フィリピン南部に位置するダバオは、「フィリピンで最も安全な都市」として知られています。街全体の清潔さや交通ルールの厳しさ、警察の治安維持体制は国内でもトップクラス。
一方で、ミンダナオ島の一部地域は外務省が渡航注意を出しており、地域差への理解が大切です。この記事では、ダバオの街の特徴や安全とされる理由、注意すべきポイントを詳しく解説します。
ダバオはどんな街?

ダバオ(Davao City)はフィリピン南部ミンダナオ島にある大都市で、面積・人口ともに国内トップクラスを誇ります。
経済・商業の中心でありながら、緑豊かな自然やビーチも近くにあり、「都市と自然のバランスが取れた街」として多くの外国人や留学生から人気があります。
フィリピンの元大統領ロドリゴ・ドゥテルテ氏の地元としても有名で、彼の治安強化政策のもと、犯罪率が非常に低く、秩序が保たれている都市として知られています。
他の都市に比べても街並みが清潔で、交通マナーや市民の意識も高いのが特徴です。
ダバオが「最も安全」と言われる理由(詳細版)

ダバオは「フィリピンで最も安全な都市」として長年知られており、その背景には、厳しい法制度・強力な警察体制・高い市民意識という3つの要素が密接に関係しています。
観光客にとっても、マニラやセブと比べてトラブルが少なく、夜でも落ち着いて歩けるという声が多いのが特徴です。
① 法と秩序を徹底した都市運営
ダバオの治安の良さを支えている最大の理由は、厳格な条例と強力な執行力です。
市内では「夜間外出制限(Curfew)」や「公共の場での飲酒制限」、さらには「喫煙禁止区域」などが厳しく定められており、違反者には実際に罰金が科されることもあります。
こうした取り締まりを徹底することで、夜のトラブルや騒音問題、酔客による事件を未然に防いでいます。
また、交通面でもバイクの3人乗り禁止、スピード違反取締りなど、細かな交通規制が徹底。ルールを守ることが当たり前の文化が根付いているため、街全体の秩序が保たれています。
💡 市政府は「クリーン・アンド・オーダリー・ダバオ」をスローガンに掲げ、
日常生活の中で“秩序を守ること=安全を守ること”という意識を市民全体で共有しています。
② 治安維持を支える強力な警察体制と防犯ネットワーク
ダバオ市内では、市警察(Davao City Police Office)が中心となり、常時パトロールと即時対応体制を取っています。
主要エリアには24時間稼働の監視カメラが多数設置され、事件が起きてもすぐに映像を確認できる仕組みになっています。
また、交番や警察詰所(Outpost)が住宅街や商業エリアごとに配置されており、「警察官の存在を常に感じられる街」と言われています。
加えて、市内の商業施設やホテルでも独自のセキュリティチェックが行われ、モールの入り口では金属探知機や荷物検査が日常的に行われています。これにより、凶悪犯罪の発生を未然に防ぐだけでなく、観光客にも安心感を与えています。
💬 実際に訪れた旅行者からも「警察官の数が多く、常にパトロールがある」「夜でも人通りのあるエリアは安心して歩けた」という声が多く寄せられています。
③ 市民の防犯意識が高い街づくり
ダバオでは、「安全な街は住民の手で守る」という考えが浸透しているため、地域コミュニティや商店、交通事業者までが協力し合い、防犯活動を行っています。
例えば、タクシー業界では「正直な運転手を表彰する制度」が導入されており、市民全体で“誠実さを称える文化”が根付いています。
また、地元の人々は観光客に対しても親切で、困っている旅行者に声をかけて助けるなど、治安の良さが単なる制度面だけでなく人々の温かさからも支えられていることがわかります。
🌿 「他の都市とは違う穏やかな雰囲気」「夜でも静かで安心できる」といった声は、
市民一人ひとりの意識の高さが作り出した“街の空気”を象徴しています。
④ 清潔で整備された都市環境
ダバオではゴミのポイ捨て、喫煙、公共の場での騒音などが厳しく取り締まられており、街全体がとても清潔で整然としています。
公園・道路・海岸の整備も行き届いており、観光客が不安を感じるような荒れた雰囲気がありません。
環境整備の行き届いた街は、犯罪抑止にもつながります。「汚れた場所に犯罪が集まりやすい」という理論に基づき、
市政府が“きれいで安心できる都市空間”を保つことで、犯罪の発生そのものを防いでいるのです。
⑤ 統計データが示す「安全性」
NumbeoやWorld Safety Indexのデータによると、ダバオは東南アジアの都市の中でも高い安全スコアを維持しています。
2024年時点でダバオのSafety Indexは約72.5と、マニラ(43前後)やセブ(45前後)を大きく上回ります。犯罪率が低く、住民満足度が高い街として国内外から注目されています。
📊 **「実際に数字で見ても安全」**という点が、
フィリピン旅行初心者にも安心感を与える大きな理由です。
注意が必要なエリア・行動

いくら安全といっても、油断は禁物です。
一部の地域では軽犯罪や詐欺の報告もあります。
注意エリア
- アグダオ地区(Agdao):夜間は人通りが少なく、過去に置き引きや路上詐欺の報告あり。
- 公設市場周辺(Public Market):混雑時にスリが発生することも。
- 交通ターミナル周辺:荷物の管理には注意。
注意したい行動
- 深夜の単独外出や人気のない路地を避ける
- 現金・スマホを見せびらかさない
- 不審な勧誘や声かけには応じない
ダバオで起こりうるトラブルと対処法

スリ・置き引き(Pickpocket / Theft)
発生場所:
- 市場
- バスターミナル
- 繁華街
手口はマニラやセブほど多くありませんが、観光客が集まる場所では注意が必要です。
荷物を床に置かない、混雑時はリュックを前に抱えるなど、基本的な対策を。
対処法:
- 常にバッグを体の前に
- 多額の現金を持ち歩かない
- スマホや財布をテーブルの上に放置しない
タクシー・交通トラブル
ダバオではタクシーの信頼度が高いことで有名で、ほとんどの運転手が正規メーターを使用し、過剰請求も稀です。
ただし、まれに古い車両や非正規タクシーが存在するため、乗車前にメーターの有無を確認しましょう。
対処法:
- 乗車前に「メーターOK?」と確認
- 公式アプリ「Grab」を優先利用
- 領収書(レシート)を受け取る
詐欺・声かけトラブル
他都市と比べ少ないものの、観光客に話しかけてくる“案内人”タイプの詐欺は存在します。
「安くツアーを案内する」「良い宿を紹介する」などの誘いには注意。
対処法:
- 見知らぬ人の勧誘には応じない
- ツアーはホテルや公式代理店を通して予約
- 困った時は警察や観光案内所へ相談
FAQ|ダバオの治安に関するよくある質問

Q1. ダバオは本当に安全なんですか?
はい。ダバオは「フィリピンで最も安全な都市」と呼ばれており、犯罪発生率は国内平均を大きく下回ります。
警察の巡回や監視カメラが多く、市民の防犯意識も高いため、夜でも落ち着いて過ごせるエリアが多いです。ただし、油断せず貴重品管理や夜間の単独行動は避けましょう。
Q2. 女性の一人旅でも大丈夫?
昼間であればまったく問題ありません。ダバオは男性だけでなく女性旅行者の人気も高く、カフェ・ショッピング・スパなど一人で楽しめる施設も充実。
ただし、夜の繁華街や人通りの少ない場所は避け、移動はGrabなどの配車アプリを使うのが安心です。
Q3. ミンダナオ島は危険と聞きますが、ダバオもそうですか?
ミンダナオ島の一部(西部や中部)では外務省が「渡航中止勧告」を出していますが、ダバオ市は例外で、危険地域から完全に除外されています。
実際に多くの外国人が留学・観光・ビジネスで滞在しており、トラブルもほとんど報告されていません。
Q4. 夜に出歩いても大丈夫?
メインエリア(ダウンタウン、アブリーザ、ITパーク周辺)であれば問題ありません。
ただし、深夜の路地裏や人通りの少ない場所は避けましょう。夜の移動はGrabを利用し、徒歩での長距離移動は控えるのがベストです。
Q5. 観光客が注意すべき犯罪はありますか?
ダバオでは凶悪犯罪はほとんどありませんが、スリや置き引きなどの軽犯罪はゼロではありません。
市場やバスターミナルなど、人が多い場所では荷物を前に抱えるなどの基本的な防犯意識を忘れずに。
Q6. タクシーは安全に利用できますか?
はい。ダバオのタクシーは全国的にも評判が良く、ほぼ全車がメーター制です。
「正直な運転手を表彰する制度」があり、ぼったくりはほとんどありません。乗車時にはメーター作動を確認し、Grabを使えばさらに安心です。
Q7. 宿泊エリアでおすすめは?
初めての滞在なら、アヤラモール周辺(Abreezaエリア)やダウンタウン中心部が便利で安全です。
警備体制が整ったホテルが多く、ショッピング・レストラン・交通アクセスすべてが充実しています。一方で、郊外のローカルエリアでは夜間の徒歩移動は避けましょう。
Q8. ダバオでのぼったくりや詐欺はありますか?
他都市に比べて非常に少ないですが、まったくゼロではありません。「安いツアーを紹介する」「両替を手伝う」といった声かけには注意が必要。
公式店・ホテル・信頼できる旅行代理店を通すのが安全です。
Q9. ダバオ空港(フランシスコ・バンゴイ国際空港)は安全?
はい。セキュリティチェックが非常に厳しく、入出国ゲートでのトラブルはほとんどありません。荷物検査も丁寧で、スタッフの対応も穏やかです。
ただし、到着ロビーで声をかけてくる「非正規タクシー」には注意しましょう。
Q10. 緊急時はどこに連絡すればいい?
ダバオ市警察(Davao City Police Office)または観光警察(Tourist Police)にすぐ連絡しましょう。
また、滞在先のホテルスタッフも通報手続きに慣れているので、まずはホテル経由で相談するのも安心です。
📞 警察(Emergency Hotline):911(フィリピン全土共通)
📞 観光局(Davao Tourism Office):+63 (82) 241-1000

