フィリピンに食品を持っていく場合、加工食品の数量制限と、動植物・水産物の検疫を分けて考える必要があります。肉や乳成分が入っているという理由だけで全食品を一律に禁止・許可とすることはできません。
この記事は、日本から渡航する個人の携帯食品について、分類ごとの確認方法をまとめたものです。公式資料確認日:2026年9月19日。食品以外も含めた手続は持ち込み禁止・制限品の総合ガイドを参照してください。
加工食品10kgは、FDAの許可免除枠

DOH/FDA・税関の個人使用向け合同通達では、個人用の加工食品(調理済み食品を含む)は合計10kgまで、FDAの事前許可を不要とする扱いです。上限は商品ごとではなく、加工食品という区分の合計です。
例えば菓子2kgと加工食品3kgなら合計5kgとして把握します。ただし、重量枠内であることは、肉類・植物・水産物の検疫、原産国別の禁止措置、税関申告や納税まで免除する意味ではありません。販売目的の食品にも、そのままこの個人用の扱いを適用できません。
食品の分類別に確認すること

| 食品の種類 | 確認する条件 | 主な確認先 |
|---|---|---|
| 市販の菓子・加工食品 | 個人用途、食品区分の合計重量、原材料、加工状態。他の検疫対象が含まれるか | FDA・税関。原材料によりBAI・BPI等 |
| 生肉・冷凍肉 | BAIのSPS輸入許可、原産地や衛生に関する書類、原産国別の輸入停止措置 | BAI(動物産業局) |
| 肉缶詰・加工肉・肉入り食品 | 完全加熱か、未加熱の加工品か、原産国の疾病状況。加熱済みでも無条件ではない | BAI・FDA・税関 |
| 生の果物・野菜、種子・苗 | 品目と原産国が輸入対象か、個人用の植物検疫許可(PQC)等が必要か | BPI/NPQSD(植物検疫部門) |
| 生鮮・冷蔵・冷凍の魚介類 | 水産物としての事前許可・検査、品目や原産地の条件 | BFAR(水産資源局) |
| 市販のミルクチョコ・クッキーなど | まず個人用加工食品の合計10kg枠で確認。乳・卵を原材料に含むだけで一律禁止としない | FDA。肉入り等は別規制も確認 |
| 生乳・卵や乳製品をそのまま持参 | 菓子中の乳・卵と分け、品目・加工・保存状態に対応する条件を確認 | BAI・FDA等の品目所管機関 |
所管機関は税関の品目別案内、生鮮食品の事前承認は上記合同通達を参照しています。この表は「持込可」の商品リストではなく、確認すべき条件を分類したものです。
肉類は、加熱状態と原産国で扱いが変わる

BAIの個人・非商用の肉類持込案内は、次の3区分を設けています。
- 完全に加熱処理された加工肉・缶詰:対象となる越境性動物疾病のない国からの品について、SPS輸入許可が不要となる区分があります。疾病の影響を受ける国からの肉類には没収・処分の案内があります。
- 塩漬け・燻製・マリネなど未加熱の加工肉:疾病のない国という条件のほか、原産地を示す証明書類と1人10kgまでという条件が記載されています。燻製や塩漬けだけで完全加熱と判断しないでください。
- 生肉・冷凍肉など未加工の肉:数量にかかわらずSPS輸入許可が必要とされ、原産地等の書類も確認対象です。
ここでの「SPS輸入許可が不要」は、FDAの数量制限や税関手続も不要という意味ではありません。日本で買った商品でも、肉の原産国や製造国が日本とは限りません。国名だけでなく、畜種・加工状態・最新の輸入停止措置を照合してください。
カップ麺、レトルトカレー、肉味スナックは?
商品名の「チキン味」「ビーフ味」だけでは、肉や肉エキスを含むか、規制上どの食品に分類されるかを判断できません。原材料欄で肉・エキス・動物性油脂などを確認し、該当する場合は商品の写真、原産国、加工方法を添えてBAIへ照会します。包装済み・少量という理由だけで許可が不要になるとは限りません。
果物・野菜・ナッツ・ドライフルーツ

生の果物や野菜、種子・苗は植物検疫の対象です。BPI/NPQSDの輸入案内では、個人用途のPQCと商用のSPSICを区別し、品目・原産国・加工の程度で必要な条件を判断しています。
りんごを数個だけ、土産の種子を1袋だけといった少量でも、許可の要否を省略できるとは考えないでください。必要な書類を準備できない場合は、現地で買う方が計画しやすくなります。
ドライフルーツやナッツは、生の状態、乾燥、焙煎、糖漬けなどで加工の程度が異なります。袋に「Dried」「Roasted」とあることだけを、輸入許可の証明として扱うことはできません。未加工品と菓子に加工された製品を区別して確認します。
乳・卵入り食品と市販のお菓子
市販のミルクチョコや焼き菓子は、まず個人用の加工食品の合計10kg枠で確認します。FDAの食品分類資料でも、ミルクチョコレートやクッキーは菓子・ベーカリー製品に含まれています。今回確認した合同通達と食品分類資料には、乳・卵を原材料に含むという理由だけで、これらの市販菓子を一律に禁止する規定はありません。
一方、牛乳や生卵をそのまま持つ場合、肉入りの食品、未加工の植物などは別に確認します。一般的な乳・卵入り菓子へ、肉製品向けの規制をそのまま当てはめないでください。商品名・原材料・製造国・総重量を確認する手順は市販のお菓子の持ち込みガイドにまとめています。
食品を持っていくときの準備と申告

- 買う前に食品を分類する。肉、植物、水産物、加工菓子のどれに当たるか整理します。
- 原材料・製造国・重量を記録する。商品パッケージとメーカーの商品情報を保存し、食品の合計重量を計算します。
- 必要な許可は出発前に取得する。当局へ照会するときは、写真、渡航日、数量、用途をまとめて伝えます。
- 元の包装を残す。成分や製造者を説明しやすくするためです。未開封なら必ず許可されるという意味ではありません。
- eTravelの税関申告で食品等の該当項目に正確に回答する。内容が判断できない場合は到着時にも食品を示して係員へ申し出ます。
現在の荷物申告手順は税関の旅客ガイドで確認できます。英語での説明には「I am carrying packaged food for personal consumption. Here are the ingredients.(個人用の包装食品を持っています。これが原材料です)」のように、実際の内容に合う言い方を使えます。
検査で保留になったら、どの食品のどの条件が問題なのか、返送・廃棄など何の手続になるのかを確認します。申告した食品でも、必要な許可がなければ輸入できない場合があります。没収だけで罰金はないと決めつけないでください。
よくある質問

肉製品はすべて持ち込み禁止ですか?
すべてが同じ扱いではありません。BAIは加熱状態・原産国・数量等で区分しています。旅行者が条件を確認せず持ち込んでよいという意味ではないため、該当区分と必要書類を先に確認します。
10kg以下なら食品は申告不要ですか?
いいえ。10kgは加工食品についてFDAの事前許可を免除する数量の基準であり、税関申告や他の検疫条件とは別です。
手作り・開封済み食品は必ず没収されますか?
包装状態だけで全品の結果を断定できません。ただし、原材料・加工状態・製造元を説明しにくくなります。手続が不明な食品を土産に選ばず、条件を確認できる品にするのが現実的です。
液体食品を預け荷物に入れればよいですか?
航空機の液体物制限と輸入・検疫は別です。預け荷物でもフィリピンの食品条件は変わりません。機内に持つ場合の条件は国土交通省の案内と利用する航空会社で確認してください。
更新内容:肉製品や乳・卵入り食品の一律禁止表現、出典のない没収・通過の体験例を削除し、公式資料に基づく食品分類と手続に改めました。

