルでは、10%前後のサービス料が自動的に加算されています。レシートの下部に「Service Charge」と書かれていれば、それがその印です。
その場合、スタッフにはチップが配分されるため、追加で渡す必要はありません。むしろ、二重で支払うと相手も戸惑うことがあります。
💡 対策
- 会計前にレシートを確認する
- “Service Charge Included”と書かれていればチップ不要
- 不明な場合は「Service charge included?」と一言確認すればOK
📘 豆知識
チップを重ねて払っても悪い意味には取られませんが、「慣れてない旅行者」と思われやすいです。
⚠️ ② 小額紙幣がなくて渡せない(両替ミス)
チップを渡したくても、大きな紙幣しかなくて渡せないという人が非常に多いです。
特に空港や両替所では、1000ペソ札(約2,700円)や500ペソ札(約1,350円)を多く渡されるため、細かいお札が手元にないと、いざという時に困ります。
💡 対策
- 両替時に「Can you give me small bills?(小さいお札をください)」と伝える
- チップ用に20・50ペソ札(約55〜135円)を多めに確保
- 小銭や小額紙幣をまとめたポーチを分けて持つ
📘 現地のコツ
ホテルのフロントやモールのレジでも「両替できますか?」と聞くと、小額紙幣に替えてくれることが多いです。
⚠️ ③ チップを渡しすぎて“勘違いされる”
特に日本人旅行者がやりがちなのが、高額チップを渡しすぎること。
50ペソ(約135円)程度で十分な場面で、100〜200ペソ(約270〜540円)を渡してしまうと、「この人はお金持ちだ」と思われたり、次回以降に不自然に高い金額を求められるリスクがあります。
💡 対策
- 「少しのお礼」が基本。渡しすぎないことがマナー。
- 相場を知らない場合は「20〜50ペソ」で十分
- 高額紙幣をチップ用に使わない
📘 補足
現地の人の平均日給は500〜700ペソ(約1,350〜1,900円)ほど。100ペソでも大きな額になるため、チップは“ささやかな感謝”がベストです。
⚠️ ④ 公の場で財布を出してしまう(防犯トラブル)
観光客がやりがちなもうひとつの失敗が、人通りの多い場所で財布を開けてチップを渡すことです。
レストランやホテル内では問題ありませんが、屋外や空港前などではスリや置き引きのリスクがあります。
💡 対策
- 渡す時はできるだけ人目を避ける
- 財布ではなく、チップ専用ポーチから取り出す
- 夜間はスマートフォン決済(Grabなど)を優先
📘 現地の声
フィリピンは人懐っこい国ですが、観光地では“観光客狙い”の軽犯罪もあります。
「お金を見せない」のが基本マナーです。
⚠️ ⑤ そもそも「チップを渡す相手」を間違える
意外と多いのが、チップを渡す相手を勘違いしてしまうケースです。
たとえば、レストランでは店員全体にサービス料が分配されるため、個人に直接渡すより、テーブルに置いていく方が自然です。また、ホテルでも受付スタッフやマネージャーには基本的に不要です。
💡 対策
- チップは「直接サービスをしてくれた人」に渡す
- 受付やレジ担当は不要
- ベルボーイ・清掃員・運転手・ガイドなど**“手伝ってくれた人”だけ**
📘 例
「ホテルの受付」→ 不要
「荷物を運んだベルボーイ」→ 必要(20〜50ペソ)
「部屋を掃除してくれたスタッフ」→ 必要(20〜50ペソ/泊)
⚠️ ⑥ レシートを見ずに支払ってしまう
特に慣れない旅行初日によくあるのが、レシートを見ずに支払ってしまうこと。
税(VAT 12%)やサービス料が加算されているのに気づかず、「思ったより高いな」と感じてしまうパターンです。実はチップを含めて請求されているだけ、ということもあります。
💡 対策
- レシートの「VAT」「Service Charge」欄を必ず確認
- 不明点は「Is this already included?(もう含まれていますか?)」でOK
- 気持ちだけ渡すなら、小銭(10〜20ペソ)で十分
📘 ワンポイント
“確認してから渡す”がスマート旅行者の基本です。
まとめ:失敗を避けるコツは「確認・小額・静かに」
チップは“文化”ではなく“心付け”です。
失敗を避ける最大のコツは、確認して・小額で・静かに渡すこと。
この3つを守れば、フィリピンでチップトラブルに遭うことはまずありません。
🌸 覚えておこう
- サービス料があるかを確認する
- 小額紙幣を常に持つ
- 渡しすぎない
- 公の場では出さない
- 渡す相手を間違えない

