フィリピン旅行の際、「日本のお菓子をお土産に持って行きたい」と考える人は多いでしょう。
しかし、フィリピンでは食品の持ち込みに厳しい規制があり、乳製品や肉エキスを含むお菓子は没収対象になることがあります。
この記事では、持ち込み禁止のお菓子一覧・没収の理由・安全に通関するためのポイントを詳しく解説します。
フィリピンでお菓子を持ち込む際の基本ルール

フィリピンでは、すべての食品が**税関および動植物検疫(Quarantine)**の対象になります。
お菓子は見た目こそ安全に見えますが、成分や包装の状態によっては没収対象になる場合があります。まずは基本のルールを理解しておきましょう。
🧾 税関申告が必要
お菓子を含むすべての食品は、税関申告書(Customs Declaration Form)で申告する必要があります。
入国時のフォームには「Are you bringing food?(食品を持ち込んでいますか?)」という項目があり、YESにチェックを入れるのが原則です。
「少量だから」と無申告にすると、検査で見つかった際に没収・罰金の対象になることがあります。
🧁 商業包装・未開封が基本条件
フィリピンでは、**市販されている未開封の製品(commercially packaged goods)**のみが持ち込み対象として認められます。
- 手作り
- 開封済み
- ラッピングのみのお菓子
は衛生状態や成分が確認できないため、原則禁止です。
✅ 持ち込みやすい条件:
- 市販の工場製造品
- 真空パックまたは密封包装
- 原材料が英語で表示されている
❌ 没収対象になりやすいもの:
- 手作りケーキ・クッキー
- 開封済み・袋詰め直し品
- 成分ラベルなしの包装
🥛 動物由来成分の有無が重要
お菓子でも乳製品・卵・肉エキスなどの動物由来成分を含むものは、動植物検疫の対象になります。
フィリピンでは口蹄疫・ASF(アフリカ豚熱)などの感染症対策のため、肉製品・乳製品の持ち込みを制限しています。
例:
- ❌ ミルクチョコレート、チーズタルト、バターサンドなど
- ⚠️ 卵や乳成分を使った焼き菓子(量と状態によって判断)
- ✅ キャンディ、グミ、せんべい、ポテトチップスなど
💡 ポイント:
「BEEF」「CHICKEN」「MILK」「EGG」などの単語が英語表記である場合、検疫官が判断しやすく、許可される可能性が上がります。
✈️ 持ち込み目的は「個人使用」に限る
お菓子を大量に持ち込むと、販売目的とみなされることがあります。
税関では「個人で消費できる量」が目安となり、10個前後までであれば問題視されませんが、箱買い・業務用サイズは課税または没収の対象になることもあります。
⚖️ ルールを守るメリット
- 空港検査で止められずスムーズに入国できる
- 不要な没収・罰金を避けられる
- 英語表記があればトラブル回避が容易
持ち込み禁止・注意が必要なお菓子の種類

フィリピンでは、見た目は安全そうに見えるお菓子でも、成分や保存状態によっては検疫で没収対象になります。特に「肉・乳・卵」を含む製品は要注意です。
ここでは代表的な禁止・注意カテゴリーを紹介します。
🧁 1. 手作り・開封済みのお菓子(完全禁止)
自宅で焼いたクッキーやラッピングだけされたケーキなど、成分不明・衛生証明がない製品は持ち込み禁止です。
検疫官が内容を確認できないため、全て没収対象になります。
没収例:
- 手作りクッキーやマフィン
- 家庭でカットしたケーキやおにぎり
- 開封済みのスナックや袋詰め菓子
💡 ポイント:
「開封されていない・市販ラベル付き」が最低条件です。
🍫 2. 乳製品・バター・チーズを多く含むお菓子
乳やチーズなどの動物由来成分は感染症防止の観点から制限されています。
加工済みチョコやクッキーでも、乳脂肪分が多い製品は検査官の判断で没収されることがあります。
没収されやすい例:
- チーズケーキ、バターサンド、ミルクキャンディ
- 生チョコレート、トリュフ系
- クリーム入りワッフルやパン
比較的安全な例:
- ミルクチョコ・ホワイトチョコ(加熱済み・市販品)
- クラッカーやせんべいなど植物性ベース
🍖 3. 肉・動物エキスを含むスナック類
最も没収トラブルが多いのが、「肉味」系スナックや肉エキス入り製品です。
ラベルに“Beef”“Chicken”“Pork”などが記載されていれば肉製品扱いになり、完全禁止です。
没収例:
- ジャーキー・ベーコン味スナック
- カップ麺(チキン味・ビーフ味)
- 肉入りおにぎり・パン
💡 ポイント:
「味」だけでも肉が成分に含まれていればアウト。
安全を取るなら“seafood flavor”や“vegetable flavor”を選びましょう。
🥚 4. 卵や生クリームを使った菓子
卵・生クリームも動物性成分のため、半生スイーツや未開封でも冷蔵保存が必要なものはNGです。
没収される例:
- カスタードプリン、マドレーヌ、シュークリーム
- 冷蔵・冷凍スイーツ全般
持ち込める可能性があるもの:
- クッキー、ビスケット、加熱済み焼き菓子(英語成分表あり)
🥜 5. ナッツ・ドライフルーツ入り製品(条件付き)
ナッツ・ドライフルーツ自体はOKですが、未包装・生状態は植物検疫で止められます。
OKの条件:
- 市販・真空パック・乾燥済み製品
- 成分表に「Roasted」「Dried」と明記されているもの
NGの例:
- 市場で買ったナッツ・ドライフルーツ
- 英語表記がない製品(成分不明)
安全に持ち込めるお菓子と選び方のコツ

すべてのお菓子が禁止というわけではありません。
商業包装され、動物由来の成分が含まれないお菓子であれば、検疫をスムーズに通過できる可能性が高いです。
ここでは、実際に多くの旅行者が持ち込みに成功している「安全なお菓子」と、選ぶ際のポイントを紹介します。
✅ 安全に持ち込めるお菓子の例
| カテゴリ | 持ち込み可否 | 理由・注意点 |
|---|---|---|
| チョコレート(板チョコ・スナック系) | ◯ | 加熱済み・商業包装。英語ラベルありならOK。生チョコは不可。 |
| スナック菓子(ポテチ・クラッカー・せんべい) | ◯ | 動物エキスなしの植物油ベースは安全。 |
| キャンディ・グミ・ラムネ | ◯ | 非動物性・常温保存可能。 |
| クッキー・ビスケット類 | △ | バター・卵成分が少ない製品なら可。英語成分表が重要。 |
| ドライフルーツ・ナッツ(市販パック) | ◯ | 「Roasted」「Dried」と表示があればOK。 |
| ティーバッグ・粉末飲料(コーヒー・紅茶) | ◯ | 液体でなければ制限なし。 |
💡 ポイント:
「未開封・英語表記・非動物性・常温保存可」──この4つを満たしていればほぼ安全です。
🧃 英語ラベルがある製品を選ぼう
検疫官は製品の成分を英語表記で確認します。日本語しかないパッケージは「内容不明」とされ、没収されるリスクがあります。
お菓子を選ぶ際は以下をチェック:
- 原材料表記に「Beef」「Pork」「Chicken」がないか
- 「Dairy」「Milk」「Egg」など動物由来が多くないか
- 成分が英語で印字されているか
英語表記があれば、「肉や乳製品を含んでいない」と説明しやすくなるため、通関率が上がります。
🎁 安全なお菓子ブランドの例(実際に持ち込み実績あり)
- キットカット/ポッキー/トッポ/プリッツ
→ 加熱済みで動物成分なし、英語表記あり。 - ポテトチップス(カルビー・湖池屋)
→ 原材料は植物油と芋が中心。肉味系は避ける。 - カントリーマアム(チョコ味)
→ 量を少なくし、未開封状態で持ち込み。 - ハイチュウ・メントス・キャンディ類
→ 非動物性で保存安定。検査でも問題なし。
✈️ お菓子を安全に持ち込む5つのコツ
- 肉・乳・卵成分がないものを選ぶ
- 英語ラベル付き・未開封・商業包装
- 個人使用の範囲(10個以内)に抑える
- 冷蔵・冷凍が必要なものは避ける
- 税関申告書に“snacks / sweets”と正直に記入
これらを守ることで、ほとんどの旅行者はスムーズに入国できています。
空港で没収されないための実践チェックリスト

お菓子の持ち込みは量が少なくても、ルールを誤解して申告漏れや没収につながるケースが多いです。
ここでは、出発前から入国までの流れに沿って、失敗しないための実践チェックポイントを整理します。
🧳 1. 出発前のチェックリスト
| チェック項目 | 内容 |
|---|---|
| ✅ 商業包装・未開封か? | 手作り・開封済みは没収対象。袋菓子・箱入り製品ならOK。 |
| ✅ 英語で成分が表記されているか? | “Beef”“Pork”“Milk”“Egg”など動物成分がないか確認。 |
| ✅ 肉・乳・卵を含まないか? | 味や香料に動物性エキスが含まれていないことを確認。 |
| ✅ 冷蔵・冷凍が不要か? | 要冷蔵スイーツは不可。常温保存できるもののみ。 |
| ✅ 個人使用の範囲か? | 大量(箱買いなど)は商用扱いされる可能性あり。 |
💡 ワンポイント:
不安な成分がある場合は、製品名+“ingredients”で検索すると英語成分表を確認できます。
🧾 2. 到着時の申告・検査ポイント
税関申告書(Customs Declaration Form)では、「Are you bringing food?(食品を持ち込んでいますか?)」の質問にYESをチェック。
その上で、係員に簡単にこう伝えるとスムーズです:
“Only snacks and sweets, no meat or dairy.”
(スナックとお菓子だけで、肉や乳製品はありません)
英語で説明できるようにしておくと、内容確認が一瞬で終わります。
🛃 3. 検査時に止められやすいケース
- 成分表が日本語のみで内容がわからない
- チーズ・バター・ミルク・エッグを含むお菓子
- 「チキン味」「ビーフ味」などのスナック
- 手作り・包装なしのもの
- 量が多く販売目的と誤解される場合
上記は**“安全でも説明できないと没収”**になるケースが多いです。
📦 4. 没収を避けるためのパッキング方法
- お菓子は1つの袋・箱にまとめてスーツケースに入れる
- **液体・クリーム類(プリン・ジャムなど)**は避ける
- 手荷物ではなく預け荷物に入れる方が安全
- 成分表を上に向けておくと検査時に説明しやすい
💡 5. もし没収された場合の対応
没収は違反というより**「衛生上の破棄」扱い**なので、罰金やトラブルになることは稀です。
ただし、未申告だった場合のみペナルティが発生します。
- 没収時はその場で破棄(返却不可)
- 担当官の指示に従えば問題なし
- 今後の入国に影響することもほぼなし
まとめ|フィリピンでお菓子を安全に持ち込むために覚えておくこと

フィリピン入国時にお菓子を持ち込む際は、
- 市販
- 未開封
- 非動物性
の3条件を守ることが最重要です。
見た目が普通のお菓子でも、乳製品や肉エキスを含むものは没収対象になるため、成分チェックは必須です。
✅ お菓子持ち込みルールの要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申告の必要性 | 税関申告書で「食品あり(YES)」を選ぶ |
| 禁止対象 | 肉・乳・卵・果物・未包装・手作り品 |
| 安全なお菓子例 | チョコ、せんべい、ポテチ、グミ、キャンディ |
| 英語表記の重要性 | 成分確認ができるため検疫通過率が上がる |
| 個人使用の目安 | 10個前後、販売目的でないことが前提 |
| 没収時の対応 | 罰金なし、破棄のみ。未申告時はペナルティあり |
💬 よくある質問(FAQ)
Q1. チョコレートは持ち込めますか?
加熱済みの市販チョコレート(キットカット、ポッキーなど)は問題ありません。
ただし、生チョコ・トリュフ・クリーム入りは乳製品が多く没収の可能性があります。
Q2. クッキーや焼き菓子は?
市販で密閉包装され、英語ラベル付きなら持ち込み可能です。
ただし、手作りクッキーやクリームサンド系は避けた方が安全です。
Q3. グミやキャンディは?
動物成分を含まない市販製品であれば問題なし。
メントス・ハイチュウなどは実際に多くの旅行者が持ち込んでいます。
Q4. 税関で止められた場合はどうすれば?
冷静に「It’s only snacks, no meat or dairy.」と説明し、検査官の指示に従いましょう。
禁止品であっても破棄されるだけで、罰金はほとんどありません。
Q5. 安全に持ち込みたいならどうすれば?
- 肉・乳・卵成分なし
- 商業包装・未開封
- 英語成分表付き
- 少量(個人使用)
この4条件を守れば、ほぼ問題なく入国できます。
✈️ 最後に
フィリピンでは衛生・感染症対策のため、食品検疫が年々厳しくなっています。
しかし、ルールを理解して正しく申告すれば、お菓子の持ち込みは難しくありません。
旅行やお土産を楽しむためにも、出発前に成分表を確認し、安心して入国できる準備を整えましょう。

