フィリピンへの持ち込みで先に確認したいのは、輸入自体が禁止されるもの、許可や検疫が必要なもの、税関申告・納税が必要なものの違いです。食品・薬・現金は同じルールでは扱えません。また、日本の空港で飛行機に載せられることと、フィリピンへ輸入できることも別です。
この記事では、日本から観光などで渡航する個人の携帯品を中心に、確認する制度と準備するものを整理します。公式資料確認日:2026年9月19日。原産国別の輸入停止措置などは変わるため、該当する品目は出発前にも所管機関の案内を確認してください。
持ち込み禁止・制限品は4つの区分で考える

| 区分 | 主な例 | 旅行者がすること |
|---|---|---|
| 法律で輸入が禁止される品 | 偽造品、法令上のわいせつ物、不正表示・不良の食品や薬など | 荷物に入れない。申告や納税で禁止が解除されるわけではない |
| 許可等の条件がある品 | 銃器・弾薬、規制対象の薬、動植物や一部食品 | 所管機関の必要条件を出発前に満たす |
| 申告・税額の確認が必要な品 | 基準を超える外貨、酒・たばこ、高額品や販売用商品 | 用途・数量・価格を把握し、該当する申告をする |
| 航空保安・航空会社の制限品 | 液体物、刃物、電池を使う機器など | 機内持込と預け荷物の条件を別に確認する |
輸入の基本区分は関税近代化・関税法(CMTA)第117〜119条に基づきます。以下は代表例であり、禁止品の全件一覧ではありません。
一般旅行者が持ち込まないもの

- 違法薬物:渡航前の国で合法でも、フィリピンの規制は別です。医療用の規制薬は自己判断せず、下記の医薬品の手続を確認します。
- 必要な許可のない銃器・弾薬・爆発物:許可の制度がある品を含むため、すべてを「どんな場合も禁止」と一括りにはできません。土産用の模造品も航空会社と税関の取扱いを別々に確認します。
- 偽ブランドなどの偽造品:個人のお土産でも、偽物と知っている品は選ばないでください。
- 法令上禁止されるわいせつ物や扇動的な資料:CMTAは対象を規定しています。一般の政治関連書籍やスマートフォン内のデータを、一律に禁止品と断定することはできません。
品目区分と所管機関はフィリピン税関の到着旅客向け案内で確認できます。
現金は「ペソ」と「外貨」で条件が違う

| 種類 | 基準と必要な対応 |
|---|---|
| フィリピン・ペソ | 1人50,000ペソまで。超える場合はBSPの事前書面許可と全額の通貨申告が必要。ただし事前許可の対象は通貨収集・機械試験・通貨啓発などに限られ、通常の観光費用のために超過できる制度ではない |
| 日本円・米ドルなどの外貨 | 合計で10,000米ドル相当を超える場合に、通貨申告書(CDF)で全額を申告。外貨建ての所定の無記名支払手段等も対象 |
基準ちょうどと、基準を超える場合を区別しましょう。例えば日本円と米ドルを両方持つ場合は外貨を合計して判断します。ペソと外貨をひとつの「申告すれば持ち込める枠」にまとめないでください。出典:BSPの通貨持出入FAQ(2026年3月、Q1・Q2・Q8)。
薬は商品名だけでなく成分・処方・量を確認する

常用薬は元の容器や包装を残し、一般名、用量、使用日数が分かる処方箋と、必要に応じて医師の説明書を用意します。英語で確認できる資料があると、薬の内容を説明しやすくなります。
個人使用向けFDA規制品の合同通達では、処方薬の量は処方箋に記載された量に対応し、医師の登録番号等を記載する扱いです。すべての処方薬に一律の「1か月まで」を当てはめないでください。
同通達では、一般用医薬品(OTC薬)のFDA事前許可免除は合計50gとされています。これはOTC薬の区分の数量であり、処方薬を含むすべての医薬品に共通する上限ではありません。量を超える場合や区分が不明な場合は、渡航前にFDAへ必要な手続を照会します。
麻薬・向精神薬などフィリピンで規制される成分が含まれる場合は、一般の処方薬とは別の確認が必要です。DDB規則第35条は医師の書簡、処方箋、適切に表示された元の容器を挙げ、30日分を超える対象薬について母国当局とPDEAの承認を規定しています。第35条第4項では、30日分を超える規制薬のPDEA承認は、フィリピン到着の30営業日前までに書面で申請し、医師の説明書・薬の販売名と一般名・母国等の権限当局の承認書を添える扱いです。必要な治療薬を自己判断で中止せず、成分名・量・渡航日を伝えて、余裕を持って準備してください。
食品・動植物は検疫と数量制限を分けて確認する

個人用の加工食品には合計10kgまでのFDA許可免除枠があります。これは「10個まで」でも「10kg以下なら何でも可」でもありません。肉類は加熱状態や原産国の疾病状況、果物・野菜は品目や原産地によって別の検疫条件がかかります。
分類ごとの確認は食品の持ち込みルール、市販のお菓子の成分・包装の確認はお菓子の持ち込みガイドで詳しく整理しています。ペットや植物を持つ場合も、食品の免除枠とは別にBAI・BPIの手続が必要です。
酒・たばこは「許可の免除」と「免税」が別
税関の案内では、個人用の酒についてFDA許可を不要とする数量は2本、合計1.5Lまでです。一方、税の免除については2本・合計価格10,000ペソまでという別の条件が示されています。どちらか片方だけを満たせばよいわけではありません。
紙巻きたばこの免税案内は2カートン、または葉巻50本、またはパイプたばこ250gです。電子たばこは別区分で、機器や電池の航空会社ルールも確認します。出典:税関の到着旅客向け案内と個人使用向け合同通達。超過品は単に追加料金を払えば持ち込めると考えず、必要な許可・税額を出発前に確認してください。
日本の空港での液体物制限は、入国時の検疫とは別
日本発国際線の一般的な液体物は、100ml以下の容器を容量1L以下の再封可能な透明袋に入れ、1人1袋までという機内持込条件があります。医薬品・乳幼児用の食品などには例外があり、免税店購入品や乗継ぎにも別の条件があります。出典:国土交通省の液体物案内。
預け荷物に移すことで航空保安上の条件を満たせても、輸入禁止や検疫条件は変わりません。電子機器も「PCが2台なら商用」のような固定台数だけで判断せず、用途や数量を正確に説明できるようにします。
出発前と到着時のチェックリスト

- 品名・成分・数量・価格・原産国を整理する。包装、購入明細、処方箋を必要に応じて保管します。
- 許可が必要なものは出発前に手配する。税関への申告は、検疫証明や輸入許可の代わりにはなりません。
- 公式のeTravelで荷物・通貨の該当項目を申告する。登録・申告の案内は税関の2026年旅客ガイドを参照してください。
- 到着時は申告内容に沿って係員の案内を受ける。不明な品は検査を避けようとせず、商品と書類を示して尋ねます。
検査で保留になった場合は、対象品と必要な手続を確認してください。没収・廃棄だけで終わる、申告済みなら罰則はない、と一律には言えません。処分や納税が発生した場合は、内容が分かる正式な書類を受け取りましょう。
よくある質問
申告すれば禁止品も持ち込めますか?
いいえ。税関申告、輸入許可、検疫、納税は別の手続です。輸入が禁止される品や、必要な許可を得ていない品は、申告だけでは持ち込めません。
市販薬なら何でも大丈夫ですか?
日本で市販されていることだけでは判断できません。商品名に加えて成分の一般名と携帯量を確認し、規制薬に該当するかをFDA・PDEAへ照会するのが確実です。
お菓子を10袋なら持ち込めますか?
袋数だけでは判断できません。加工食品のFDA許可免除は合計重量で定められており、原材料や他の検疫条件も別に確認します。
更新内容:食品・薬の一律禁止表現、通貨の申告条件、酒の容量と免税の説明を見直し、根拠となる公式資料を追加しました。

