ィリピン旅行では、1ペソ・5ペソ・10ペソなどの硬貨を使う機会がとても多くあります。紙幣とは違い、金額の見分け方や使われ方に少しコツが必要です。
この記事では、フィリピンの硬貨の種類・デザイン・見分け方・使い方・マナーまで初心者にもわかりやすく解説します。
はじめに:フィリピンの硬貨とは?

フィリピンでは、紙幣と同じように硬貨(コイン)も日常的に使われています。
日本と違って、フィリピンでは小額の支払いでもお釣りとして硬貨が多く出るため、旅行者にとっても意外と重要な存在です。
1ペソから10ペソまでの硬貨が主に使われており、1ペソ未満の小さい単位(センタボ)も正式には存在しますが、実際の生活ではほとんど使われていません。
硬貨のデザインは2018年から新しくなっており、「ニュー・ジェネレーション・カレンシー・コイン(NGCシリーズ)」が現在の主流です。
色も形も統一感のあるデザインに変わったため、以前よりスタイリッシュになっていますが、見た目が似ていて間違えやすいという声も多く聞かれます。
フィリピンの硬貨の種類とデザイン一覧

ここでは、旅行者が目にする全6種類の硬貨を紹介します。
それぞれの特徴・色・デザイン・使い道をしっかり把握しておきましょう。
🟡 10ペソ硬貨(₱10)
- 色・素材:金と銀のツートンカラー(金属の2色構成)
- 大きさ:直径約27mm(やや大きめ)
- 表面のデザイン:アポリナリオ・マビニ(フィリピンの英雄)
- 裏面のデザイン:バタンガス港と国章
🔸 特徴と使い道
10ペソ硬貨は、最も価値の高い硬貨で、旅行者が最もよく使うコインです。
タクシーやコンビニ、屋台、カフェなどでよく使われ、「紙幣を出すほどでもない支払い」にピッタリ。
特にローカル交通(ジプニーなど)では、10ペソがちょうどいい運賃になることも多いため、常に数枚持っておくと便利です。
手触りがしっかりしていて重みもあるので、慣れればすぐにわかるようになります。
🟠 5ペソ硬貨(₱5)
- 色・素材:金色(単色)
- 大きさ:直径約25mm(10ペソより少し小さい)
- 表面のデザイン:アンドレス・ボニファシオ(独立革命の英雄)
- 裏面のデザイン:タリマイ(Talimay)という魚と国章
🔸 特徴と使い道
5ペソ硬貨は10ペソに次いで使用頻度が高いコインです。
屋台・カフェ・スーパーマーケットなど、日常のちょっとした支払いで頻繁に登場します。
ただし注意点として、旧デザイン(銀色の5ペソ)と新デザイン(金色の5ペソ)が混在している場合があります。
新しい金色の5ペソは見た目が10ペソに似ており、慣れないうちは間違えやすいので注意が必要です。
コツとしては、色と重さで見分けること。5ペソは軽くて色がやや黄色っぽいのが特徴です。
⚪ 1ペソ硬貨(₱1)
- 色・素材:銀色(ステンレス風)
- 大きさ:直径約23mm(5ペソよりやや小さい)
- 表面のデザイン:ホセ・リサール(フィリピンの国民的英雄)
- 裏面のデザイン:ワウ川と国章
🔸 特徴と使い道
1ペソ硬貨は、お釣りで最も多くもらう硬貨です。
現地のコンビニ、ジプニー運賃の端数、スーパーの支払いなど、日常のあらゆる場面で使われています。
ただし、**1ペソ硬貨も旧デザイン(少し小さくて薄い)と新デザイン(少し厚く明るい色)**があり、見た目がかなり似ているため慣れるまでは混乱しがちです。
💡 旅行のコツ:財布の中で「10ペソ・5ペソ・1ペソ」を分けて入れるだけで、支払い時の混乱を減らせます。
🟤 25センタボ硬貨(₱0.25)
- 色・素材:銅色(ブロンズ)
- 大きさ:直径約20mm
- 表面のデザイン:フィリピン国章
- 裏面のデザイン:額面数字「25」
🔸 特徴と使い道
25センタボは、1ペソの1/4(=約0.25ペソ)に相当します。
とはいえ、実際の買い物ではほとんど使われません。
お釣りで出てくることはありますが、多くの人が財布の中に貯めたままになってしまいます。
一部のスーパーではまだ見かけますが、屋台などではまず使いません。
🟠 5センタボ硬貨(₱0.05)
- 色・素材:明るい金色
- 大きさ:直径約16mm(非常に小さい)
- 表面のデザイン:フィリピン国章
- 裏面のデザイン:額面数字「5」
🔸 特徴と使い道
5センタボは、現在ほぼ使われない硬貨です。
実際、現地の人でも見たことがないという声が多いほど。
スーパーなどで極まれにお釣りとして渡されることがありますが、ジプニーや屋台では使えません。
🟡 1センタボ硬貨(₱0.01)
- 色・素材:銅色(赤みのある小さなコイン)
- 大きさ:約15mm以下(最小サイズ)
- 表面のデザイン:フィリピン国章
- 裏面のデザイン:額面数字「1」
🔸 特徴と使い道
1センタボは、ほぼ幻の硬貨です。
現在のフィリピンでは事実上流通していません。
銀行でも取り扱いが少なく、実際に使う機会はまずありません。
コレクター用・記念的存在と考えてOKです。
紛らわしい硬貨の見分け方

フィリピンの硬貨はデザインが統一された分、色とサイズが似ていて見分けがつきにくいです。
特に旅行者が混乱しやすいのが次の組み合わせ👇
- 10ペソ(銀+金)と5ペソ(金) → どちらも黄色っぽくて間違えやすい
- 1ペソ(銀)と旧5ペソ(銀) → 旧デザインが混ざっていると区別が難しい
💡 見分けのコツ
- 10ペソは「ツートンカラー」なので縁が銀色
- 5ペソは「単色の金色」
- 1ペソは「完全に銀色」
→ この3点を覚えておけば混乱しません。
よく使う硬貨とあまり使われない硬貨

| 区分 | 額面 | 使用頻度 | コメント |
|---|---|---|---|
| よく使う | ₱10, ₱5, ₱1 | ◎ | 日常生活で最も使う。常に数枚持っておくと便利。 |
| たまに使う | ₱0.25 | △ | スーパーなどでまれに登場。屋台では不要。 |
| ほぼ使わない | ₱0.05, ₱0.01 | × | 流通していない。受け取っても使い道なし。 |
硬貨の使い方とマナー(詳しく解説)

フィリピンでは、硬貨(コイン)は日常生活の中で非常によく使われます。
特に屋台や交通機関では、「お釣りがない」=支払いできないという状況もあるため、小銭をうまく扱えることが旅をスムーズにするコツです。
🪙 支払い時の基本マナー
- 両手で渡すのが基本
→ 日本と同じく、片手で投げたり放るように渡すのは失礼。
→ 硬貨でも丁寧に渡すと相手に好印象を与えます。 - お釣りを受け取る時も両手で
→ 小銭が落ちやすいため、両手でしっかり受け取りましょう。
→ 「Thank you.(ありがとう)」や現地語の「Salamat.(サラマッ=ありがとう)」を添えるとさらに◎。 - 数センタボ単位の誤差は気にしない
→ 例えば「₱99.75」の商品でも、₱100を出してお釣りが0.25ペソ戻ってこないことは普通です。
→ フィリピンでは「お互いに気にしない文化」が根付いており、端数の切り上げ・切り捨ては当たり前。 - 大量の硬貨をまとめて渡す場合
→ スーパーやコンビニなどでは、まとめて出しても問題なし。
→ ただし、屋台や露店では数えづらくなるため、できるだけ整理して渡しましょう。
🚖 シーン別・スマートな使い方例
| シーン | 使える硬貨 | ワンポイントアドバイス |
|---|---|---|
| ジプニー(乗り合いバス) | ₱1・₱5・₱10 | 細かい運賃支払いに必須!お釣りが出ないことも多いので事前に用意。 |
| トライシクル(バイクタクシー) | ₱5・₱10 | 「Keep the change!(お釣りはいらない)」でチップ代わりにも。 |
| 屋台やローカル食堂 | ₱10・₱20(紙幣) | お釣りが細かく返ってくるので、硬貨で対応できるよう整理しておく。 |
| スーパーやコンビニ | ₱1・₱5・₱10・₱0.25 | レジでは硬貨をまとめて出してもOK。トレーがあることも多い。 |
| ホテルやレストランのチップ | ₱5・₱10 | 小銭でも「気持ち」が伝わる。スマートに渡せば丁寧な印象。 |
🧺 財布・持ち歩きの工夫
小銭専用ポケットを作る
→ フィリピンのコインは重みがあるので、財布がパンパンになることも。
→ 小銭用ポーチを持っておくと便利。
支払い直前にまとめておく
→ ジプニーなどでは乗車時にサッと出すのが好印象。
→ 乗車中にゴソゴソ探すと後ろの人を待たせることも。
外では硬貨を数えながら歩かない
→ スリに狙われることがあるため、支払い前にあらかじめ用意しておくのが安全。
✋ NGマナー(やってはいけないこと)
- 硬貨を机の上に投げる・転がす
- 手のひらでバラバラと落とすように渡す
- 破損・汚れた硬貨をわざと使おうとする
- 大量の1ペソ硬貨を屋台で出す(数えるのが大変)
💡現地の人はフレンドリーなので、多少の間違いは笑って許してくれますが、「丁寧に渡す」意識を持っておくとトラブルを防げます。
フィリピン硬貨の豆知識(詳しく)

🪙 ① 20ペソ硬貨の登場
以前は紙幣だった**20ペソ(₱20)**が、現在は「硬貨」としても発行されています。
金色で10ペソより少し大きく、中央銀行が「紙幣の耐久性が低い」という理由で硬貨化しました。
旅行者にとっては「紙幣だと思ってたのに硬貨が出てきた!」という驚きが多いですが、正式に同額として使えます。
🏦 ② 新デザイン(NGCシリーズ)とは?
2018年以降に登場した**「ニュー・ジェネレーション・カレンシー・コイン(NGC)」シリーズ**では、全硬貨のデザインが統一され、
- 表:国の英雄の肖像
- 裏:フィリピンの代表的な動植物
が描かれています。
見た目がスタイリッシュになった反面、**「どれも似ていて見分けがつきにくい」**という声もあり、特に₱5と₱10の間違いが多発しています。
💰 ③ フィリピンでは「小銭をためる文化」がある
フィリピンの人たちは、小銭を大切に使います。
特に屋台や公共交通機関では小銭が命!というほど。家庭ではペットボトルや瓶に1ペソ硬貨を貯めておき、必要な時に使うのが一般的です。
旅行者も同じように、ホテルの部屋で1ペソ硬貨をまとめて置いておくと、次の日の移動や軽い買い物の際にとても便利です。
🧾 ④ 古い硬貨(旧シリーズ)はどうなる?
旧デザインの硬貨(2000年代のもの)は、すでに流通終了が進んでいます。ただし、地方やローカル店ではまだ使われていることも。
見た目がくすんでいて小さめのコインは旧シリーズの可能性が高いです。
旧硬貨を受け取っても使えないわけではありませんが、なるべく新しいデザインの硬貨を使う方がスムーズに受け取ってもらえます。
🌴 ⑤ 1ペソ=約2〜3円(目安)
レートは変動しますが、2025年現在、1ペソ=約2.5円前後が目安。つまり、10ペソ=約25円、5ペソ=約12円ほど。
小銭とはいえ意外と価値があるので、ついつい軽く見ないようにしましょう。
🛍️ ⑥ 小銭は「チップ」にも便利!
ホテルやマッサージなどで、「サービスが良かったな」と思ったら₱5〜₱10硬貨をチップとして渡すのもおすすめ。
紙幣よりも気軽で、現地の人にも喜ばれます。
ただし、高級ホテルでは紙幣の方がスマートです。

🧩 ⑦ コインで遊ぶ子どもたちも多い!
フィリピンでは、子どもがコインを使って遊ぶ姿もよく見かけます。
地面に並べてコマのように回したり、コイントスで遊んだり。それだけ硬貨が身近な存在なんです。
よくある質問(FAQ)
Q1. フィリピンの硬貨はいくつの種類がありますか?
A. 現在は₱10、₱5、₱1、₱0.25、₱0.05、₱0.01の6種類が流通しています。ただし、実際によく使われるのは₱10・₱5・₱1の3種類です。
Q2. 20ペソの硬貨があるって本当ですか?
A. はい。近年、紙幣に代わって20ペソ硬貨も登場しました。10ペソより少し大きく、金色の硬貨です。
Q3. センタボ(₱0.25など)は使われていますか?
A. ほとんど使われていません。スーパーやお釣りで出ることはありますが、屋台などでは無視されることも多いです。
Q4. 硬貨を投げて渡すのは失礼ですか?
A. はい。フィリピンではお金を投げる行為は無礼とされます。硬貨でも両手で丁寧に渡すのがマナーです。
Q5. 古い硬貨(旧デザイン)はまだ使えますか?
A. 一部では使えますが、中央銀行(BSP)が新デザインに移行中のため、新しい硬貨の方が確実です。
Q6. チップに硬貨を使ってもいいですか?
A. 問題ありません。₱5〜₱10の硬貨でも感謝の気持ちは十分伝わります。高級ホテルなどでは紙幣の方が丁寧です。
Q7. 1ペソ以下の硬貨は捨ててもいいですか?
A. 捨てるのはNG。現地では貯金箱や瓶に貯めておく文化があります。まとめて銀行に持っていく人も多いです。
まとめ:硬貨を味方につければ旅はもっと快適!
フィリピンの硬貨は、最初は見分けにくいですが、慣れればとても使いやすいです。特に₱1〜₱10の3種類は、現地での支払いの基本中の基本。
細かいお金をスマートに使えるようになると、屋台・交通・買い物・チップ――どんな場面でも自然に行動できるようになります。
「硬貨の扱いに慣れる=現地の生活リズムに慣れる」こと。小銭をうまく使いこなせば、あなたも立派なフィリピン通です🇵🇭✨

