フィリピン旅行では、お金の扱いに少しコツが必要です。紙幣の種類や使う場面を知らないと「お釣りがない」「偽札だった」などのトラブルも。
この記事では、フィリピンの紙幣の種類・デザイン・使い方・注意点をわかりやすく解説します。旅行前にチェックしておけば、現地での支払いも安心です。
はじめに:フィリピンの紙幣とは?

フィリピンの通貨は「ペソ(Peso/通貨コード:PHP)」で、1ペソ=100センタボです。紙幣は主に20ペソから1,000ペソまでの6種類が流通しており、色やサイズ、デザインがすべて異なります。
紙幣にはフィリピンの歴史上の偉人や自然遺産、象徴的な動植物が描かれており、まるで国の文化と歴史を表す小さな作品のようです。旅行者にとっても、紙幣を通じてフィリピンの魅力を感じられるのがポイントです。
また、観光客が現地で困りやすいのが「お釣り問題」。高額紙幣しかないと屋台やジプニーで断られることもあるため、紙幣の種類と使いどころを知っておくことが大切です。
紙幣の種類・デザイン・使い道一覧

フィリピンでは現在、新デザインシリーズ(2010年以降発行)が主流で、旧紙幣はほぼ姿を消しています。
ここでは、それぞれの額面の色・人物・デザイン・使い道をわかりやすく紹介します。
💙 1,000ペソ札(青)
- 表面の人物:ホセ・アバド・サントス、ビセンテ・リム、ジョセファ・リャネル・エスコーダ
- 裏面のデザイン:トゥバタハ岩礁群(世界遺産)とウミガメ
特徴と使い道
最高額紙幣で、主に銀行や空港で受け取ります。
高級ホテルや空港の免税店では問題なく使えますが、一般の商店やタクシーでは「お釣りがない」と断られることが多いです。
両替後は100ペソや50ペソに細かくしておくのが鉄則。大きな買い物(お土産まとめ買い・ホテル支払いなど)専用と考えると◎。
💛 500ペソ札(黄色)
- 表面の人物:コラソン・アキノ、ベニグノ・アキノ・ジュニア
- 裏面のデザイン:プエルト・プリンセサ地下河川国立公園
特徴と使い道
旅行者が最も使いやすいバランスの紙幣。観光地の入場料、タクシー、高級レストランなどでスムーズに利用できます。
500ペソ札は受け取る側にも負担が少ないため、日常使いと大きめの支払いの中間ポジションとして最適。財布に常備しておくと安心です。
💚 200ペソ札(緑)
- 表面の人物:ディオスダド・マカパガル
- 裏面のデザイン:チョコレートヒルズとタマラウ
特徴と使い道
流通量が少なく、現地でも「珍しい」と感じる人が多い紙幣です。
特別に価値が高いわけではありませんが、見る機会が少ないので話題になることも。
支払いには普通に使えますが、お釣りをもらう際に一瞬確認されることがあります。記念に取っておく旅行者も多いです。
💜 100ペソ札(紫)
- 表面の人物:マヌエル・ロハス
- 裏面のデザイン:マヨン火山とフィリピンワシ
特徴と使い道
最も使用頻度が高い万能紙幣。レストラン、スーパー、タクシー、マッサージ店などあらゆる場面で使えます。
特に観光地ではこの100ペソ札をメインに持ち歩くのがベスト。お釣りも出しやすく、現地の人にも扱いやすい紙幣です。
❤️ 50ペソ札(赤)
- 表面の人物:セルヒオ・オスメニャ
- 裏面のデザイン:タール湖とタール火山
特徴と使い道
地元の小さなレストランや屋台、トライシクル(バイクタクシー)などで最も活躍する紙幣。
現地では100ペソよりも歓迎されることが多いです。50ペソを多めに持っておくと、「お釣りがない」と言われるストレスが激減します。
🧡 20ペソ札(オレンジ)
- 表面の人物:マニュエル・ケソン
- 裏面のデザイン:バナウェ棚田とパルマイラの花
特徴と使い道
最小額の紙幣で、日常の細かい支払いに重宝します。屋台、ジプニー、カフェの軽食、チップなどあらゆる場面で使用。
近年は20ペソ硬貨も登場していますが、紙幣もまだ広く流通しています。観光中は財布に数枚入れておくのが◎。
偽札に注意!見分け方とチェックポイント

フィリピンでは、ごく一部の地域で偽札(フェイクペソ)が出回っていることがあります。特に観光客はお金の見分けに慣れていないため、狙われやすい存在です。
現地の人でも気づかずに受け取ってしまうケースがあるため、旅行者は「どう見分けるか」を知っておくことが大切です。
🔍 偽札が出回る主なケース
- 路上での両替
観光地(特にマニラ中心部やセブの繁華街)では、「銀行よりレートがいいよ」と声をかけてくる個人両替商がいます。
こうした非公式両替では、本物に似せた偽札が混ぜられていることが多く、被害報告が後を絶ちません。 - 一般人同士の現金取引
個人売買や中古品購入などで直接現金を受け取る際も注意。特に500ペソ・1,000ペソの高額紙幣は要チェックです。 - 観光客同士の両替や譲渡
他の観光客から現金をもらう(または両替してもらう)ケースでも、知らないうちに偽札を手にしてしまうことがあります。
💡 本物と偽物の違いを見抜くポイント
以下のポイントを押さえておけば、かなりの確率で偽札を見抜けます。
スマホのライトを使うと確認しやすいのでおすすめです。
| チェック項目 | 本物の特徴 | 偽物の特徴 |
|---|---|---|
| 紙質の手触り | ややザラザラしていて繊維感がある | ツルツル・光沢が強い・薄い紙質 |
| 印刷の質感 | インクが立体的で、人物や文字が少し浮き出ている | 平面的でのっぺりしている |
| 透かし | 光にかざすと人物の顔が透けて見える | 透かしがない、またはプリントされているだけ |
| セキュリティスレッド(銀色の帯) | 紙に埋め込まれており、角度によって光る | 印刷されているだけで、触っても段差がない |
| ホログラムや色変化(1,000ペソなど) | 光の角度で色が変わる部分あり | 光を当てても変化がない |
| 印字番号(シリアル番号) | 同じ紙幣には一意の番号。整然と印字 | 同じ番号が複数ある・ズレている・にじみがある |
💡 コツ:一度「本物の紙幣」を銀行またはATMで受け取り、質感・厚み・色合いを指で覚えておくと比較がしやすいです。
⚠️ 偽札が混ざりやすいシチュエーション
- 夜間の露店・暗い場所での支払い
光の加減で判別が難しい。ライトで必ず確認を。 - 高額紙幣での支払い時
大きい額面ほど偽札のリスクが高い。 - 地方の露店・小規模商店
お釣りとして渡される紙幣が古く、判別しづらいことがある。
🧾 もし偽札を受け取ってしまったら…
残念ながら、偽札を所持していても交換や補償は受けられません。
ただし、以下のように行動するのが望ましいです。
- すぐに使用しない(知らずに使うとトラブルに発展する可能性あり)
- 銀行または警察に持参し、確認してもらう
銀行職員が正式に「偽札」と判断した場合、報告書が作成されます。 - 偽札は記念に持ち帰らないこと!
税関検査などで問題になることがあるため、必ず破棄または提出しましょう。
現地の人の実体験(よくある例)
「タクシーで1,000ペソ札を出したら、『お釣りがない』と言われた後、別の紙幣にすり替えられて偽札を返された。」
→ 対策:支払い前に紙幣番号を目で確認する/小額紙幣で払う
「路上で高レートと言われて両替したら、半分が旧札と偽札だった。」
→ 対策:必ずモール内・銀行内の両替所を使う。外では両替しない。
✅ 安全な両替&受け取りのポイント
- 両替はモール内の両替所・銀行・ホテルのフロントが基本。
- ATMで引き出すのが最も安全(ただし引き出し限度額に注意)。
- 紙幣を受け取ったら、人前でさりげなく確認。堂々とライトで照らしても問題ありません。
- 「旧紙幣」は現在無効なので、古びたデザインは使えないことがあります。
✋ まとめ:警戒しすぎず、でも油断せず!
偽札トラブルは、正しい知識があればほとんど防げます。
要点は3つ👇
- 両替は必ず正規の場所で行う
- 受け取った紙幣をその場で軽くチェック
- 高額紙幣をなるべく崩して持ち歩く
この3つを意識すれば、安心して現地の買い物や支払いができます。
お金に関するトラブルを避けて、心からフィリピンの旅を楽しみましょう🇵🇭✨
紙幣の使い方と両替のコツ(完全ガイド)

フィリピンでは、紙幣の額面によって使える場面がかなり異なります。特に観光客が最初に戸惑うのは、「大きな紙幣が使いにくい」という点。
ここでは、現地でスムーズにお金を扱うためのコツやマナーを詳しく解説します。
💵 よく使う紙幣と使い分けのコツ
まず押さえておきたいのは、フィリピンでは高額紙幣(500〜1,000ペソ)は嫌がられることが多いということ。
理由は単純で、屋台やジプニー(乗り合いバス)、小規模商店などは「お釣りのストックが少ない」からです。
| シーン | 適した紙幣 | 備考 |
|---|---|---|
| 屋台・ローカル食堂 | ₱20・₱50 | 細かい支払い専用。お釣りを出せない店も多い |
| タクシー・トライシクル | ₱50・₱100 | 細かい紙幣が喜ばれる。高額紙幣は拒否される場合あり |
| レストラン・ショッピングモール | ₱100・₱500 | お釣りは出やすい。高額紙幣もOK |
| ホテル・空港・観光地の入場料 | ₱500・₱1,000 | 安心して使える。大きな買い物時に利用 |
🔸 ポイント
- ₱100・₱50・₱20 を中心に持ち歩くと、どの場面でも対応できる。
- 1,000ペソ札は予備財布に分けて保管しておくと安全。
- 夜のマーケットなどでは「釣りがない」と言われやすいので、小額紙幣は命綱!
💱 両替のコツと注意点
フィリピンでは、両替の場所によってレートも安全性も大きく変わります。
「お得に、そして安全に」両替するためのポイントをまとめました。
🏦 安全に両替できる場所
- 銀行(Bank):最も信頼性が高いが、手続きがやや時間がかかる。
- ショッピングモール内の両替所(Money Changer):便利でレートも良好。観光客はここがベスト。
- 空港の両替カウンター:レートはやや悪いが、到着直後の少額両替には最適。
💡 おすすめの使い分け
- 到着直後:空港で2,000〜3,000ペソほど両替(初日の移動用)
- 市内到着後:モールの両替所で本格的に両替(滞在中のメイン資金)
⚠️ 路上両替には注意!
観光地では「Good rate!」「No commission!」と声をかけてくる人もいますが、高確率で偽札混入や金額詐欺のリスクがあります。
実際に「1万円両替したのに、数枚足りなかった」という被害も多いです。
→ 正規の両替所・銀行・ATM以外は絶対に利用しないようにしましょう。
💳 キャッシュレス支払い事情
近年は、マニラやセブの大型モール、ホテルではクレジットカードが使える場所が増えています。
ただし地方や屋台では現金が主流のため、次のように使い分けると安心です。
| 支払い方法 | メリット | 注意点 |
|---|---|---|
| クレジットカード(VISA/Master) | ホテル・モール・高級店で利用可 | 一部店舗では手数料(3〜5%)が加算される |
| QR決済(GCashなど) | 現地では急速に普及中 | 外国人は利用登録に制限あり |
| 現金(Cash) | 屋台・タクシー・チップなど万能 | 小額紙幣がないとトラブルになりやすい |
🔹 アドバイス:
現金7割、カード3割くらいの感覚がちょうど良いバランスです。
💡 両替時の小技:お得に細かくする方法
- スーパーで買い物をして細かく崩す
→ 500ペソ札で支払うと、きれいに100・50・20でお釣りが返ってくる。 - ホテルのフロントでお願いする
→ 「Can you change this to smaller bills?」でOK。快く崩してくれる。 - マッサージ店やタクシーで意図的に細かい札を出す
→ 常に小額紙幣を手元にキープできる。
💼 紙幣の保管・持ち歩き方の注意点
フィリピンは高温多湿の国なので、紙幣が湿気でシワシワになりやすいです。また、汗や水濡れで破れると使えなくなることもあります。
- 防水ポーチ・マネーベルトを活用
- 紙幣を折り曲げすぎない(破損扱いになることがある)
- 大きな紙幣は分散保管(財布・ホテルの金庫など)
🚫 やってはいけない行為
- 破れた紙幣をテープで補修して使う(拒否されることあり)
- 紙幣を丸めたり、ポケットに直接入れる
- チップを投げるように渡す(非常に失礼とされる)
🤝 支払い時のマナーとローカルルール
フィリピンでは、お金のやり取りにも礼儀があります。日本人にとっては意外かもしれませんが、これを守ると印象がとても良くなります。
- お金は片手ではなく両手で渡す
- お釣りをもらったら軽く「Thank you」や「Salamat(ありがとう)」と言う
- 屋台やタクシーで端数を「Keep the change(お釣りはいらない)」と言うと好印象
- 値引き交渉(ディスカウント)は大型店ではなく露店のみOK
🪙 両替・紙幣のトラブル時の対処法
もし「お釣りが違う」「古い紙幣を渡された」などのトラブルに遭った場合は、焦らず次のように対応しましょう。
- その場ですぐ確認する(レシートや金額を確認)
- 間違いがあれば丁寧に伝える
→ “Excuse me, I think there’s a mistake.” でOK。 - 揉めそうなら、その場を離れる
→ 大声を出したり、感情的にならないことが鉄則。
✨ 両替・紙幣管理のまとめ
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 💰 持ち歩く紙幣 | 20・50・100ペソを中心に。高額紙幣は分けて保管 |
| 🏦 両替場所 | モール・銀行・ホテル。路上両替はNG |
| 💳 支払い方法 | 現金7割・カード3割がベスト |
| 🔒 紙幣保管 | 防水ポーチ+ホテル金庫で二重管理 |
| 🤝 マナー | 両手で渡す・感謝を伝える・焦らない |
まとめ:紙幣を味方にして快適なフィリピン旅行を!
フィリピンでは、紙幣の種類を理解し、使い分けるだけで旅の快適さがまるで変わります。高額紙幣は大きな支払い用に、小額紙幣は日常用にと分けておくことで、トラブルを防げます。
また、偽札チェックや両替のコツを意識しておけば、初心者でも安心して現地通貨を扱えます。
「お金の扱いに慣れる=その国に慣れる」こと。フィリピンの紙幣を理解すれば、旅のストレスは確実に減り、より現地に溶け込んだ体験ができます。

