「フィリピンの物価は安い」と言われてきましたが、円安やインフレの影響でここ数年は少し事情が変わってきています。2025年現在、日本よりも安いのは確かですが、「想像よりも高く感じた」という声も少なくありません。
この記事では、2025年の最新フィリピン物価を食費・交通費・宿泊費・日用品など項目別に詳しく解説します。
これから旅行・留学・長期滞在を考えている方は、費用の目安としてぜひ参考にしてください。
フィリピンの物価は上がっている?【2025年の現状】

2024年から続く円安(1ペソ=約2.7円前後)と国内インフレにより、フィリピン全体の物価はじわじわ上昇中です。
特に上がっているのは、
- 食品(輸入食材・飲料)
- ガソリン・交通費
- 電気・ガスなどの生活インフラ
とはいえ、日本と比べるとまだ半額以下の生活費で済むのが実情。旅行者・移住者どちらにとっても「コスパの良さ」は健在です。
項目別|フィリピンの物価一覧

| 項目 | 目安価格(ペソ) | 日本円換算(約) | 備考 |
|---|---|---|---|
| 水(500ml) | 20ペソ | 約55円 | コンビニ価格 |
| コーラ(500ml) | 35ペソ | 約95円 | スーパーではやや安い |
| ローカル食堂の食事 | 100ペソ | 約270円 | セブやマニラ周辺での目安 |
| ファストフード(Jollibeeなど) | 150ペソ | 約400円 | 日本のマックより少し安い |
| 中級レストラン | 300〜600ペソ | 約800〜1,600円 | 旅行者向け価格帯 |
| タクシー初乗り | 45ペソ | 約120円 | Grabでは+10〜20ペソ程度 |
| コンドミニアム家賃(1LDK) | 15,000〜30,000ペソ | 約40,000〜80,000円 | マニラ中心部 |
| 電気・水道・通信 | 約3,000〜5,000ペソ | 約8,000〜13,000円 | 一人暮らし想定 |
| マッサージ1時間 | 300〜500ペソ | 約800〜1,300円 | |
| カフェのコーヒー | 120ペソ | 約320円 | スタバなどチェーン基準 |
日本と比べるとどれくらい安い?【比較表】

| 分野 | 日本 | フィリピン | 差 |
|---|---|---|---|
| 食費 | ¥1,000 | ¥300〜400 | 約1/3 |
| 家賃 | ¥80,000 | ¥40,000 | 約半額 |
| 交通費 | ¥200(初乗り) | ¥120 | 約4割安 |
| 外食(中級) | ¥2,000 | ¥800 | 約6割安 |
💡 ポイント
フィリピンは「安い国」というよりも「使い方次第で安くなる国」。
観光地や高級店では日本並み、それ以外では格安という“二極化”が進んでいます。
都市別の物価差(マニラ/セブ/地方)

フィリピンは国全体では物価が安いですが、地域によって生活コストに大きな差があります。
特に「マニラ」「セブ」「地方都市」では、同じ商品でも価格が1.5〜2倍違うことも珍しくありません。
旅行の目的や滞在スタイルによって、費用感が大きく変わるため、以下で都市ごとの特徴を詳しく見ていきましょう。
🏢 マニラ首都圏(Metro Manila)
フィリピンの経済・ビジネスの中心地であり、物価は全国的に最も高いエリアです。
近代的なモールや高級コンドミニアムが立ち並び、日本と比べても「都市価格」に近づきつつあります。
特徴:
- 家賃・外食費・交通費が全国平均より高め
- 1食あたり200〜400ペソが一般的(観光地ではさらに高額)
- 高級モール(Greenbelt、BGCなど)では日本並みの価格帯
- 交通渋滞が多く、Grab料金も上がりやすい
- 都市生活の快適さは高いが、コストも高い
💡 目安:
1人暮らしの生活費:月12万〜18万円(家賃込み)
中級ホテル宿泊費:1泊5,000〜8,000円程度
🌴 セブ島(Cebu)
リゾートと都市が共存する観光地セブは、マニラよりやや安いものの、
観光エリア(マクタン島など)では外国人価格が設定されていることもあります。
特徴:
- 外食は150〜300ペソが平均(観光地は+α)
- 海沿いのカフェやリゾートエリアは値上がり傾向
- マッサージやタクシー料金はマニラより安め
- ローカルマーケットを使えばかなり節約可能
💡 目安:
1人暮らしの生活費:月10万〜15万円(家賃込み)
中級ホテル宿泊費:1泊4,000〜6,000円程度
🌾 地方都市(ダバオ・バコロド・イロイロなど)
地方は今も昔ながらの物価水準が残り、フィリピンの“安さ”を最も実感できる地域です。
地元の食材が豊富で、外食もローカル価格のまま。長期滞在者やリタイア層にも人気があります。
特徴:
- 外食は1食100ペソ前後から
- 家賃はマニラの半額以下(8,000〜15,000ペソ)
- 移動手段はジプニー中心で交通費が格安
- 生活コストが低く、治安も比較的安定
💡 目安:
1人暮らしの生活費:月7万〜10万円
ゲストハウス宿泊費:1泊2,000〜3,000円程度
✨ まとめ:都市ごとの物価は「目的」で選ぶのがコツ
- 都市生活の快適さ重視 → マニラ
- 観光・リゾート+利便性 → セブ
- 物価の安さ・長期滞在重視 → 地方都市
どの地域でも「ローカルに寄せるほど安く過ごせる」のがフィリピンの魅力です。
旅の目的に合わせて、滞在都市を選ぶと無理のない予算で快適に過ごせます。
物価上昇の背景と今後の見通し

ここ数年、フィリピンの物価はゆるやかに上昇傾向にあります。2025年現在も、経済成長・円安・エネルギー高騰など複数の要因が重なり、特に都市部では価格上昇を実感する人が増えています。
以下では、物価が上がっている主な理由と、今後の見通しを詳しく解説します。
🔹 物価上昇の主な理由
① 円安による日本人から見た割高感
フィリピンペソは堅調に推移しており、1ペソ=約2.7円前後(2025年時点)。
数年前の「2.0円台前半」と比べると、日本円の価値は約2〜3割下がっています。
そのため、現地価格が変わらなくても、**日本人にとっては“体感的に値上がり”**している状態です。
② 食品・エネルギー価格の上昇
フィリピンは多くの食料品や燃料を輸入に頼っているため、国際的な価格上昇の影響を直接受けやすい国です。
特に上昇が目立つのは以下の分野:
- 小麦・調味料・乳製品などの輸入食品
- ガソリン・電気・LPガスなどのエネルギー
- 外食産業(原材料費+光熱費の高騰による価格転嫁)
③ 観光回復と外国人需要の増加
パンデミック後、観光業が完全に回復し、外国人観光客・留学生・リモートワーカーが急増しています。
これにより、都市部(特にマニラ・セブ)の家賃・ホテル料金が上昇。
外国人向けの飲食店やサービスも再び高価格帯に戻りつつあります。
④ 国内経済成長と最低賃金の上昇
フィリピン政府は経済成長に伴い、最低賃金を段階的に引き上げています。
それに伴って、日用品・サービスの価格も上昇。
「給与が上がっている分、消費も増えている」という“好循環型のインフレ”が起きているのが特徴です。
🔹 今後の見通し(2025〜2026年)
短期的には、物価上昇はしばらく続くと見られています。
フィリピン中央銀行(BSP)は2025年のインフレ率を約3〜4%前後と予測しており、食品と住宅コストが引き続き押し上げ要因になる見込みです。
ただし、経済の安定化と賃金上昇により、国民の購買力も上がっているため、「高すぎて生活できない」という状況ではありません。
💡 ポイント:
- 都市部では家賃・外食・交通費が上昇傾向
- 地方では依然として低コスト生活が可能
- 為替次第で日本人旅行者の“体感物価”は変動
🔹 今でも“安く過ごすコツ”
物価上昇の中でも、以下を意識すれば出費を抑えられます。
✅ ローカル食堂(カリンデリア)や市場を利用する
✅ Grabよりもジプニー・バスなど公共交通を活用
✅ 高級モールではなくSM、Robinsonsなど地元系を使う
✅ 長期滞在なら月貸しコンドミニアムを交渉価格で契約
これらを実践すれば、今でも日本の半額以下の生活費で快適に過ごすことができます。
🔹 まとめ:物価は上がっても、フィリピンはまだ「コスパの良い国」
確かに物価は上昇していますが、物価の“上昇スピード”よりも生活の自由度が高いのがフィリピンの魅力です。
観光地の価格を避け、ローカルエリアを上手に利用することで、2025年現在も「安くて豊かな生活」が可能です。

