フィリピンは美しい海や南国の雰囲気で人気の観光地ですが、地域によっては治安が不安定な場所もあります。特にマニラやセブの一部、そしてミンダナオ島の西部では、スリや詐欺、誘拐などの事件が報告されています。この記事では、フィリピンで治安が悪いとされる地域や、旅行者が注意すべき危険エリアを詳しく紹介。
フィリピンの治安の現状とは?

フィリピンは、美しい自然やリゾート地で人気の観光国ですが、地域によって治安の差が非常に大きい国でもあります。
安全な場所では問題なく旅行できますが、一部地域ではテロ・誘拐・軽犯罪などのリスクが存在します。
ここでは、フィリピン全体の治安状況をわかりやすく解説します。
🔹 都市部の治安:スリや詐欺に注意
マニラやセブ、ダバオといった主要都市では、観光客を狙った軽犯罪が多発しています。
特にマニラのトンド地区・キアポ地区・エルミタ地区、セブのコロン通り周辺は治安が悪いとされるエリアです。
昼間は人通りが多く比較的安全ですが、夜になるとスリ・置き引き・ぼったくりタクシーなどのトラブルが増加します。貴重品を見せない、スマホを手に持って歩かないなど、基本的な防犯意識が重要です。
🔹 地方の治安:ミンダナオ島では渡航注意
一方で、ミンダナオ島の西部や南部では、依然として武装勢力やテロ組織の活動が報告されています。
外務省はサンボアンガ地方やスールー諸島周辺を「渡航中止勧告(危険レベル3〜4)」に指定しており、旅行目的で訪れることは極めて危険です。
また、北部のマラウィ市やコタバト周辺でも、過去に大規模な戦闘が起きた経緯があり、現在も治安が安定していない地域があります。
🔹 地域別の安全度まとめ
以下の表は、地域ごとの治安傾向を簡単にまとめたものです。旅行計画の参考にしてください。
| 地域 | 治安傾向 | 注意ポイント |
|---|---|---|
| マニラ首都圏 | 軽犯罪が多い | トンド・キアポ・エルミタ地区は夜間注意 |
| セブ島・ボホール島 | 比較的安全 | コロン通り・ナイトマーケット周辺に注意 |
| ミンダナオ島西部 | 危険度が非常に高い | テロ・誘拐事件のリスクあり |
| 北部ルソン島(バギオなど) | 治安は安定 | 夜間の外出を控える程度でOK |
🔹 治安情報を確認して安全な旅行を
フィリピン全体が危険というわけではありません。安全なエリアを選び、最新の渡航情報を確認しながら行動すれば、十分に安全に旅行できます。
外務省の「海外安全情報」や在フィリピン日本大使館の発表をチェックし、万一に備えて海外旅行保険や現地SIMの準備も忘れないようにしましょう。
治安が悪い都市ランキングTOP5

フィリピンは地域によって治安の差が非常に大きく、中には旅行者が立ち入らないほうが良い危険地域も存在します。
ここでは、実際に犯罪発生率が高い・テロや誘拐のリスクがあるなど、「行ってはいけない」とされる都市・地域をランキング形式で紹介します。
🥇 第1位:サンボアンガ地方(ミンダナオ西部)

フィリピンで最も危険とされる地域が、**サンボアンガ地方(Zamboanga Peninsula)**です。
この地域は長年、イスラム系武装勢力やテロ組織の拠点のひとつとされており、外国人を狙った誘拐事件や爆発事件が過去に繰り返し発生しています。
🔸 発生している主な事件・リスク
- 外国人・現地人を問わず誘拐・身代金要求が発生
- 政府施設・市場などで爆発事件が起きた事例あり
- 一部地域では警察・軍の統制が行き届いていない
🔸 旅行者が特に注意すべきポイント
- 外務省が「渡航中止勧告(危険レベル3〜4)」を発令中
- 一般観光客は立ち入り禁止と考えるべき
- 地元住民でさえ夜間外出を控えるほどの危険度
💬 ポイント:
観光目的での訪問は絶対に避けましょう。政府やメディア関係者など、特別な理由がない限りは近づかないのが賢明です。

🥈 第2位:マラウィ市・コタバト周辺(ミンダナオ北部・中部)

マラウィ市(Marawi)は、2017年に武装勢力が市街地を占拠し、戦闘状態となったことで世界的に知られました。
現在は復興が進んでいるものの、治安は完全には安定していません。
また、隣接するコタバト市やその周辺も、同様にテロ活動の報告が続いています。
🔸 発生している主な事件・リスク
- 武装勢力による散発的な銃撃・襲撃事件
- 誘拐・爆破テロなどのリスクが依然として存在
- 地方政府による管理が十分でないエリアもあり
🔸 旅行者が特に注意すべきポイント
- 治安当局の取り締まりが厳しく、観光目的の立ち入りは事実上不可
- 紛争地跡を見に行くなどの行動は極めて危険
- 周辺道路も夜間は通行禁止区域がある
💬 ポイント:
治安回復が進んでいるという情報もありますが、現地では未だ危険が潜んでおり、旅行者が訪れるべき場所ではありません。

🥉 第3位:マニラ首都圏(トンド・キアポ・エルミタ地区など)

首都マニラは経済や観光の中心地でありながら、地区ごとの治安格差が非常に大きい都市です。
特にトンド地区・キアポ地区・エルミタ地区は、スラム化が進み、貧困層が多く暮らしています。
🔸 発生している主な事件・リスク
- スリ・置き引き・ひったくりが日常的に発生
- 旅行者を狙った偽警官詐欺・両替トラブルも多数
- 夜間はストリートチルドレンや物乞いを装った窃盗も発生
🔸 旅行者が特に注意すべきポイント
- 人通りの少ない路地・裏通りは避ける
- 高価な持ち物(時計・スマホ・ブランドバッグ)を見せない
- 移動は必ずGrabなどの公式配車アプリを利用する
💬 ポイント:
マニラは危険な地域もありますが、マカティ・BGC・オルティガスなどの新興エリアは安全性が高いため、宿泊場所の選定がカギです。

🏅 第4位:セブ市中心部(コロン通り・ナイトマーケット周辺)

南部ビサヤ地域の中心都市セブも、観光地として人気が高い一方で、市街地中心部の一部には治安の悪い場所が存在します。
特に**コロン通り(Colon Street)**やナイトマーケット周辺は、現地の人も警戒するエリアです。
🔸 発生している主な事件・リスク
- スリ・ぼったくり・置き引きなどの軽犯罪
- 観光客を狙ったタクシー詐欺・客引きトラブル
- 夜間には薬物や売春をめぐるトラブルも報告
🔸 旅行者が特に注意すべきポイント
- コロン周辺では夜間の徒歩移動を避ける
- 信頼できるホテルやモールエリアに滞在
- 人気のない路地やマーケット裏は立ち入らない
💬 ポイント:
昼間の観光は比較的安全ですが、夜は雰囲気が一変します。明るく人通りの多い通りを選び、荷物やスマホを常に体の前で持つなどの防犯を徹底しましょう。

🎖 第5位:アンヘレス(パンパンガ州・歓楽街エリア)

アンヘレス市(Angeles City)は、かつて米軍基地があった影響で、ナイトライフ文化が発展した街です。
しかし現在も歓楽街を中心とした犯罪・詐欺・金銭トラブルが後を絶ちません。
🔸 発生している主な事件・リスク
- ぼったくりバー・偽ガイド・薬物誘いのトラブル
- 外国人観光客を狙った恐喝・スリ・詐欺
- 過度な飲酒によるトラブル・暴力事件も
🔸 旅行者が特に注意すべきポイント
- 無許可のガイドや客引きには絶対に応じない
- 夜間の単独行動・バー通いは避ける
- 貴重品はホテルのセーフティボックスに保管
💬 ポイント:
アンヘレスには安全に楽しめる観光スポットもありますが、歓楽街エリアはトラブルが集中する場所です。興味本位で立ち入るのは控えた方が無難です。
旅行者が狙われやすい犯罪と手口

フィリピンでは、外国人旅行者を狙った犯罪が多く報告されています。凶悪犯罪は限定的ですが、スリや詐欺、ぼったくりなど、観光客を狙った軽犯罪が非常に多いのが特徴です。
ここでは、特に被害報告が多い代表的な犯罪と、その手口を紹介します。
🔹 スリ・置き引き(Pickpocket / Theft)
【手口】
人が多く集まるショッピングモール、LRT・MRT(電車)、マーケット、ジプニー(乗合バス)などで、背後やポケットから財布やスマホを抜き取る手口。
犯人はチームで動くことが多く、1人がぶつかって注意を逸らした隙に、もう1人が盗み取るというケースが典型です。
【対策】
- 貴重品は前ポケットやウエストポーチに入れる
- リュックは前に抱える
- 人混みの中ではスマホを出さない
🔹 タクシー詐欺・過剰請求(Taxi Scam)
【手口】
メーターを使わずに高額を請求したり、遠回りして料金を上げる手口で、中には目的地に到着後に料金を倍額請求する悪質ドライバーも存在します。
特に空港や繁華街(マカティ、エルミタ)周辺で多発。
【対策】
- Grabなどの配車アプリを利用する
- メーターが動いていないタクシーには乗らない
- 「Fixed price(定額)」と言われた場合は断る
🔹 偽警官・職員を装った詐欺(Fake Police Scam)
【手口】
制服やバッジを身につけた偽の警官・税関職員が近づき、「身分証を見せろ」「薬物検査をする」などと理由をつけて現金やパスポートを奪う手口。
実際には本物の警察ではないケースがほとんどです。
【対策】
- 身分証の提示を求められたら必ず警察署の同行を要求
- その場で財布を見せない・所持金を渡さない
- 不審な人物には毅然と対応し、立ち去る勇気を持つ
🔹 ナイトクラブ・歓楽街でのトラブル(Overcharge / Drink Scam)
【手口】
歓楽街やバーで勧誘を受け、飲食後に法外な料金を請求されるぼったくりバー被害が多発。
また、知らない人から勧められた飲み物に薬物を混入される「ドリンクスキャン」も報告されています。
【対策】
- 客引きには絶対について行かない
- 飲み物は自分の目の届く範囲で注文・受け取る
- 不明瞭な料金設定のバー・クラブは避ける
🔹 両替トラブル・偽札詐欺(Money Exchange Scam)
【手口】
街中の非公式両替所で、レートを偽装したり、偽札を混ぜる詐欺で、「手数料なし」「特別レート」と言われて近づくケースが多いのが特徴。
【対策】
- 銀行や公式両替所(Mall内など)でのみ両替
- 受け取った紙幣をその場で確認
- 千ペソ札など高額紙幣の扱いには特に注意
🔹 ぼったくり・不当請求(Overcharge / Tourist Trap)
【手口】
タクシー・ツアーガイド・お土産店などで、観光客価格として不当な金額を請求されるケース。
特にセブやボラカイの観光地では「知らないうちに高額請求」が起きやすい。
【対策】
- 「No thank you」とはっきり断る
- 料金は事前に確認・交渉する
- チケットやレシートを必ずもらう

安全に滞在するための注意点

フィリピンは、地域と行動次第で安全に旅行を楽しめる国です。危険な場所を避け、正しい知識と行動を心がければ、トラブルに巻き込まれる確率は大幅に下がります。
ここでは、滞在中に注意すべきポイントをカテゴリ別にまとめました。
🔹 基本の心構え:危険を「予防する」意識を持つ
🔸 情報収集を怠らない
旅行前に、外務省「海外安全情報」や在フィリピン日本大使館の発表をチェックし、最新の治安状況や注意喚起情報を確認しましょう。
また、SNSや現地ニュースからもリアルタイムの治安変化を把握することが重要です。
🔸 夜間行動を控える
夜は街灯が少なく、人通りも減るため、スリや強盗のリスクが高まります。
22時以降の外出は控え、昼間に行動を済ませるのが安全です。
🔹 宿泊時の注意点:安全なホテルを選ぶ
🔸 立地と口コミを確認
宿泊先は、マカティ・BGC・オルティガス・セブITパークなど、外国人にも人気で警備がしっかりしているエリアを選びましょう。
安いゲストハウスや裏通りの宿は、盗難・侵入被害が発生しやすい傾向があります。
🔸 貴重品の管理を徹底
- パスポート・現金・カードはセーフティボックスへ
- 室内に置きっぱなしにせず、外出時は鍵を二重確認
- 不審なノックや電話には応じず、フロントを通す
🔹 移動中の注意点:安全な交通手段を使う
🔸 タクシーは「Grab」一択
メーター不使用や遠回りなどの被害を防ぐため、**Grab(配車アプリ)**を利用しましょう。
運転手の情報・料金が事前に表示されるため、ぼったくりの心配がありません。
🔸 公共交通機関は慎重に
ジプニーやトライシクルは安価ですが、スリ・置き引きの多発地帯でもあります。
現地に慣れていない旅行者は利用を避け、ホテル手配の送迎車やツアー車両を使うのが安全です。
🔹 外出時の注意点:見せない・持たない・立ち止まらない
🔸 高価な持ち物を見せない
腕時計・ネックレス・ブランドバッグなどは狙われる原因になります。
スマホも常に手に持たず、必要なときだけ取り出すようにしましょう。
🔸 現金は必要最低限
財布に大金を入れず、一部は分散して持つのが鉄則。
カードも1枚だけ携帯し、予備はホテルの金庫に保管します。
🔸 知らない人に話しかけられても立ち止まらない
「Where are you from?」「日本人?」などと話しかけてくる人は、客引きや詐欺の可能性が高いです。軽く会釈して立ち去るのがベストです。
🔹 緊急時の対応:困ったときの連絡先を把握しておく
🔸 主要連絡先一覧
| 種類 | 電話番号 | 備考 |
|---|---|---|
| 警察 | 117 または 911 | 緊急通報(英語対応) |
| 在フィリピン日本国大使館 | (02) 8551-5710 | 平日8:30〜17:15/マニラ |
| セブ日本領事事務所 | (032) 231-7321 | セブ島滞在者向け |
| 救急・消防 | 911 | 全国共通 |
| Grabサポート | アプリ内サポート | 配車トラブル時用 |
🔸 万一の被害時は
- まず安全な場所に避難し、現地警察へ通報
- クレジットカードや携帯を紛失した場合は即停止手続き
- 日本大使館や領事館にも連絡し、サポートを受ける
よくある質問(Q&A)

🔹 Q1. フィリピンは本当に危険な国ですか?
全土が危険というわけではありません。
観光地として人気のセブ島やボホール島、マニラのマカティ地区、ボニファシオ・グローバルシティ(BGC)などは、警備が整っており比較的安全に滞在できます。
ただし、マニラの一部下町(トンド・キアポなど)やミンダナオ島西部などは犯罪発生率が高く、外務省も渡航を控えるよう注意喚起を出しています。
**「行く場所を選べば安全」**というのが実際のところです。
🔹 Q2. 女性の一人旅でも大丈夫ですか?
可能ですが、夜間の外出と単独行動は避けるべきです。
日中の観光やモール内での買い物は比較的安全ですが、夜はスリ・声かけ・ぼったくり被害のリスクが上がります。
ホテルは警備体制がしっかりした中〜高級ホテルを選び、移動にはGrabを利用するのが安心です。
🔹 Q3. 現地の人は親切って聞くけど、信用していい?
基本的にフィリピン人は明るくフレンドリーですが、過度な親切心には注意が必要です。
「案内してあげる」「両替してあげる」と言われてついていくと、詐欺や金銭トラブルに発展することがあります。
本当に親切な人も多い一方で、観光客を狙った偽善的な声かけもあるため、知らない人について行かないことが原則です。
🔹 Q4. 治安が悪いエリアを歩いてしまったらどうすればいい?
立ち止まらず、人通りの多い方向へすぐに移動しましょう。
スマホを出して地図を確認するのも危険なので、近くのコンビニやファストフード店に入って安全を確保するのが最優先です。
夜間ならタクシーやGrabで移動し、できるだけその場に長居しないことが大切です。
🔹 Q5. 現地の警察を信用しても大丈夫?
基本的には問題ありませんが、一部に汚職警官も存在します。
正規の警察官か判断できない場合は、その場で現金を渡さず、警察署への同行を求めるのが安全です。
トラブル時は、在フィリピン日本大使館や領事館にも相談してください。
🔹 Q6. スリや詐欺に遭ってしまった場合は?
すぐに安全な場所へ避難し、警察へ通報しましょう。通報の際には「Passport」「Money」「Bag」など簡単な英語で状況を説明すれば対応してもらえます。
また、パスポートを盗まれた場合は日本大使館で再発行手続きが可能です。クレジットカードの紛失時は、カード会社に連絡して利用停止を依頼しましょう。
🔹 Q7. 現金とカード、どちらが安全?
現金は最低限、カード中心が安全です。
クレジットカードはホテルやレストランで広く使えますが、露店や交通機関では現金が必要です。ATM利用時は人通りの多い場所で行い、周囲に不審者がいないか必ず確認を。
複数の支払い手段を持ち、分散して管理するのが理想です。
🔹 Q8. 旅行保険には入ったほうがいい?
必須です。スリや盗難だけでなく、病気・ケガ・盗難時の再発行費用もカバーできます。
特にフィリピンでは医療費が高額になることもあるため、治療費+携行品補償が含まれる保険を選びましょう。
まとめ:危険を知れば、フィリピンはもっと安全に楽しめる
フィリピンは、美しい自然や温かい人々、活気ある街並みが魅力の国です。
しかし、地域によっては治安が悪い場所も存在し、軽犯罪や詐欺の被害が報告されています。
特にサンボアンガ地方やマラウィ市などのミンダナオ島の一部地域は、テロや誘拐のリスクが高く、観光で訪れるのは極めて危険です。
一方で、マカティ・BGC・セブITパーク・ボホール島などは警備体制が整い、観光客にも人気の安全なエリアです。
旅行を安全に楽しむためには、
- 夜間の外出を控える
- 危険地域には立ち入らない
- Grabなど安全な交通手段を利用する
- 貴重品を見せない・分散して管理する
この4つを徹底するだけでも、ほとんどのトラブルは防げます。
🌏 最後に
「治安が悪い」という情報だけにとらわれず、正しい知識を持って安全に旅を楽しむことが一番大切です。
危険なエリアを避け、安心して観光できる場所を選べば、フィリピンはきっとあなたにとって忘れられない思い出の国になるでしょう。
✨ 安全第一で、フィリピンの魅力を存分に楽しんでください!

