フィリピンを旅行する日本人がまず気になるのが「水道水は飲めるのか?」という疑問です。
日本と違い、フィリピンでは地域によって水質が大きく異なり、そのまま飲むとお腹を壊すケースも少なくありません。
この記事では、旅行者が安心して過ごすための「水の安全対策」「現地で買える飲料水ブランド」「知っておくと便利な水の知識」をわかりやすく解説します。
フィリピンの水事情

フィリピンの水道水は飲める?
結論から言うと、フィリピンの水道水は基本的に飲用には適していません。
一部の高級ホテルや新興住宅では浄水設備を備えていますが、国全体としてはまだ水道インフラが不安定な地域も多く、
配管の老朽化や貯水タンクの汚染などにより、細菌や不純物が混入するリスクがあります。
💧 日本との水質の違い(軟水・硬水について)
日本の水は「軟水」が主流で、口当たりがまろやかで胃腸に優しいのが特徴です。
一方、フィリピンの水は地域によって“中程度〜硬水寄り”の傾向があります。
これは、カルシウムやマグネシウムなどのミネラル成分が多く含まれているためで、初めて飲むと「少し苦い」「重たい」と感じる人も少なくありません。
硬水は飲み過ぎると一時的にお腹を下すこともあり、胃腸が敏感な人や子どもは特に注意が必要です。
そのため現地でも、硬度を調整した「飲料専用のボトルウォーター」を購入するのが一般的です。
| 項目 | 日本 | フィリピン |
|---|---|---|
| 主な水質 | 軟水 | 中硬水〜硬水 |
| 味の特徴 | まろやか・飲みやすい | ミネラルが強く少し硬め |
| 胃腸への影響 | 穏やか | 敏感な人は下すことも |
| 飲用の安全性 | 安全に飲める | 基本的に飲料不可(購入推奨) |
💡 ポイント:
シャワー後に肌や髪が少し“キシキシ”と感じるのも硬水が原因の一つです。
気になる人は「軟水化シャワーヘッド」を持参すると快適に過ごせます。
🌍 現地ではどうしてる?
現地のフィリピン人も、ほとんどがウォーターサーバーやボトルウォーターを購入して生活しています。
「飲料水は買うもの」という文化が根付いているため、旅行者も同様に対応するのが基本です。
フィリピンの水質事情と地域差

フィリピンは7,000以上の島々からなる島国で、地域によって水質・浄水環境・インフラ整備の進み具合が大きく異なります。
そのため、「場所によっては比較的安全」「場所によっては絶対に避けたい」など、対策の仕方も変わってきます。
以下では、主要エリア別に水の特徴をまとめます👇
🏙 マニラ首都圏(Metro Manila)
- 特徴: 水道整備が最も進んでいるエリア。
- 水質: 上水道の浄水処理は整っていますが、配管の老朽化によって家庭に届く水は必ずしも安全とは言えません。
- 注意点: 建物によっては貯水タンクに汚れや錆が混入することも。ホテルやコンドミニアムでは「飲料用は別途購入」が常識。
- アドバイス: 歯みがき・うがい程度なら問題ない場合もありますが、敏感な人はペットボトルの水推奨。
🌴 セブ島(Cebu)
- 特徴: 観光開発が進んでおり、水道設備も比較的整備済み。
- 水質: 都市部では安定していますが、ホテル以外の飲食店やローカル地域では水質のばらつきが大きい。
- 注意点: 屋台や小規模レストランで提供される氷や飲み物には要注意。
- アドバイス: コンビニで購入できる「Wilkins」「Nature’s Spring」などを常備しておくと安心。
🏖 ボラカイ島(Boracay)
- 特徴: 観光再開に伴いインフラが整備されつつある。
- 水質: 政府による環境規制で排水処理が改善しつつあるが、完全ではない。
- 注意点: 一部の安宿では貯水タンクを共有しているため、シャワー水の質に差が出ることも。
- アドバイス: 歯みがきや飲用水は市販のミネラルウォーターがベター。
🏡 ダバオ(Davao)
- 特徴: 「フィリピンで最も清潔な都市」と呼ばれるほどインフラ整備が進んでいる。
- 水質: 国内トップクラスの良好な水質。政府管理のダバオ・シティ・ウォーターダイストリクト(DCWD)の基準が高い。
- 注意点: 基本的には良好だが、飲料としてはボトルウォーターが無難。
- アドバイス: ローカルレストランでも比較的衛生的。
🏞 田舎・地方都市(ビサヤ地方・ミンダナオ地方など)
- 特徴: 水道設備が未整備または井戸水中心の地域も。
- 水質: 地域差が非常に大きく、濁りや臭いがある水も少なくない。
- 注意点: 特に井戸や簡易貯水設備を利用する宿泊施設では、絶対に飲まないこと。
- アドバイス: 長期滞在の場合は「ガロンボトル」契約または「Water Refill Station」の利用が必須。
🚨 注意:ホテルランクで水質は大きく変わる
同じ都市でも、宿泊するホテルや建物の設備レベルによって水質は全く違います。
- ★★★★〜★★★★★ホテル → 浄水フィルター・自家タンク管理済み(うがい程度はOK)
- ★★〜★★★ホテル → シャワー・洗面はOK、飲料はNG
- ローカル民宿/ゲストハウス → 飲料・歯みがきともにペットボトル水推奨
歯みがき・うがい・氷にも注意

短期滞在でも、「口に入る水」には細心の注意が必要です。
フィリピンの水道水は見た目がきれいでも、細菌や微量の不純物が含まれている場合があります。特に旅行中は慣れない水質で胃腸が敏感になっているため、歯みがきやうがいの水が原因でお腹を壊すケースも。
✔ 安全な歯みがき・うがいのコツ
- ペットボトルの水(ミネラルウォーター)をコップに注いで使う
- 洗面台にペットボトルを常備しておくと便利
- 子どもや敏感肌の人はさらに注意(うがい水も飲み込まない)
💡 ポイント:
朝や夜にホテルで無意識に水を口に含んでしまうことが多いため、「歯みがき用の専用ボトル」を用意しておくと安心です。
🧊 氷やドリンクにも注意!
屋台やローカル食堂で出される氷の多くは、水道水を凍らせただけのものです。
氷が原因で体調を崩す旅行者は意外と多く、特に「透明度が低く白っぽい氷」は未処理の水道水の可能性があります。
- レストランやカフェで注文する際は 「No ice, please(氷なしで)」 と伝えましょう。
- コンビニやチェーン店で提供される氷は比較的安全(製氷機が浄水対応のため)。
- 果物ジュースやスムージーも、氷入りは避けるのが無難です。
💬 旅行者の失敗例:
「アイスコーヒーなら大丈夫と思ったら、翌日お腹を壊した…」— というケースが本当に多いので、氷には油断しないように!
🚿 シャワーや洗顔で気をつけたいこと
シャワーや洗顔で肌に水が触れる程度なら問題ありませんが、口や鼻から水が入らないように注意が必要です。
特に、シャワー中に「うっかり水を飲み込んでしまった」というケースもよくあります。
✔ 注意すべきポイント
- シャワー時に口を開けないよう意識する
- 洗顔時はミネラルウォーターを軽くすすぎに使うと安心
- 目の粘膜が弱い人は、洗顔後に違和感を感じたらすぐ清潔な水で再度すすぐ
💡 補足:
地域によっては水に鉄分・カルシウムが多く含まれる「硬水」のため、長期滞在者の中には**「軟水化シャワーヘッド」**を日本から持参する人も多いです。
これにより髪のキシみや肌の乾燥を防げます。
🚰 洗濯・服の色落ちにも注意?
硬水地域では洗剤の泡立ちが悪く、白い服が黄ばみやすい傾向があります。
もし長期滞在する場合は、現地用の「硬水対応洗剤」を購入するとよいでしょう(SMモールなどで購入可)。
よくある質問(FAQ)
Q1. フィリピンの水道水は飲めますか?
→ 基本的に飲料には適していません。
浄水設備が整っているホテルでも、配管や貯水タンクの汚れが残っていることがあります。
現地の人もミネラルウォーターを購入しているため、旅行者も同様にペットボトル水を利用しましょう。
Q2. 日本とフィリピンの水質はどう違いますか?
→ 日本は「軟水」が中心で飲みやすく、胃腸に優しいのが特徴です。
フィリピンは地域によって「中硬水〜硬水」に近く、カルシウム・マグネシウムなどのミネラル分が多め。
そのため、慣れない人はお腹を壊したり、髪や肌が乾燥しやすくなることもあります。
Q3. 地域によって水の安全性は違いますか?
→ はい、かなり違います。
- マニラ:最も整備が進むが、建物によっては貯水汚染のリスクあり。
- セブ:観光地は比較的安全だが、屋台やローカル飲食店の氷には注意。
- ダバオ:国内トップクラスの水質。とはいえ飲料にはミネラルウォーターが無難。
- 地方都市:井戸水・タンク式が多く、飲用厳禁。
→ どの地域でも「飲む・うがい・氷」はボトルウォーターを徹底しましょう。
Q4. 歯みがきやうがいは水道水で大丈夫?
→ できればミネラルウォーターを使うのが安心です。
特に口をすすぐ際に少量でも飲み込むと、慣れていない人はお腹を壊すことがあります。
歯みがき用のペットボトルを洗面台に常備しておくのがおすすめです。
Q5. 氷やジュースの水は安全?
→ 屋台やローカルレストランの氷は水道水をそのまま使っている場合があります。
透明度が低い氷は特に注意。注文時に 「No ice, please(氷なしで)」 と伝えると安心です。
コンビニやチェーンカフェの氷は比較的安全です。
Q6. シャワーや洗顔は問題ない?
→ 体にかかる分には問題ありませんが、口に入れないように注意。
硬水地域では肌や髪が乾燥しやすいので、長期滞在者には「軟水化シャワーヘッド」がおすすめです。
また、洗顔後に違和感がある場合は、ペットボトル水ですすぐと安心。
Q7. 水が原因でお腹を壊したら?
→ 正露丸・ビオフェルミンなどの整腸剤を服用し、ミネラルウォーターで水分補給を。
症状が1〜2日以上続く場合は病院へ。旅行保険に加入していれば診察費用もカバーされます。
Q8. 長期滞在の場合はどうする?
→ 現地では「ガロンボトル(20L)」の配達契約が一般的です。
また、街中にある「Water Refill Station」で再充填してもらうと経済的で便利です。
Q9. 髪や肌への影響はある?
→ フィリピンの水は硬度が高く、髪のきしみ・肌の乾燥を感じる人もいます。
対策として、軟水シャワーヘッドや保湿ケア用品を使うと快適に過ごせます。
Q10. 飲料水のおすすめブランドは?
→ 「Wilkins」「Nature’s Spring」「Summit」「Absolute」などが定番。
スーパーやコンビニで手軽に購入できます。ホテルでもこれらのブランドが置かれている場合が多いです。

